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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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前線の6人は全員元気!選手層が薄いリヴァプールで負傷者を減らしたアルネ・スロットの工夫。

サカ、ジェズス、マルティネッリ、カイ・ハヴェルツが次々に離脱したアーセナルも、ニコラス・ジャクソンとマルク・ギウを同時に失ったチェルシーも、リヴァプールの前線が眩しく見えるのではないでしょうか。サラー、ルイス・ディアス、ガクポ、ジョッタ、ダルウィン・ヌニェス、フェデリコ・キエーザが全員健在で、トータル47ゴールを決めています。

夏のマーケットで獲得した新戦力はフェデリコ・キエーザのみで、本領を発揮できていないのもフェデリコ・キエーザのみ。アルネ・スロットは、ユルゲン・クロップのレガシーをそのまま活かして首位を快走しています。負傷者リストに記載されているのは、ジョー・ゴメスだけ。開幕前に選手層の薄さを懸念されていたチームは、なぜこれほど元気なのでしょうか。

クロップ監督が指揮を執っていた1年前は、アリソン、アレクサンダー=アーノルド、ショボスライ、ジョッタ、ダルウィン・ヌニェス、サラー、フラーフェンベルフが負傷で離脱しており、カラバオカップ決勝のメンバーリストにはボビー・クラーク、マコーネル、ジェイデン・ダンズらの名前がありました。現在は、1~2枚がベンチから外れるほどの充実ぶりです。

「アスレティック」のアンディ・ジョーンズ記者も、スロットのチームの負傷予防に興味が湧いたようです。記事によると、キーマンは指揮官とともにフェイエノールトからやってきたルーベン・ピータース。メディカル部門を統括するするジョナサン・パワーのチームに加わったトレーニングのスペシャリストは、個別のプランとスケジュールを作成しているそうです。

リヴァプールのトレーニングは、昨シーズンより負荷が緩和されており、午前中の健康状態のチェックと開始前のヨガやハイドロセラピーのセッションがルーティンとなっています。ジムで行うプログラムが充実する一方で、休日も増えており、ボーンマス戦の勝利からカラバオカップ準決勝セカンドレグまでの2日間は、リフレッシュの時間に充てられています。

昨シーズンは1383分で9位だった負傷者の離脱日数は、498分で13位と減少。アリソン、エリオット、ジョッタ、フェデリコ・キエーザ、カーティス・ジョーンズ、アレクサンダー=アーノルド、ツィミカス、コナテ、ブラッドリー、ジョー・ゴメスの離脱は分散しており、特定の選手に負荷がかかることはありませんでした

トレーニングの負荷軽減に加えて、ピッチでも消耗を防ぐ策が講じられているようです。「スカイスポーツ」のニック・ライト記者が指摘しているのは、モー・サラーの運動量。昨シーズンは90分あたり9.8kmを走破していたエースは、今季は9.4kmに減っており、16.3回だったスプリントは15.7回、11.3回のプレッシングは10.3回にダウンしています。

サラーの決定力を最大限に発揮できるよう、オフ・ザ・ボールの際の責任を軽くしたスロット監督は、ルイス・ディアスとガクポには運動量を求めています。ただし彼らは、疲労が感じられると即座にチェンジ。12月以降のプレミアリーグのフル出場は、ルイス・ディアスが4回、ガクポは2回のみとなっています。

シーズンが終わると33歳になるサラーの22ゴール&14アシストは、既に昨シーズンを上回っており、今のペースをキープできればティエリ・アンリとハーランドの年間ゴール&アシスト44という記録を更新します。マージーサイドダービーにおける敵陣ボックスでのボールタッチ1回は、入団以来のワーストですが、それでも1ゴール1アシストは圧巻のひとことです。

前線の守備に対する要求レベルが高いアルテタは、レギュラーのアタッカーを続々と失い、ハイラインと激しい上下動を求めるポステコグルーのチームは、最終ラインが軒並み負傷リタイアとなっています。狂気のスケジュールと化したフットボールシーンでは、選手たちの健康をキープする工夫がより重要になっているように見えます。

スロットは激しさを捨て、ターンオーバーと交代策でケアしています。彼らは何を捨て、何を重視するのでしょうか。分厚い選手層か、プレッシングの緩和か、パスワークをスローに落とす時間を創るのか、ターンオーバーか、国内カップ軽視か。AZアルクマールとフェイエノールトで、常に90%の選手を起用できる状態にしていたオランダ人監督から学ぶべきことは多そうです。


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