イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「優勝をめざす」とクロップ監督が語るリヴァプールは、プレミアリーグでどこまでいける?

プレシーズンマッチで目を引くのは、マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールの順調な仕上がりです。ダブリンで開催されている「Aonツアー2017」でサンプドリアと対戦したマンチェスター・ユナイテッドは、7分にブリントがデ・ヘアを試すような左隅へのコントロールショット、つまりバックパスミスをやらかしてハンドによる間接FKを与えるピンチを招きますが、これが壁に当たるとすかさずカウンターを開始。サイドを疾走したバレンシアの落としを受けたムヒタリアンは、左のダルミアンに見事なサイドチェンジを通してそのままファーサイドに走り込み、左SBの速い折り返しをヘッドで合わせて先制します。63分にプラートのゴールで追いつかれたものの、81分にはマルシアルがドリブルを仕掛け、マタがグラウンダーをダイレクトで蹴り込んで勝ち越し。ここからスコアは動かず、プレミアリーグ優勝をめざす負けず嫌いの指揮官のチームが2-1で快勝しました。

攻撃の選手たちの多くがいいコンディションでプレミアリーグ開幕に向かっており、デビューを果たしたマティッチもバイタルエリアのケアとビルドアップを安心して任せられそうです。プレシーズンの調子と本番の結果が必ずしも連動しないことは、2014年のインターナショナルチャンピオンズカップの覇者であるわれわれは重々承知しております。とはいえ、デビューシーズンは出遅れたミキや、昨季プレミアリーグで不完全燃焼だったマルシアルがゴールに絡むプレイを見せてくれているのは頼もしい限りです。

一方、ドイツでアウディカップに参加しているリヴァプールは、バイエルンとのアウェイゲームを0-3で圧勝し、アトレティコ・マドリードとの決勝に進出。サブの選手中心だったスペインのクラブに先制されると、83分にオリギが倒されたPKをフィルミーノが決めてPK戦に持ち込んだものの、ヘンダーソンが外して優勝はなりませんでした。素晴らしかったのはバイエルン戦で、プレシーズンの最大の収穫は新戦力のモウ・サラーがチームにフィットしたことでしょう。29日のヘルタ・ベルリン戦の後、あのサディオ・マネが「彼は誰よりも速い」と驚愕したサイドアタッカーは、新しいチームでも得点力を発揮してくれると思います。新シーズンは、守備力ではマンチェスター・ユナイテッド、攻撃力はリヴァプールがプレミアリーグファンのリスペクトを集めるのではないでしょうか。

私が注目しているのは、「CLに出場するリヴァプールが、プレミアリーグでどこまでいけるか」です。「BBC」が、クロップ監督は現有戦力に手ごたえを感じていると伝えており、「優勝を目指して戦う。大志なくシーズンをスタートさせるようなことはしない。目標を持たないとね。チームはとてもいい感じに仕上がっている。昨季は少し運がなかった」というコメントを紹介しています。昨季は欧州のステージがなかったチームは、選手層に厚みを構築させなければなりませんが、サラーが加わった3トップは既に合格点。中央にはフィルミーノ、スタリッジ、ダニー・イングス、ソランケがおり、マネを真ん中に据える形も充分機能するはずです。

ライプツィヒのナビ・ケイタを追いかけ続けている中盤も、ミルナーとグルイッチを使えると考えればルーカスの離脱はフォローでき、選択肢は増えたといえるでしょう。右SBは、アレクサンダー・アーノルドがナサニエル・クラインを脅かすのではないかと楽しみにしています。左にはロバートソンが加わり、国内カップではフラナガンのスタメン起用が増えるのではないかと思われます。

懸案は、やはりCBです。ファン・ダイクが獲れるかどうかで、最終順位が2つ3つ変わるのではないでしょうか。マンチェスター・シティのペップは、ジョン・ストーンズ、オタメンディ、コンパニ、デナイエルを抱えながらも「CBがほしい」とこぼしており、チェルシーはリュディガーとクリステンセンが合流。リンデロフを獲ったモウリーニョ監督は、人数的には充足していたVBをひとりも放出していません。マティプ、デヤン・ロブレン、クラヴァン、ジョー・ゴメスでは心もとない最終ラインに、プレミアリーグ55試合出場でゴールに直接つながるミスがゼロのオランダ代表CBが加われば、クロップ監督の「優勝を狙う宣言」は、初めてリアリティを帯びるのではないかと思います。

