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2014.07.31 香川真司

最初で最後の大チャンスはシュートゼロ…インテル戦の香川真司、トップ下で「違い」を見せられず!

「6番や8番(のポジション)で試した前の2試合よりよかった」…マンチェスター・ユナイテッドとインテルが当たった、インターナショナルチャンピオンズカップの第2戦。ファン・ハール監督のコメントに「香川真司に好評価」という見出しを立てた日本のスポーツ紙が多かったようですが、私の評価は「香川真司はチャンスをつかみそこねた」。今のプレイでは、この夏、残留したとしても「プレミアリーグで70分以降にときどき登場する選手」「プレミアリーグ下位クラブ相手のカップ戦で使われる選手」以上にはなれないでしょう。

前2試合と、後半から念願のトップ下で出場したこの試合の違いは、「守備のミスが目立たないポジションだったため、ネガティブな印象を抱かせずに終えられた」だけだと思います。攻撃参加を期待されたセントラルMFで2試合、明確にゴールが求められていたトップ下で1試合。皮肉なことに、唯一シュートを打てなかったのが、トップ下で出場した昨日のゲームでした。

ナニからのパスをヒールで落とし、シュートを打たせたプレイは香川真司らしい見事な判断。ゴール前で空いているスぺースを見つけ、フリーになった2度のチャンスに、ザハが正確なパスを出してくれていれば、ヒーローになれたかもしれません。しかし、1本めはザハが香川の後ろに痛恨のミスパス。左サイドからザハが抜け出したとき、そのすぐ横でフリーで待っていた2本めは、ザハが強引にシュートを放ってしまいました。あそこは、手を上げて大声で要求しないと。ナニ、ザハ、ヤヌザイ、バレンシアと、マンチェスター・ユナイテッドのサイドアタッカーはシュートを打ちたがる選手ばかり。コウチーニョやカソルラ、オスカル、ナスリのような気の利いたラストパスを出してくれるプレイヤーはいないのですから。

このままでは、ドイツもしくはプレミアリーグの中堅クラブあたりからそれなりの値段のオファーがあれば、ファン・ハール監督とクラブの経営陣はおそらく香川を売りに出すでしょう。残すとすれば、その評価は「中盤の組み立てのアイデアがある」「セントラルもトップ下もそれなりにこなすので、クレヴァリーよりは使い勝手がいい」といったところ。しかし、前者はルーニーといいコンビネーションを見せ、長短のパスが使えてミドルまで打てるマタが上。後者には、守備力のあるエレーラが既にいます。もし、ディ・マリアやビダルタイプの大物MFが獲れたとしたら…。香川真司を使う場面が一気にイメージできなくなります。

生きる道は、「ゴール前に顔を出して再三シュートを打ってくるセントラルMF」か、「ペナルティエリアでコンビネーションからゴールを奪える、マタとは違うタイプのトップ下」。残された時間は、次戦レアル・マドリード戦の後半、45分間。チームが決勝まで進めたとしたら、リヴァプールかマンチェスター・シティとのプレミアリーグ対決の45分が加わると思われます。欧州王者と戦う次の45分は、最低でもシュート3本がノルマ。出来ればゴールを決めたいところです。ルーニーと一緒に使ってもらえないのが、今の香川真司の立ち位置ですが、チームでいちばんプレイを理解してくれている10番からラストパスをもらえればと思うと、無念です。

ファン・ハール監督の評価は、クレヴァリーやナニよりも高いのではないかとは思うものの、ドルトムントでの鮮烈な活躍の残像が多くのクラブの記憶にある香川真司のほうが売りやすいのも事実でしょう。古巣復帰は絶望的という状況のなか、マンチェスター・ユナイテッドを離れるとしても、プレミアリーグならトッテナムやエヴァートン、ドイツではシャルケ04やレヴァークーゼンなど、欧州の大会が視界に入っているクラブに請われればいいのですが…。

それにしても、マンチェスター・ユナイテッドはよくなりましたね。試合を経るごとにパスワークがシャープになっており、インテルという凋落セリエAの中堅クラブ相手ではありながら、ワンサイドゲームを展開するまでにクオリティが上がりました。できればアメリカで、マンチェスター・ダービーをやって帰りたいですね。この時期は、プレミアリーグ同士の対決が、現在の強さが窺える最高の物差しだと思います。その前に本日、リヴァプールとマンチェスター・シティが戦います。こちらもまた、楽しみです。

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“最初で最後の大チャンスはシュートゼロ…インテル戦の香川真司、トップ下で「違い」を見せられず!” への2件のフィードバック

  1. グナ より:

    やっぱ強いじゃないですか!笑
    プレミア好景気でどこも強い!
    マンU上位復帰してきたらCL枠争い熱すぎる
    アーセナルはDMFを…

  2. makoto より:

    グナさん>
    昨季の4強から、CL出場権を逃すチームが出る可能性があるというのが、プレミアリーグならでは。それだけでも既にエキサイティングです。

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