イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ショボスライ、マック・アリスター、フラーフェンベルフ…変幻自在のリヴァプールの中盤に注目!

夏のマーケットで獲得したギオルギ・ママルダシュヴィリが合流するのは1年後。個人条件合意と伝えられていたレアル・ソシエダのマルティン・スビメンディは、決まる寸前でクラブの引き留めに屈してしまいました。ユヴェントスのフェデリコ・キエーザの入団が発表されたのは、デッドラインデーの前日。リヴァプールの補強は、どう見ても失敗としか思えません。

就任したばかりの夏に新戦力を得られなかった監督は、深刻な表情で窮状を嘆くものです。ところがアルネ・スロット監督は泰然としており、「クラブを信頼している」「今いる選手たちと前に進む」と繰り返していました。イプスウィッチとの開幕戦は、前半は苦しみながらもジョッタとサラーが決めて0-2快勝。ブレントフォード戦も、2-0で勝ち切っています。

圧巻だったのは、オールド・トラフォード。カゼミーロとメイヌーを敵陣でつぶし、サラーにつなぐショートカウンター3連発で、マンチェスター・ユナイテッドを0-3で撃破しました。今季の新戦力に1250万ポンドしか投じなかったチームは、3戦連続のクリーンシートで前年王者と並んでいます。最大の驚きは、スロット戦術が既にインストールされていることです。

注目すべきは中盤の3人。ショボスライ、マック・アリスター、フラーフェンベルフの戦術理解度の高さです。現在のリヴァプールの布陣は4-2-3-1ですが、マック・アリスターとフラーフェンベルフが上下に動いてバランスを取るので、「可動式の4-3-3」ともいえるでしょう。「アスレティック」が作成した3人のタッチマップを見ると、3試合の戦い方はすべて異なります。

イプスウィッチ戦は右サイドで引き気味だったショボスライは、ブレントフォード戦はクロップ時代と同じように右のインサイドMFとして動いていました。しかしマンチェスター・ユナイテッド戦の前半はトップ下で、カゼミーロつぶしに加勢すべく左から上がるシーンが多く、トビー・コリアーがセンターに入った後半は右にまわっていました。

マック・アリスターこそがバランサーで、ショボスライとは左右で入れ替わり、フラーフェンベルフとは上下で役割を変えています。イプスウィッチ戦は、完全なる左のインサイド。フラーフェンベルフがトップの後ろに上がるシーンが多かったブレントフォード戦は、アンカーとして後方をカバーしながら、時折左サイドから仕掛けています。

マン・ユナイテッド戦は、右からのアタックが効果的だったフラーフェンベルフより下がりめでプレイする時間帯が多く、「4-3-3のアンカー、やや左より」といったポジションです。遠藤航からポジションを奪取したフラーフェンベルフは、開幕戦はさまざまなエリアに出没し、相手が引いていた2戦めは敵陣のセンターが主戦場でした。

スロット監督は、対戦相手の出方を見ながら3人の役割と担当エリアを動かしつつ、サラーとルイス・ディアスの高さも調整しています。補強が進まなくてもポジティブだったのは、4勝1分1敗だったプレシーズンマッチで手応えをつかんでいたからでしょう。次なるテーマは、遠藤航、エリオット、カーティス・ジョーンズを新たな戦術にフィットさせることです。

戦術的に共通項が多いクロップからスロットのバトンタッチと、昨季の主力が残ったスカッド。ニューモデルのリヴァプールは、順調に立ち上がりました。次節は、今季プレミアリーグで最多シュートのノッティンガム・フォレスト。躊躇せずに打ってくるギブス=ホワイト、エランガ、ハドソン=オドイに、レッズの中盤はどう対応するのか、今から楽しみです。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す