2026.04.10 リヴァプールの話題
昨夏の大型補強と主力売却は失敗だった?リヴァプールのスカッドが抱える構造的欠陥。
右サイドのフリンポンとコナテは、クヴァラツヘリアとヌーノ・メンデスを止められず、神出鬼没のドゥエとポジショニングに長けたウスマン・デンベレにも振り回されました。モー・サラーは衰えたといわれていますが、ファン・ダイクも全幅の信頼を置けるCBではなくなっています。3人しかCBがいないチームの5バックは、ギャンブルというしかありません。
前線と中盤における最大のウイークポイントは、ドリブラーとゲームチェンジャーの不在です。ブカヨ・サカ、ジェレミー・ドク、セメンヨ、エンベウモ、エステヴァン、ペドロ・ネトのように個人力で状況を打開できるタレントがおらず、シェルキやエゼ、マテウス・クーニャ、ブエンディアのように意外性をもたらすアタッカーも欠いています。
開幕当初の意図としては、前線を動かすプレイメーカーはヴィルツだったのですが、公式戦41試合6ゴール7アシストはもの足りない数字です。彼がサイドにまわると、ショボスライ、マック・アリスター、フラーフェンベルフ、カーティス・ジョーンズから3枚を入れる布陣となり、苦しい展開となったときの切り札を失います。
「昨夏の大型補強と売却は失敗だった」というと、結果論に聞こえるかもしれません。「誤算やトラブルが多かった」という反論もありそうです。昨季のプレミアリーグで23ゴールのイサクは、残り7試合でわずか2ゴール。ヴィルツはチームにフィットするのに時間がかかり、レオーニのデビューは来シーズンです。フロンポンとケルケズも、真価を発揮するのは2年めでしょう。
スカッドを見ていて気になるのは「買った選手」より「売った選手」のほうです。クアンサーが抜けた穴はそのままで、19歳のレオーニが加われば万全ともいえないでしょう。冬のマーケットでマーク・グエイを持っていかれたのは激痛でした。彼が入団してからのマン・シティは、レアル・マドリード以外に負けていません。
前線に目を移すと、ルイス・ディアス、ダルウィン・ヌニェス、エリオットに加えてジョッタを失っており、オプションが激減してしまいました。左右どちらでもプレイできるセメンヨがいれば、得点力を高められたはずです。エキティケはOKとしても、ビッグマネーが必要なイサクより、サラーの後継者とルイス・ディアスの穴埋めが優先だったのだと思われます。
プレミアリーグを制した2019-20シーズンを振り返ると、ゲーゲンプレスの生命線となる中盤は運動量重視ではありながらも、ワイナルドゥム、ララナ、ヘンダーソン、ミルナーなどユーティリティが高い選手が揃っていました。トップ下でもプレイできる汗かき役が、最強のフロントスリーだったサラー、フィルミーノ、マネを動かす戦い方は、欧州でもトップレベルでした。
ユルゲン・クロップが去った今は、中盤とサイドの層が薄く、オックスレイド=チェンバレンやシャキリのようなゲームチェンジャーを欠いています。サラーとファン・ダイクの後継者探しが遅れたのも、停滞の理由のひとつといえるでしょう。アルネ・スロットのチームは、いくつかのポジションが機能不全に陥りやすく、構造的欠陥を抱えているように見えます。
フェデリコ・キエーザしか獲得しなかった2024年の夏は、ペトル・チェフしか新戦力がいなかった2015-16シーズンのアーセナルを思い出させます。アーセン・ヴェンゲルは翌シーズンに、CLの出場権を逃してしまいました。リヴァプールの経営ボードがスロット体制を継続するとすれば、悪戦苦闘の責任を取るべきは現場のトップではないとわかっているからかもしれません。
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