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2014.07.10 香川真司

新監督への大事なアピールチャンス。米国ツアーメンバーに選ばれた香川真司、がんばれ!

香川真司が、マンチェスター・ユナイテッドのアメリカツアーのメンバーに選ばれました。公式サイトの発表では、プレミアリーグデビューのアンデル・エレーラ、セインツから来たルーク・ショーと、ルーニー、デ・ヘア、マタまでしか名前が出ておらず、最終的なメンバーは出発日の18日に確定とのこと。ファン・ハール監督が初采配をとるこのツアーは、ロサンゼルス・ギャラクシー、ASローマ、インテル、レアル・マドリードと、対戦相手も申し分なし。香川真司にとっては、クラブが獲得を狙っているといわれるビダルなど、今後増えるであろう新戦力が合流する前のこのツアーが、新監督に存在価値をアピールする重要な場となります。

地元紙「マンチェスター・イブニングニュース」によると、マンチェスター・ユナイテッドは、予算250億円以上といわれる大型補強をする一方で、7人程度の放出を検討しているようです。候補となるのは、既にユヴェントスから話があるといわれているナニとエヴラのほか、クレヴァリー、アシュリー・ヤング、フェライニ、アンデルソン、ベベ、チチャリート、そして香川真司。ワールドカップでその実力を世界にも新監督にもアピールできなかった香川は、先日、クラブ首脳陣に直談判を申し入れたと伝えられています。今季の積極的な補強に危機感を煽られ、「自分が必要とされないのなら移籍も辞さず」という構えなのでしょう。確かに、出てくる名前は皆、トップ下かサイドアタッカーです。疑心暗鬼になるな、といわれても難しいですね。

さて、数人放出必至という状況のなか、「マンチェスター・イブニングニュース」は、今回も得意のアンケートを実施しています。テーマは、「Keep or Sell(残留?それとも放出?)」。おととい発表された結果によると、残留で票が高かったのは、デ・ヘアとヤヌザイが99%、ファン・ペルシとマタが98%と、ここまでが四天王。ルーニーは84%と微妙な数字です。逆に低かったのが、アシュリー・ヤング(5%)、アンデルソン(7%)、べべ(9%)、ナニ(16%)、フェライニ(19%)、クレヴァリー(残留=20%)となっており、このあたりはサポーターとクラブ首脳陣の見解が概ね一致するところでしょう。香川真司はといえば、71%。これは、ウェルベックを僅差で上回っており、初年度のゴールシーンや、昨季プレミアリーグでの好調時のチャンスメイクがサポーターの脳裏に焼き付いているのでしょう。振り返れば、昨季の最終盤は準レギュラーといっていいポジションだったわけで、プレミアリーグと国内カップのみの今季は競争が激化して厳しい状況ではあるものの、全くノーチャンスというわけでもないと思います。

マンチェスター・ユナイテッドの新ユニフォームのポスターでは最前列を飾り、ファン・ハール監督の好む選手と報道され、ツアーのメンバーにも選ばれるなど、今のところ、香川真司は残留寄りのポジションにいると思われます。とはいえ、本人は「とにかく試合に出てゴールを重ねたい」一心でしょうし、日本のファンのなかにも「試合に出られないなら移籍してほしい」という声があります。しかし、私が思うのは、「香川真司が移籍していいのは、過去に話があったアトレティコ・マドリードや古巣ドルトムントなど、4大リーグでチャンピオンズリーグに出場するレベルのクラブから請われたときのみ。そうでなければ、残って世界水準の選手たちと切磋琢磨し、レギュラー争いにチャレンジすべし」です。

一度中位のクラブに身を置けば、プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラのトップクラブに再度オファーをもらえる可能性は薄くなります。ましてやトルコやギリシャにいこうものなら、完全に片道切符でしょう。飼い殺しといわれようがベンチ要員といわれようが意に介さず、チームから捨てられない限りは「高いレベルでサッカーをする」ことにこだわってほしいと思います。マンチェスター・ユナイテッドは、実力と運が両方なければ、入れるクラブではないのですから。

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