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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

退団報道が急増のリヴァプール、来季の希望はミルナーか?大物ストライカーか?

昨年7月、ルイス・スアレスがバルセロナに移籍した後、ララナ、ランパード、デヤン・ロブレンらを獲得したリヴァプールについて「ベイルが移籍した後のトッテナムとは違う。われわれは戦略の下で動いている」とロジャース監督は語っておりましたが、結果的には彼らは昨季のノースロンドンと同じような道を歩いてしまいました。プレミアリーグ34節終了時の勝ち点は、前季獲得したパウリーニョやソルダード、ラメラが機能せずにモデルチェンジに取り組んでいるトッテナムと同じ58。ロジャース監督の最大の誤算は、ストライカーがまったく働かなかったことでしょう。

ピッチの上では問題ないだろうと期待されたバロテッリは1ゴール、セインツ時代は2年連続でプレミアリーグ13ゴールと安定していたリッキー・リー・ランバートは2ゴール。度重なるケガでシーズンの大半を棒に振ったスタリッジは4ゴールにとどまり、ボリーニの1ゴールを足すと、4人合わせてたったの8ゴール。複数のポジションをこなしていたスターリングの7発を組み込んでも、プレミアリーグ得点王争いのトップに立つアグエロの21ゴールははるか遠く、QPRのチャーリー・オースティンひとりにも及ばない15ゴールです。最近、インタビューに答えたロジャース監督は、「毎週トップレベルでプレイできる選手が1人必要だ。成功しているチームには、継続性のあるストライカーがいる。スアレスがいた時にここで見ただろう?」と、スアレス離脱の影響の大きさを認め、クオリティの高いストライカーを獲得すると語っています。

最前線の課題が大きかったのは間違いありませんが、それ以外のポジションは充分かといわれれば、これもまた「NO」でしょう。今季獲得した選手では、ララナ、デヤン・ロブレン、エムレ・ジャンには2年めのステップアップが期待でき、アルベルト・モレノは戦力として計算できると思われますが、マルコヴィッチは微妙。マンキージョは、シーズンローンの契約を終えてスペインに帰っていくものと思われます。バロテッリを含め、大量補強した選手たちの成功・失敗は五分五分。さらに、今季限りでアンフィールドを去るといわれている選手は、スティーブン・ジェラードだけではありません。

グレン・ジョンソンの退団は決定的で、34歳のコロ・トゥレもそろそろお役御免でプレミアリーグを離れるのではないかといわれています。「シーズンが終わるまで移籍については考えない」と宣言していたスターリングが出ていく可能性もあり、シュクルテルにはチャンピオンズリーグ出場権獲得が確定したヴォルフスブルクが声をかけるはずという報道があります。昨夏に移籍するといわれていたルーカス・レイヴァは、今シーズンに満足していないでしょう。最悪、これらの選手がすべて出ていくとすると、CB、サイドアタッカー、セントラルMFにもストライカー同様に即戦力が欲しくなります。来季のリヴァプールは、どんな布陣になるのでしょうか。

ストライカーで噂になっているのは、マンチェスター・ユナイテッドと争奪戦といわれているベンテケとダニー・イングス。あるいは、バルセロナのお買い得物件ペドロ、マンチェスター・ユナイテッドでお荷物となってしまったファルカオです。名前が挙がっているなかでは、プレミアリーグで実績を残しており、ベルギー代表でも活躍しているベンテケがベストなのではないでしょうか。ファルカオは、マンチェスター・ユナイテッドよりはレッズのほうがフィットしそうだと思いますが、コストパフォーマンスはアウトでしょう。ダニー・イングスが上のレベルで活躍できるかは未知数で、今季のランバートと同じ結果に終わる可能性もあります。

そして、直近でいちばん明るいニュースは、ジェームズ・ミルナーでしょう。イギリス紙「デイリー・スター」が取引完了と言い切ったのは勇み足だとしても、さまざまな報道を見るにつけ、レギュラーに近い形で活躍できそうなレッズをミルナーが選ぶ可能性は極めて高そうです。中も外もでき、調子の波が少ないベテランMFの加入は、レッズの攻撃の選択肢を増やしてくれるはずです。最終ラインでは、シャルケ04所属でギリシャ代表のパパドプーロスを狙っているという話があり、負傷が癒えて完全復活を果たそうとしている23歳をフリーエージェントで獲れれば、その分の予算を他のポジションにまわせます。

エースのスタリッジが働けず、キャプテン・ジェラードが想像以上に急激にクオリティを下げたという深刻な誤算があったなかで、最終的にヨーロッパリーグ出場権が獲れれば、悪くはなかったシーズンといえるのではないでしょうか。前半戦の不振を戦略・戦術変更で巻き返したロジャース監督は、的確な補強さえ得られれば、来季はさらにチームのクオリティを上げられると思います。夏の市場でよりいい選手を獲るためにも、まずはプレミアリーグ5位フィニッシュですね。残り4試合、10日のチェルシー戦が最大のヤマ場です。

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“退団報道が急増のリヴァプール、来季の希望はミルナーか?大物ストライカーか?” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    補強結果を見るとスパーズと同じ結果になりましたね。この時期は補強・退団報道が多くなりサポーターを一喜一憂させますが、ミルナーは是非とも獲得したい選手ですね。労を惜しまない汗かきタイプであり、ゲームでも十分機能するタイプなのでレッズにはまりますね。後はCBとFWの補強でしょうか。FWはベンテケ面白いかもしれませんね。オリジが帰ってくる来シーズン、ベンテケの獲得に成功すれば両ベルギー代表が前線を務めるかもしれませんね。ロジャーズは来期が本当に勝負になるので、色々な意味で期待したいですね。

  2. ASAP より:

    傍目に見ているだけなので差し出がましいですが、最悪の場合、Liverpoolはチームが崩壊しそうで怖いです。

    Liverpoolの立場に立つと、チームの功労者であり、実力も折り紙つきのGerrardの見極め(今シーズンに限っては、見切り)は大いに同情すべきポイントですね。

    とはいえ、あとの余剰人員整理は、CL用の厚みとして先送りにした問題なので、遅かれ早かれ着手しなければならないところではあるのですが。

    とにもかくにも、ビッグ・チームの継続運営にはCL出場権はつくづく重要だと改めて思った次第です(一流選手を引き留められない&口説けない)。

    まったくの余談ですが、Bentekeは、往年のEmile Heskeyを思い出してしまいます。ただ彼もUnitedはもとより、シレっとSpursあたりに行ってしまいそうな気が(笑)

  3. MILKY より:

    この噂になっている選手が功労者ばかりということが辛いですね。シュクルテルは残ってくれそうですがあとの選手は放出する雰囲気が漂い始めてますね…

    個人的にはミルナーとヘンドの似たタイプを並べるよりもレイヴァのような危機察知能力に長けた選手をおいて欲しいです。それにしてもロジャースのレイヴァを評価してないような雰囲気があるのはなんでしょうかね。

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