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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ファン・ダイク、フラーフェンベルフ…リヴァプールの守備力を証明する素晴らしいスタッツに注目!

アンフィールドにチェルシーを迎えたリヴァプールは、カーティス・ジョーンズの決勝ゴールで2-1の勝利。ビッグ6との初対決で、スロット監督は守備重視の戦術を選択しました。前線のプレスは4枚が並ぶシーンが目立ち、4-2-3-1というより4-2-4。ラインが下がりすぎないようにしながら、フラーフェンベルフは得意のドリブルを封印し、縦パスをケアする役割に徹しました。

ポゼッション42%だったホームチームの戦い方を如実に表しているのは、アーノルドとロバートソンのタックル成功6回とクロス2本という数字です。ユルゲン・クロップの下で4冠にチャレンジした2021-22シーズンは、アーノルドがクロス273本でリーグTOP、ロバートソンは195本で2位。対して新監督とともに戦う今季は、両者ともに35本で4位に留まっています。

前線の4枚と2センターが連動するプレスで敵陣でのボール奪取を狙いつつ、アーノルドとロバートソンの背後を取らせないよくばり戦術は、前線と中盤の運動量とCBの強さによって成立しています。今季プレミアリーグ最少の3失点に抑えているリヴァプールの守備力を象徴するスタッツを、いくつか紹介しましょう。

まずは「xG conceded」。平たくいうと、失点につながりそうなピンチの数です。リヴァプールは6.2で、8.7のアストン・ヴィラを上回るリーグ最少。1試合あたりの被シュート数は9.5で、マン・シティとトッテナムに次ぐ3位です。特筆すべきはCBの強度で、コナテの空中戦勝率83.3%と、ファン・ダイクのデュエル勝率71.3%(空中戦含む)はともに1位です。

33歳になったキャプテンは、インターセプト18回もリサンドロ・マルティネスに1差の2位。CBコンビの前方をケアするフラーフェンベルフは、デュエル勝率63.3%とリカバリー48回がMFの3位で、インターセプト12回は5位となっています。彼らのスタッツが向上した理由のひとつは、フルバックのバランスの向上によってサイドのカバーを強いられる場面が減ったことでしょう。

守備における改善ポイントは、4-2-4の際に2センターの脇と間に出る速いボールへの対応です。チェルシー戦では、マロ・グストが左から上がってサンチョにつなぐ形と、中央でフリーになったカイセドに縦の高速パスを喰らうシーンがピンチにつながりました。中盤のパサーが充実しているアーセナルとの一戦は、スペースを埋めやすい4-3-3のほうが安定感が高まりそうです。

守備力が上がったチームの最大の懸念は、中盤から後ろの選手層でしょう。中盤はカーティス・ジョーンズ、遠藤航、エリオットで、最終ラインはブラッドリー、ツィミカス、クアンサー、ジョー・ゴメス。いずれもアーセナルやマン・シティと比べると、質量ともに見劣りします。プレミアリーグ制覇となると、「CBコンビとアンカーが最後まで元気」という条件が付きます。

次節からのアーセナル、ブライトン、アストン・ヴィラは、スロット戦術のクオリティが問われる難易度が高いテストです。ブカヨ・サカ、マルティネッリ、三笘薫、ヤンクバ・ミンテ、レオン・ベイリー、ジェイコブ・ラムジー。獰猛なウインガーと対峙するサラーとルイス・ディアス、後方をケアするアーノルドとロバートソンがどう対応するのかに注目したいと思います。


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