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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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昨季とのスタッツ比較で見えてきた!「リヴァプールが苦戦している本当の理由」

2021-22シーズンはプレミアリーグとチャンピオンズリーグが準優勝で、国内カップ2冠。しかし今季はアーセナルと19ポイント差の9位に沈み、カップ戦でも苦戦しています。ユルゲン・クロップ監督率いるリヴァプールに、何が起こっているのでしょうか

不振の理由は、サディオ・マネの移籍?ルイス・ディアスやジョッタの長期離脱?いやいや、チームのスタッツを見ると、前線に負傷者が続出したという単純な理由だけではなさそうです。まずは、プレミアリーグにおける2シーズンの主要スタッツを比較してみましょう。

1試合あたりのゴール数は、2.47対1.89と大幅にダウン。失点は0.68対1.39と激増しており、あと2失点で昨シーズンのトータル26失点を追い抜いてしまいます。ゴールの内訳を見てみると、セットピースは2シーズンとも0.5でイーブン。昨季は3つあったPKはゼロで、シーズンを通じて1本もなかったオウンゴールが4つも記録されています。

最も気になるのはオープンプレーからのゴール数で、1試合あたり1.68が1.06に減っています。18試合終了時点で15発決めていたサラーは、7発に半減。フルシーズンで69ゴールだったフロントスリーは22ゴールで、前線が得点力を失っているのは間違いありません。では、彼らはなぜ決められなくなったのか?「失ったもの」を箇条書きにしてみましょう。

■シュート数は試合あたり19.2⇒16.6
■ただしオンターゲットは6.7⇒6.1でさほど減らず
■ドリブル成功数は1試合9本⇒6.6本にダウン
■12アシストのアーノルドは、未だ1アシスト
■全シュートにおけるミドルの比率は33%⇒26%(リーグ最下位)
■14アシストだったMFは2アシスト
■シーズン12ゴールを決めていたファビーニョ、ヘンダーソン、ナビ・ケイタ、カーティス・ジョーンズがゼロ

ゴール&アシストとミドルの本数を見ると、中盤の攻撃力ダウンが前線のチャンスをも減らしているようです。平均569本だったパスは534本に減り、56本だったロングフィードは62本に増加。中盤でボールをまわしながら相手の隙を突く時間は減り、サイドチェンジや縦1本に頼るシーンが増えています。

守備に目を移すと、1試合あたりの被シュート数は7.8から10.3に増えており、PKを取られたことがなかった最終ラインは既に3本を献上しています。「スカイスポーツ」は、プレスのインテンシティの低下を指摘。ファイナルサードでの平均奪取数は半減し、5年前のレベルまで落ちているそうです。

一方、ディフェンシブサードでボールを奪い返す回数は、1試合あたり28.8本で、クロップ監督の就任以来最も高い数字です。攻撃を始める位置の平均は自陣ゴールラインから42.3mで、最高のシーズンだった昨季より3m以上、後方になっています。

前線がパスコースを絞れないため、中盤で囲い込めず拾えず、最終ラインが危機に陥る…なるほど。中盤が攻められないのは、前線と連動するプレスが減ったからでもあるようです。ちなみに、1失点以下だった10試合のうち7試合、クリーンシート4試合のうち3試合はフィルミーノが先発出場。マネ、サラーとのフロントスリーは、プレスにおいても最強だったのでしょう。

若いアタッカーが加わり、プレスの質が下がって全体のバランスが崩れたのだとすれば、立て直すためには彼らへの指導が必要となります。相当、時間がかかりそうですね…。

冬に即戦力を補強するなら、サカ、ガブリエウ・ジェズス、ブルーノ・フェルナンデス、ザハのような「守備の意識高い系アタッカー」と、カゼミーロ、カイセド、マック・アリスター、ブルーノ・ギマランイスのような「攻守のバランス系MF」でしょう。コーディー・ガクポを加えたクロップ監督は、中盤から前の補強を進めるのでしょうか。

そう、守備といえば、カオル・ミトマという選手もいます。プレミアリーグで656分と短い出場時間ながら、タックル成功16回はFWの16位。10試合以上出場した選手のなかで、90分あたりの平均ドリブル数2.2回の三笘を上回るのは、3.9回のサン=マクシマン、2.6回のベンラーマ、2.3回のエドジーだけです。監督、先週の彼はいかがでしたか…?


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“昨季とのスタッツ比較で見えてきた!「リヴァプールが苦戦している本当の理由」” への1件のコメント

  1. ムラカミフトシ より:

    我らがno10を干された恨みという訳ではありませんが
    クロップが調子良かったシーズンの次のシーズンに落ち込むというのは
    やはり勤続疲労なのではないでしょうか?

    自分の思い描くプレースタイルへの固執か
    勝利への熱望が常に最強メンバーを求めているのか
    はたまた選手への愛着が余っての特定の選手への執着か

    グラウディオラが昨年のFAカップリバプール戦で、サブGKステフェン
    のミスもあって敗退した時の批判に対して
    「この試合は彼のものだ」的な発言をしていて、クロップとは対照的だなと感じた覚えがあります。

    ローテーションに対しては色々見解はあると思いますが
    年間80試合闘う必要のあるチームではクロップのやり方は
    複数年で考えると余り良い結果が出てるとは言い難いかな

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