イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

FAカップ敗退で、リヴァプールはチャンピオンズリーグ出場権に近づいた!?

みなさまにひとつ、お詫びがございます。私は、ヨーロッパリーグにおける今季のレギュレーション変更を見逃しており、一部の記事で読んでいただいた方をミスリードしてしまっていたと思われます。UEFAから「カップ戦の準優勝チームが欧州の大会に出場するのはNG」というお達しが出て、2015-16シーズンより「FAカップ優勝チームがCL出場権を持っていた場合は、準優勝チームが繰り上げ出場」ではなくなり、プレミアリーグの上位チームに出場権がまわることになっています。大変申し訳ありませんでした。上記のお話を今季の状況にあてはめれば、こういうことです。

【来季のチャンピオンズリーグ・ヨーロッパリーグ出場権について】
■現在のプレミアリーグの順位が変わらないと仮定すると…
⇒チェルシー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティがチャンピオンズリーグ出場権を獲得
⇒リヴァプールはプレミアリーグ5位でヨーロッパリーグ出場権獲得
⇒キャピタルワンカップの優勝クラブはEL出場権を獲得するが、
 今季の優勝はCL出場権を持つチェルシーなので、優勝クラブの権利は消滅し、
 プレミアリーグ6位のトッテナムがヨーロッパリーグ出場権獲得
 (このルールは従来と変わらず)
⇒FAカップ優勝クラブが、もうひと枠のヨーロッパリーグの出場権獲得

まずはここまでは今までと変わりません。そして、

【FAカップにおけるルール変更点】
■プレミアリーグが終了してから行われるFAカップの結果が…
1)アストン・ヴィラが勝った場合
⇒アストン・ヴィラがヨーロッパリーグ出場権獲得。
 プレミアリーグ7位のサウサンプトンはアウト
2)アーセナルが勝った場合
⇒従来は「FAカップ準優勝のアストン・ヴィラがヨーロッパリーグ出場権獲得」
 でしたが、ルール変更により優勝クラブの権利は消滅し、
 プレミアリーグ7位のサウサンプトンがヨーロッパリーグ出場権を獲得

変更となったのは、FAカップでCL出場権を持つクラブ、あるいはプレミアリーグ5位のクラブが優勝した場合、すなわち上記2のレギュレーションです。準優勝クラブに付与されていた権利がなくなったため、アストン・ヴィラは勝たないと欧州に出られません。一方、このルール変更によって、プレミアリーグが終わった後も来季の欧州行きを巡ってハラハラし続けないといけないクラブが出てきました。現在、暫定ながら勝ち点1差のなかにひしめき合っている5位リヴァプール、6位トッテナム、7位セインツです。特にトッテナムとセインツにとっては、FAカップ準決勝の結果は「何てことをしてくれたんだ、ロジャースさん!」でしょう。リヴァプールも含めて、日曜日のFAカップの結果が違えば、以下のように状況は変わっていたのです。

3)決勝がアーセナルVSリヴァプールだった場合
⇒アーセナル優勝なら、プレミアリーグ7位までがヨーロッパリーグ出場権獲得
 (上記の2と同じ)
⇒リヴァプール優勝ならリヴァプールがヨーロッパリーグ出場権獲得
 リヴァプールがプレミアリーグ5位ないし6位なら、繰り上げで7位までがセーフ
 リヴァプールが7位に転落すれば、5位と6位のトッテナムとセインツはセーフ

つまり、リヴァプールが決勝にいってくれれば、8位のスウォンジーに勝ち点9以上の差をつけているトッテナムとセインツのEL出場権獲得はほぼ決まりだったのです。ところが、アストン・ヴィラに可能性が出てきたことで、両者の立場は変わりました。来週のセインツVSトッテナムは、来季の欧州を賭けた直接対決、食い合いとなったわけです。「ロジャース監督、つい先日までチャンピオンズリーグ出場権を諦めてFAカップ優勝狙いにシフトするって言ってましたよね!」というライバルたちの声が聞こえてきそうです。

さて、ここからが本記事の本題、ちょっとした妄想・暴走をお許しください。ジェラードの35歳のバースデイに決勝が開催されるFAカップの敗退は、リヴァプールの関係者にとってもサポーターにとってもショッキングな出来事だったと思います。しかし、もしかするとこの敗戦で、リヴァプールはチャンピオンズリーグ出場権に近づいたのかもしれません。ポイントは、ラスト5試合のスケジュールです。7位に落ちるわけにはいかなくなり、目の色が変わるであろうトッテナムとセインツは、いずれも4位マンチェスター・シティとの対戦を残しているのです。トッテナムは本拠地ホワイト・ハート・レーン、セインツはアウェイとはいえ今季最終戦です。

ヨーロッパリーグ出場権争いが最後までもつれるなか、マンチェスター・シティが両者に負けたとすれば勝ち点6をロスト。マン・シティより消化が1試合少ないリヴァプールは、延期試合のハル・シティ戦を勝てば4位と勝ち点4差です。ラスト5節の相手はWBA、QPR、チェルシー、クリスタル・パレス、ストーク。プレミアリーグ首位とのアウェイ戦を残しているのは一見、厳しいようですが、36節にはモウリーニョさんのチームは優勝を決めてテンションを下げているかもしれません。全勝は無理でしょうか。いや、全勝をめざしましょう。そうすれば…。

チャンピオンズリーグ出場権の椅子取りゲーム、ヨーロッパリーグを巡るデッドヒート、最後まで何が起こるかわかりません。リヴァプールは4位から7位まで、マンチェスター・シティも準優勝からCL逃しまで、現実的な可能性があります。一戦一戦で状況が激変するプレミアリーグ終盤戦、最後に笑うのは…⁉

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