2025.02.09 FAカップ・リーグカップ2024-25FAカップ・リーグカップ
レイトン・オリエントに大苦戦のマン・シティは、レアル・マドリードの弱点を突けるのか?
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2022‐23シーズンにリーグ2を制覇し、現在はリーグ1(3部相当)で9位。本拠地ゴーガン・グループ・スタジアムには、9271人しか入れません。昨季プレミアリーグのチャンピオンを間近で見られるホームゲームは、今シーズン最大のビッグイベント。アーリング・ブラウト・ハーランドの欠場を残念がっているサポーターもいるでしょう。
ペップ・グアルディオラにとってこの試合は、冬のマーケットで獲得した新戦力のフィット感を高める場であり、ミッドウイークのレアル・マドリード戦に向けたコンディショニングにも活用できそうです。最前線はマルムシュ、2列めにサヴィーニョ、ジェームズ・マカティ、グリーリッシュ。デッドラインデーに駆け込みで獲得したニコ・ゴンザレスの姿もあります。
最終ラインには、パルメイラスから加わったヴィトール・レイスと、アカデミー出身のニコ・オライリーの19歳コンビが起用されています。ルベン・ディアスが調子を上げてくれれば、自信をもってチャンピオンズリーグに臨めるでしょう。ランチタイムキックオフの一戦に足を運んだのは、8750人。ポゼッションを取ったマン・シティの最初の決定機は10分でした。
右からボックスの裏に走ったのはサヴィーニョ。足元にピタリと合ったニコ・ゴンザレスのフィードは、ロドリを思い出させる素晴らしいボールでした。ウインガーがダイレクトでファーに優しいボールを転がすと、枠に収めるだけでよかったギュンドアンが左に外してしまいました。ペップの目論見をすべて壊すショッキングな事件が起こったのは、16分です。
ハーフライン手前でロングフィードをカットしたオライリーは、すかさずニコ・ゴンザレスにパス。3人に囲まれていたMFはトラップに時間がかかり、パーキンスにつぶされてしまいました。こぼれ球に駆け寄ったドンリーは、オルテガが前に出ているのを見てダイレクトで頭上を狙いました。絶妙な超ロングシュートは、GKの右手の上を抜けてゴールに向かっています。
クロスバーに弾かれたボールがGKの腿の裏に当たり、ゴールイン。サポーターたちは赤いスカーフを振り回し、ピッチではサブの選手たちがスパーズから来たレフティに抱きついています。パーキンスに乗っかられたニコ・ゴンザレスは、左手で腰を押さえてプレイしており、20分のスローインのタイミングでピッチに座り込んでしまいました。
代わって入ったのはベルナルド・シウヴァ。新戦力をテストできなかったマン・シティは、「Who are ya?」「sacked in the morning!」(明日の朝には解任だ)」の大合唱を浴びながら、猛攻を続けています。グリーリッシュのクロスが、ファーでフリーのベルナルド・シウヴァに届いたのは37分。GKの股間を抜いたボレーをゴールライン上で止めたのは、またもドンリーです。
前半の最後の決定機は、追加タイム3分。右から上がったサヴィーニョが左足のアウトでクロスを入れると、マルムシュのボレーはGKキーリーのビッグセーブに阻まれました。リーグ1のクラブを相手に、1点のビハインドを背負ってハーフタイム。ペップはヴィトール・レイスとルベン・ディアスを下げ、フサノフとジョン・ストーンズを投入しました。
5回のビッグチャンスを逃していたアウェイチームが、ようやく追いついたのは56分。ショートコーナーからグリーリッシュのパスを受け、ミドルシュートを放ったリコ・ルイスは、飛んできたボールをよけきれずに頭に当てたフサノフを指差し、笑っています。持ち場に戻った20歳のCBの顔はこわばっており、移籍後初ゴールを決めた選手とは思えません。
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デブライネがラインの裏に出るのを見たグリーリッシュがボックス左に浮き球を入れると、GKがニアを締めるのを確認したプレーメイカーは、つま先で右に流し込みました。90分の右からのFKにフリーで走り込んだハッピーの左足ボレーが決まっていれば、中2日のCLの前に延長戦という最悪の展開になっており、「大苦戦の末に何とか勝利」という表現が妥当でしょう。
2025年になってからは6勝1分2敗。ひと頃の絶不調からは脱しているマンチェスター・シティですが、直近は4試合連続で先制されています。リーグ1のチームに対してシュート24本を放ちながら、幸運な先制ゴールとデブライネの1発しかなかった一戦を見ると、前年のビッグイヤーを制したチームにホーム&アウェイで勝てるとは思えません。
ただし、レアル・マドリードのほうも、ビッグマッチでことごとくポイントを落としているという事実も押さえておくべきでしょう。宿敵バルセロナとは、サンティアゴ・ベルナベウのクラシコで0‐4で惨敗した後、スペインスーパーカップ決勝でも2‐5で連敗。CLではミランに1‐3、リヴァプールに2‐0で完敗しており、アトレティコ・マドリードとのダービーは1‐1のドローです。
彼らの最大の課題は、ムバッペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ベリンガム、ロドリゴの共存がうまくいっていないこと。4人が揃うと中盤の負担が増大し、ベリンガムとモドリッチがもっと下がってくれと要求するシーンが見られます。守備時の4‐4‐2は、ラインの間に入ってくる選手を捕まえきれず、あっさり前線にパスを通されるシーンが目立っています。
ラ・リーガの下位には圧勝するフォーメーションも、プレミアリーグやセリエAの強豪が相手となると脆さが露呈してしまうようです。時折ひとり外してバランスを取ろうとするアンチェロッティ監督は、ビルドアップのミスが多いペップのチームに対して圧力を強めるのか、自らの綻びの修正を優先するのか。CLで苦戦した両者ともに、戦術の選択が重要な2試合になりそうです。
マン・シティの最初のテーマは、CBです。アカンジはいけそうですが、コンディションに不安があるルベン・ディアスと、アーセナル戦のデュエルで負け続けたジョン・ストーンズのどちらを選ぶのか。失点に直結するミスが目立つ中盤も、コヴァチッチ、ギュンドアン、ベルナルド・シウヴァ、リコ・ルイス、マテウス・ヌネスから最適解を見出さなければなりません。
シティ・オブ・マンチェスターのファーストレグは、FAカップをスキップしたハーランドとコヴァチッチは当確でしょう。ウイングはマルムシュとサヴィーニョでしょうか。失点回避を最重要テーマとするなら、ベルナルド・シウヴァとギュンドアンを左右に配したチェルシー戦の中盤がよさそうです。どうするペップ?百戦錬磨の王者にホームで負けるわけにはいきません。
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