今のスカッドならマンチェスター勢が上、守備の強化ができれば優勝争いというのが私のリヴァプール評ですが、いかがでしょうか。アーセナルの2人のワールドクラス、ジエゴ・コスタ、ジェイミー・キャラガーが「残ってもあと12か月」と悲観的なコウチーニョ、エヴァートンの最前線とトッテナムの駆け込み補強など、不確定要素が多い今季のプレミアリーグは、9月になるまでは優勝予想は避けたほうがいいのかもしれませんが…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“「優勝をめざす」とクロップ監督が語るリヴァプールは、プレミアリーグでどこまでいける?” への16件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    ファン・ダイクが獲れれば優勝争い、それに尽きると思います。
    ケイタの獲得は絶望的、ダイクも進展は見られず、もしダイクがマンチェスター勢やチェルシーに移籍となれば悔やんでも悔やみきれず、昨季同様乱打戦を打ち勝つしかないチームとなりそうです。
    そのようなチームは大好物なのですが、ではPL制覇できるのかとなると13-14シーズンの結果がよぎり、モウリーニョ、コンテのなんの面白みもない…、失礼しました、手堅いチームの下の順位をうろちょろすることになりそうです。
    問題はディフェンスラインだけでなく、サラーの獲得で3トップの厚みは増したものの、スタリッジ、ヘンドは通年プレーできるのか、フィルミーノ、コウチ、ララーナ、ジニが離脱したときのプランBはあるのかなど、今までの補強で昨季の問題が解決したとは思えません。
    ここに今季は大変楽しみなCLが加わるとなると、サラー、サディオ・マネ、スタリッジの3Sが楽しみ!よりは、序盤は順調だけどまた年末以降失速してしまうのでは…、と心配になってします。
    勘違いして頂きたくないのは、私はクロップ監督のヘビーメタルサッカーが大好きなのです。
    通年、ヘビーメタルサッカーを奏でることができるメンバーを、チームを期待しています!
    (ケイタ獲得失敗、スタリッジ負傷は堪えます…、これでダイクもなら…泣)

  2. Djdj より:

    ファンダイクの動向も気になりますが、コウチもまた何かしらのアクションがありそうですね。
    コウチはクラブを愛し、クラブはコウチを愛する…正に相思相愛で、これ以上ない理想の関係の前では、7000万ポンドを提示したバルセロナですら手を引きました。
    しかし、ネイマール売却により得た290億円という大金を積まれたら…、ポジションが空いたことによりバルセロナで主力として出られる可能性が出てきたとしたら…。
    子供の頃はバルセロナが好きだったらしいコウチですが、どれだけリヴァプールに忠誠を誓えるのか見物ですね。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ナビ・ケイタはもう無いと思うので、ダイクの件はすでに他の方々述べている通り獲得マストです。
    返す返すも、オフシーズン初期の行動が悔やまれます。過去は戻ってこないので、あとはチーム間の交渉だと思いますがフロントに期待するしかないです。

  4. わたひと より:

    私の意見はレッズファンの同志達に大批判されてしまいそうですが、今季の私のOK牧場ラインはCLは本戦出場、プレミアは4位以内なら私は満足です。
    今のレッズに必要なのは連続してCLに出場すること、常連になること。何故にガナーズにワールドクラスの選手が来るのか?を考えた時に何シーズン連続か忘れましたが、CLに出続けた実績はデカいと思います。レッズにもワールドクラスはいますが彼等はレッズに来てからその域に達した選手。既にワールドクラスと称される選手が来るガナーズにはまだ達していないかなと。
    まあ4位以内といってもそこを狙えるクラブが多すぎるので大変ですが。ダイクが来れば優勝争いですね。来夏にFSGがベイルあたりに不正な接触を試みてレアルに咎められるという夢想をフライングゲットしてしまっています。

  5. nyonsuke より:

