イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

好調アストン・ヴィラ、速攻から3発でまさかのFAカップ敗退!クリスタル・パレスは初の決勝進出!

プレミアリーグで7位のアストン・ヴィラは、5位のチェルシーと3ポイント差。来季のCLの出場権は視界に入っており、FAカップ制覇まであと2勝に迫っています。2024-25シーズンのCLは、リーグフェーズで8位に食い込みノックアウトラウンドにストレートイン。クラブ・ブルッヘに勝ってベスト8に進出し、パリとの激闘の末にトータル5-4で敗退となりました。

欧州で大健闘の後、FAカップを制してプレミアリーグを5位以内で終えれば、最高のシーズンといえるでしょう。ウェンブリーのセミファイナルの相手は、リーグで12位のクリスタル・パレス。ストックポート、ドンカスター、ミルウォールと下部リーグのチームばかりと戦ってきた幸運なクラブは、準々決勝でフラムを0‐3で下して4強進出を果たしています。

直近の戦績を比べれば、プレミアリーグファンの多くがヴィラの勝利と予想するでしょう。ウナイ・エメリの戦術が浸透した素晴らしいチームは、2月末から公式戦で10勝2敗で、パリとマン・シティに惜敗しただけです。対するオリヴァー・グラスナーのチームは、4月に入ってからマン・シティに5-2、ニューカッスルに5-0で敗れており、4試合連続勝利なしでこの日を迎えています。

ヴィラの最大の懸念は、今季のプレミアリーグで1分1敗と負け越していることでしょう。27節のセルハースト・パークでは、4‐1の完敗。スピーディーなサイドアタックから2ゴールを決めたイスマイラ・サール、ショートカウンターからマテタのゴールをお膳立てしたエゼ、途中出場で4点めをゲットしたエンケティアは、フラムとの準々決勝でもゴールを決めており、絶好調です。

両者ともに慎重な立ち上がりだったゲームは、12分のブバカル・カマラのミドルまでシュートがありませんでした。ポゼッションは当然のようにヴィラ。クリスタル・パレスの攻撃陣はハーフライン付近で待ち構え、素早いプレスから速攻を仕掛けようとしています。鎌田大地とウォートンの2センターは、自分のサイドにボールが出るとプレスに加勢し、パスコースを切っています。

ヴィラがチャンスを得たのは24分。ディーニュのクロスをラクロワがクリアできず、ファーにいたモーガン・ロジャースが右足で合わせると、ボールは左のポストの外を抜けていきました。最後方のパウ・トーレスのパスを、イスマイラ・サールが体に当てたのは30分。右サイドでこぼれ球を拾った7番は、中に持ってディーニュをかわし、ボックス手前にラストパスを転がしました。

走り込んできたエゼがノートラップで右足を振り抜くと、ドライブがかかって落ちてきたボールにエミ・マルティネスは触れず、先制はイーグルス。蹴った瞬間、決まると確信した会心のショットだったのでしょう。殊勲の10番はその場から動かず、祝福するチームメートにも反応せず、「あそこに決めたんだ」とアピールするようにゴールを指差しています。

39分のCKを叩いたコンサのヘッドは、ディーン・ヘンダーソンがセーブ。前半のヴィラはポゼッション66%ながら、決定機を創れずに終わりました。アーセナル戦のドローや、チェルシー、パリ、ニューカッスルに勝った試合はすべて後半の猛攻でゴールを連発しています。1‐0というスコアを気にする必要はないと思ったのですが…。

キックオフから4分、パウ・トーレスのサイドチェンジが右にいたモーガン・ロジャースに通り、最初のアタックをカットされた後、マティ・キャッシュのクロスが中央のマッギンの足元に届きました。右足のハーフボレーは、ディーン・ヘンダーソンが上に弾き出すビッグセーブ。CKのクリアが左に流れ、ディーニュが遠めから狙うと、これも守護神が左に反応してセーブしました。

51分のタイリック・ミッチェルのクロスはコンサがクリア。こぼれ球を拾ったウォートンがボックス左のエゼにダイレクトパスを出すと、ブバカル・カマラの足が10番にかかり、ジャッジはPKです。顔がこわばっていたマテタのキックは、右のポストに当たってアウト。ヴィラが勢いづくかと思いきや、58分に決めたのは絶好調のイスマイラ・サールでした。

敵陣でティーレマンスのパスをカットしたのはウォートン。マテタが右脇にいた7番に預けると、鋭いミドルシュートが左隅に突き刺さりました。2-0とされた直後、ディーニュとマッギンをマートセンとレオン・ベイリーに代えたエメリ監督は、70分にブバカル・カマラとアセンシオをロス・バークリーとジェイコブ・ラムジーにスイッチしています。

2点差となってから、9本のシュートを放ったヴィラの攻撃陣は、クリスタル・パレスの必死の守備を崩せませんでした。ハムストリングを痛めたラシュフォードがいれば、違う結果を得られたのかもしれません。94分、敵陣でティーレマンスから奪ったのはエンケティア。縦パスを追ったイスマイラ・サールがパウ・トーレスをかわし、GKと1対1から最後のゴールを左に決めました。

3‐0の勝利の立役者は、前回のヴィラ戦でゴールに絡んだエゼ、イスマイラ・サール、エンケティア。彼らはフラム戦で決めた3人でもあります。敵陣で奪って速攻から3発。彼らのスタイルは、後ろで守って速攻を繰り出すノッティンガム・フォレストより、マンチェスター・シティと戦ったほうが威力を発揮するのではないでしょうか。

敗れたアストン・ヴィラは、インターセプトを狙われていたエリアでの不用意なプレイが命取りとなりました。オリー・ワトキンスとアセンシオは完封され、モーガン・ロジャースとマッギンはサイドを攻略できず、中盤はパスミスが目立ちました。応援していたチームの敗戦は悔しい限りですが、オリヴァー・グラスナーの戦術を徹底した選手たちを称えましょう

ウェンブリーのファイナルがクリスタル・パレスVSマンチェスター・シティとなれば、ビッグ6と1度も戦わなかったチームの対決となります。両者ともに、プレミアリーグ勢との対戦は8強と4強の2試合のみ。いや、こういう話は本日の試合が終わってからにしましょう。イーグルスのサポーターのみなさん、クラブ創設以来初めての決勝進出、おめでとうございます!(イスマイラ・サール 写真著作者/SENEGO TV HD)


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す