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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

緩慢なチェック、劣勢のデュエル…アウェイで苦しむリヴァプールの打開策は?

リヴァプールの選手たちは、疲れていたのか?エティハドのマンチェスター・シティ戦は、チャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦と同じメンバーで、前節のアストン・ヴィラ戦からはガクポとヴィルツを入れ替えただけです。いや、それをいうなら、マン・シティはボーンマス戦と同じ11人で、ミッドウイークのドルトムントはラクな相手ではありませんでした。

ドイツのクラブに4‐1で勝ったゲームには、昨日はベンチスタートだったサヴィーニョ、レインダース、ジョン・ストーンズが出ていたのは事実ですが、リヴァプールより1日少ない中3日だったことを忘れてはいけません。負傷者は3人で、アーセナルやチェルシーの半分以下です。「誰かがいなかった」という説明は、メディアやファンを困惑させるだけでしょう。

開幕から公式戦7連勝の後、9月末のクリスタル・パレス戦で敗れてから3勝7敗。プレミアリーグは1勝5敗で、既に昨シーズンの4敗を上回っています。この間は7ゴールで、12失点。アルネ・スロットのチームは、攻守ともに問題を抱えているようです。2024-25シーズンのプレミアリーグを連敗ゼロで走り切ったチームは、なぜあっさり負けるようになってしまったのでしょうか。

個々の選手をチェックしていくと、不振の理由はそこかしこに落ちているように見えます。アリソンのリタイア、アレクサンダー=アーノルドの離脱、サラーの停滞、コナテのスランプ、不安定なマック・アリスター、衰えが感じられるロバートソン。新たに加わったヴィルツ、フリンポン、ケルケズ、イサク、ママルダシビリのなかで、持てる力を発揮しているのはGKぐらいです。

唯一、好スタートだったウーゴ・エキティケは、サウサンプトン戦でレッドカードをもらってから7試合1ゴールと失速しています。気になるのは、直近のプレミアリーグ5試合でオンターゲットが1本もないことと、ヴィラ戦とマン・シティ戦のボールタッチが少なかったことです。イサクとのターンオーバーが始まってから、調子を落としてしまった感があります。

過去のプレミアリーグを振り返ると、優勝候補と目されたチームが魔法が解けたかのように不振に陥る現象は、珍しいことではありません。2014-15シーズンを制したジョゼ・モウリーニョのチェルシーは、翌シーズンの開幕から4勝3分9敗という絶不調で、優勝監督は解任されてしまいました。クロップが苦しんだのも、トロフィーを獲得した翌年でした。

2020-21シーズンは、16節まで9勝6分1敗で首位だったのに、年明けから3勝1分9敗の大スランプで8位に転落。その後は目が覚めたかのように、10戦連続無敗で走り切ったのですが、マンチェスター・ユナイテッドの後塵を拝する3位で終わっています。昨シーズンのペップも、10節から1勝2分6敗で優勝争いから脱落してしまいました。

エティハドのゲームで気になったのは、失点の直前に見せた守備の綻びです。ハーランドの先制ゴールは、競り負けたコナテに厳しい視線が集まっていますが、右サイドでマテウス・ヌネスがキープしたとき、ヴィルツとロバートソンはクロスのコースを切りにいっていません。蹴ると見せかけてやめたSBは、中央のハーランドのポジションを見て狙い通りのボールを入れています。

ショートコーナーからのニコ・ゴンザレスのミドルシュートは、ファン・ダイクに当たってコースが変わりましたが、ベルナルド・シウヴァからパスを受けたMFの前には大きなスペースが空いており、ジャンプしたエキティケの足元を抜かれてしまいました。ジェレミー・ドクの鮮やかなコントロールショットのシーンも、対峙したコナテは無力でした。

最大の問題はメンタルでしょう。わずか1ヵ月半で積み上がった7敗のうち、レギュラーを揃えてアンフィールドで敗れたのは、マンチェスター・ユナイテッド戦だけです。クリスタル・パレス戦のデュエルの勝率は39%、チェルシー戦は43%、マン・シティ戦は39%。消極的な戦い方で劣勢となり、最終ラインが耐え切れずに決められる展開が目立っています。

特定の布陣や選手が問題になっている状況なら、処方箋は明確ですが、不振の連鎖を断ち切るのは難易度が高い仕事です。復活のトリガーをどこに求めるのか。ルーベン・アモリムはブルーノ・フェルナンデスとカゼミーロを固定し、最終ラインの軸をデ・リフトに託しました。エンツォ・マレスカは、エンソ・フェルナンデスを攻撃的な役割にシフトして巻き返しています。

ジョー・ゴメス、カーティス・ジョーンズ、遠藤航、フェデリコ・キエーザ、あるいはアレクサンデル・イサクか。起爆剤は、ベンチの片隅にあるのかもしれません。インターナショナルブレイク明けのアウェイゲームはハマーズとリーズで、うまく戦えば悪しき記憶を消し去ることができそうです。就任初年度でプレミアリーグを制した指揮官の打開策に注目しましょう。


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