    連投失礼します。

    皆様の投稿で思い出したのですが、コウチーニョの残留はファン・ダイクの獲得以上にレッズの今季の成績に影響すると思います。
    ネイマールの移籍が今日にも発表されそうな今、コウチの動向は気が気でなりません。
    ネガティブ思考をフル回転させるならば、コウチを引き抜かれケイタのみならずダイクも獲得失敗が史上最悪最低です。
    今季優勝争いに加わるならば、ダイクの獲得とともにコウチーニョの残留は必須、コウチの代わりはいまや存在せず、ジェラードの後継となれるのはコウチだと私は考えています。
    これはプレーではなく存在感としてですが。

    私の夢想では、主力は全員残った上でファン・ダイク、ケイタ、オーバメヤンが加わるはずでしたが…、なかなかうまくいきませんね 失笑

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    案外ミニョレの頑張り次第だったり…?

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    nyonsukeさん!チェルシーのサッカー面白いですよ!!もちろんモウリーニョのサッカーもです!!
    とにかく今年もCL争いが面白くなりそうで楽しみですね!

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    nyonsukeさん!チェルシーのサッカー面白いですよ!!もちろんモウリーニョのサッカーもです!!
    とにかく今年もCL争いが面白くなりそうで楽しみですね!

  9. nyonsuke より:

    プレミアリーグ大好き!さん、申し訳ないです、半分は好み、半分(大部分)は妬みですので、コンテ、モウリーニョファンの方、ならびに両チームファンの方は笑いながら受け流してくれると助かります 汗。
    クロップやヴェンゲルのようなロマンチズムに溢れ刹那的なサッカーに魅了されている愚者ですので、どうもリアリストで手堅いサッカーもできるチームを目の仇にしてしまうことがあります。
    しかし、そのような監督もいないとロマンも語れず、モウやコンテが引分け狙いできた試合をひっくり返す瞬間が最もテンションあがります 笑。
    ただ結局はモウ、コンテのチーム作りは合理的でタイトルに近いチームになるんですよね…、レッズ、グーナーが屈強なDFを求めるのも彼らのチームに対抗するのに必要だからなので、ほとんど負け惜しみです…。
    なんにせよこれだけ多彩な監督がいるプレミアリーグは魅力的ですよね。
    ネイマール移籍が発表され、もう気が動転してしまっている愚者の駄文、失礼いたしました。

  10. makoto より:

    nyonsukeさん>
    層の厚さということでいえば、優勝チームに出現する「オ、オマエがいたやん!」的な若手やサブからのレギュラー抜擢があるといいですね。おととしのレスターでは、開幕当初は控えだったシンプソンとフクスの両SB、昨季のチェルシーのヴィクター・モーゼスのような。私が期待しているのは、アーノルド、ジョー・ゴメス、そしてまさかのマルコヴィッチのフェライニ的復活…!

    Djdjさん nyonsukeさん>
    怖いですね。断れない額を出されたら。レッズはもしものために、代役のリストアップは進めているようですね。

    Mackiさん>
    深追いしすぎた感はありますね。ソランケ、サラーまでは順調だったのですが、ファン・ダイクに対する勇み足が大きかったと思います。

    わたひとさん>
    CL、大事です。クラブにも指揮官にもブランド力があるので選手は来ないわけではないもののお金がかかるようになってしまったクラブのサポーターとして思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ロリス・カリウスの巻き返しのほうに期待してます。

    プレミアリーグ大好き!さん nyonsukeさん>
    モウリーニョさんは、攻撃的でおもしろいサッカーにシフトします!…もとい、その可能性はゼロではないような気が少しだけします…。

  11. プレミアリーグ大好き! より:

    nyonsukeさん、全体の文面を見ても他チームを悪く言う意図がないことは感じられたので謝る必要はないです!
    ただ僕が笑って受け流せない若輩者なだけなので…笑
    わざわざお返事ありがとうございました!

