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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ制覇のリヴァプールは、昨季のマン・シティに続く売上7億ポンドを達成するのか?

「永遠に残る写真だから、特別なものにしたいと思った」。2024-25シーズンのプレミアリーグ制覇を決めたスパーズ戦で4点めを決めたモー・サラーは、ルーティンとなっている感謝の祈りを捧げた後、スタンドに駆け寄りスタッフからスマホを受け取ってセルフィ―を撮影しました。アンフィールドのスタッフが常備しているのは、もちろんGoogle Pixelです。

現在のルールでは、ピッチ内の商業広告やカメラの取り付けは禁止されているものの、ピッチの外でのスマホ撮影をNGとする規則は存在しません。サラーが数枚多く撮っていたら、遅延行為でイエローカードが出ていた可能性があるだけです。Googleは2023年8月からのパートナーで、「TeamPixel」のハッシュタグが入ったSNSの画像はすべてGoogle Pixelで撮影されています。

エースの背後に笑顔のサポーターが入った写真は、5年ぶりにプレミアリーグの頂点に立った証であるとともに、クラブの経済的な成功を物語る一葉ともいえるでしょう。マンチェスター・ユナイテッドと並ぶ20回めのイングランドリーグ優勝を果たしたリヴァプールは、クラブ史上最高益を記録するようです。

2023-24シーズンのリーグ制覇で、マンチェスター・シティが受け取ったテレビ放映権料は1億7600万ポンド。順位による傾斜配分に加えて、リーグTOPの29回放映のインセンティブが入るリヴァプールは、1億8000万ポンド以上と目されています。タイトル獲得によるボーナスもあり、年間総額6000万ポンドが今季で満了となるナイキからは200万ポンドが支給されるそうです。

スタンダード・チャータード銀行、エクスペディア、AXAといったメインスポンサーに加えて、過去2年で新たにパートナーとなったUPS、Google、ペロトン、日本航空からも、何らかのインセンティブがあるかもしれません。スポンサーの増加で年間のコマーシャル収入は3億ポンドを超えていますが、8月にアディダスとの新契約がスタートすると収益はさらに伸びるはずです。

ラウンド16で敗れたCLの収益は厳しいかと思いきや、リーグフェーズ首位で8500万ポンドを獲得。ファイナル進出の2021-22シーズンの1億200万ポンドと、さほど変わりません。昨季はアンフィールドのスタンド拡張工事が遅延しながらも、マッチデー収入が1億ポンドを突破しました。ホームの27試合がすべて6万人超で終わりそうな今季は、さらなる売上UPで着地しそうです。

今やリーグでトップクラスのブランド価値を誇るリヴァプールは、夏のマーケットでイサクに1億5000万ポンドを投じても、グッズやシャツの売上と新たなスポンサー獲得で単年の減価償却費とサラリーを相殺できるのではないでしょうか。アーノルド、ダルウィン・ヌニェス、遠藤航らに退団の噂があるチームは、前線から最終ラインまで全方位で補強を検討すると見られています。

テレビ放映権料とコマーシャル収入、マッチデー収入の三本柱を単純に足し込むと約6億ポンド。チャンピオンズリーグの収益に加えて、オフシーズンに早期の売却があれば、7億ポンドに届く可能性があります。昨季のマンチェスター・シティは、レアル・マドリードに次ぐ世界2位の7億1500万ポンド。2025-26シーズンのレッズが連覇を果たせば、これを超えてくるでしょう。

クロップからスロットへのスイッチングを成功させ、インフラ整備とスポンサー開拓を推進した経営ボードを、あらためて称えたいと思います。Google pixelで撮影したモー・サラーとファン・ダイクのセルフィーを眺めながら、「2人合わせて1億1000万ポンドの移籍金は、バーゲン価格だった…」とため息をつく次第であります。われわれも、ここで踏ん張らないと。


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