  12. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ポジティブなお返事、ありがとうございます。nyonsukeさんのコメントに悪ノリしてしまってすみません。モウリーニョさんが変わるのではないかとワクワクしながら開幕を待っている次第です。

  13. nyonsuke より:

    プレミアリーグ大好き!さん、管理人さま>
    身近にプレミアを熱く語れる仲間がいないもので、たまに調子にのったコメントをしてしまい申し訳ありません 笑。
    管理人様も皆様もとても優しいので、たまに愚痴を聞いてほしくてコメントしてします。
    様々なサポーターの方と交流できる偏プレはとても稀有なサイトなので、今後ともよろしくお願いします。
    モウリーニョ監督は守備が構築されるとかなり攻撃的に攻めてくるイメージもあり、ルカク、マティッチ、リンデロフを獲得した今季はまた違う戦術を披露してきそうで恐いです…。
    管理人様、何卒お手柔らかにお願いします。

  14. プレミアリーグ大好き! より:

    makotoさん、僕はモウリーニョには変わらずゴール前にバスを停めてほしいです!
    カウンターからのズドンが大好物なので笑
    あまり長々とコメ欄独占しては失礼なのでこれで止めます!
    また気になる記事があればコメントさせてもらいます!

  15. タムコップ より:

    いつもながらに言葉のチョイスが面白く、毎日このサイトに足を運んでは、過去の記事も含めてよく読ませていただいてます(笑)

    名前のとおりレッズファンなのでとりあえず『赤い悪魔』はさておき、今年は昨季以上に解説者およびプレミアファン泣かせの順位予想の体を見せてますねー。
    そんな中、プレとはいえ見た感じ既にチームに素早くフィットしてると見えるモウ・サラーや大器ソランケの前線は、相手チームの守備陣が可哀想になるくらいの充実振りですが、
    仰るとおり、
    『CB』
    の『質』と『量』、どちらも必須という、リーグとCL、国内カップ戦2つを考えると悪い意味で寒気がします(泣)。

    私見ですが、ファン・ダイクを獲れた場合と獲れなかった場合の2パターンで思案してみました。

    ●ファン・ダイク獲得成功!の場合
    ・獲得が決まったタイミングでレッズサポーター優勝決定と騒ぎまくる→パブロフの犬ですから(笑)

    ・昨シーズンの怪我からまだ復帰してないので、当面マティプとロブレンの2枚から。
    ファン・ダイクはカップ戦を中心に、サブとしてじっくりコンディショニングマネジメントと実戦の感覚を取り戻してもらいながら、同時に徐々にチームに馴染む時間を…、というか、ファン・ダイククラスになるとチームにフィットするしないはあまり関係ない気もします。
    となると、サブがロブレン、クラヴァン、ジョー(右もサブ兼務)となり、カリウスの加入で逆に覚醒しつつあるミニョレと共に、結構なスカッドになりそうです。

    ●ファン・ダイク獲得失敗…の場合
    ・全レッズサポーターが『今期もダメだ』ツイート連発。

    ・nyonsukeさんがおっしゃってたとおり、13/14シーズンのようなことに…、と思いつつも、あの年はスアレスというスーパーな存在に依存し過ぎてたのと、スタッヂが大きな怪我なくシーズン通して活躍したことがタイトル争い出来た要因だと今でも思います。
    ディフェンスは今以上にザルだったかもしれません。
    僕が考えるファン・ダイク獲得最大のメリットは、本ブログの主様がポチェッティーノの発言をピックアップしてたことと全く同じで、先述したミニョレよろしく、現存プレイヤーへのカンフル剤ということです。
    チーム内競争の無いチームに、栄冠は無いと。
    失敗した際のファーストチョイスはマティプとロブレンで収まりそうですが、トレントに覚醒してもらうことを前提に、ジョー・ゴメスの抜擢に期待します。
    それから忘れちゃいけないのは、サコーの処遇ですね…。
    ファン・ダイク次第ではサコーを思い出すことも必然的に出てくるのではないか、と。

    長々と失礼しました!
    新しいレッズネタにも期待してます!

    *追記
    マーケットに『絶対』は無いですが、コウチーニョ→バルサ移籍は、”クロップ自身にチーム作りを1から始める覚悟があること”が条件付きなら可能性を見出せますが、ネイマールのようなバイアウトリリース設定が無いことも含め、客観的かつとても冷静に色んな記事を見ても、『無い』でしょう。

  16. makoto より:

    nyonsukeさん>
    いえいえ、こちらこそ。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    プレシーズンマッチでも、ブリントのミスキックからのおいしいカウンターがありましたね。

    タムコップさん>
    競争が激化することでデヤン・ロブレンがよくなる、といったことはあるように思います。コウチーニョは、基本的にはないとみているのですが、何が起こるかわからないという気分はいつも持っていようと思ってます。

コメントを残す