「慎重」「ナーバス」…評論家の批判に反論するクロップ監督と最近のレッズに思うこと。
評論家やジャーナリストが問題にしているのは、グディソン・パークでクロップ監督が切った最後のカードでしょう。84分、サディオ・マネをアダム・ララナ。「スカイスポーツ」にて「クロップはパニックに陥っている」と語ったポール・マーソン氏の次の指摘に、うなずく方は少なくないでしょう。「(あの時間の)エヴァートンには勝つつもりはなかった。彼らはポイントを取りにいっていた。ミルナーが入ったが…彼は好きだけど、勝たなくてはならないんだ。ベンチにはダニエル・スタリッジとシェルダン・シャキリがいただろう」。プレミアリーグをよく知る評論家たちは、攻撃的なフットボールを標榜する指揮官が、リーグ制覇がリアルになるとともにスタンスをキープできなくなっていると主張しています。
「最近のリヴァプールは、ナーバスになっているようだ。チャンスを創れていない。最高の選手たちは、難しい状況を打開できていない」(グレアム・スーネス)
「リヴァプールはロングボールを多用している。モハメド・サラーのような選手がいるのに。戦術を誤っており、プレス、創造性、エネルギーも足りない」(ルート・フリット)
バイエルン・ミュンヘンとのゲームでシュートを15本放ったチームは、プレミアリーグ9位を相手に10本に留まりました。私も、機能しないララナを見ながら別な選択肢について考えていたひとりです。ヘンダーソンあたりをシャキリやナビ・ケイタに代え、サラーを中央に据える4-2-3-1で勝負といった攻めのチョイスは有効だったのではないか。多少のミスはファン・ダイクとアリソンが何とかしてくれるチームゆえ、もっとリスクをとってもよかったのではないかと思いました。
クロップ監督の守りの姿勢を最初に感じたのは、1月3日に行われたあの試合でした。プレミアリーグ21節、勝てば10ポイント差で独走となるマンチェスター・シティとの天王山。ミルナーをファビーニョに代えた後、フィルミーノがヘッドで押し込んで1-1の同点。ここが勝負とすぐに動いたのは、ペップ・グアルディオラのほうでした。ダヴィド・シルヴァを諦めてギュンドアン。72分にサネのゴールで2-1となると、クロップ監督の選手交代はマネをシャキリ。ワイナルドゥムをスタリッジというさらなる攻めのカードが切られたのは、86分になってからでした。
素晴らしい戦術をチームにインストールすることができるクロップ監督ですが、勝負師という言葉は似合いません。攻めのカードをぐりぐりに切って逆襲してくるウナイ・エメリ、ルカクの右サイドなどの大胆起用を仕掛けてくるオーレ・グンナー・スールシャール、試合中にめまぐるしく布陣を変えるペップに対して、ドイツ人監督は戦術をさほど変えず、カードも遅めです。最大の理由は、臆病や神経質といった性格的なことではなく、「サブの選手が今ひとつ信頼できないから」ではないでしょうか。ゴールを連発していた年末までは重用していたシャキリが出番を減らしていることからも、クロップ監督の判断が合理的であることが見て取れます。
とはいえ、多くのプレミアリーグファンは「リヴァプールはリスク軽視で攻めてこそナンボ。慎重策で成功したのを見た記憶はあまりない」と感じているのではないでしょうか。ライバルに上にいかれた今、彼らに願うのは、「レッズらしく勝ち、レッズらしく負けること」。シーズンが終わったとき、今季のリヴァプールを語る言葉は「健闘した堅守のチーム」か、「最後まで攻め切った優勝チーム」のいずれかしかないように思います。攻めてほしい、最後まで。残り9試合、彼らの戦いをきっちり見届けたいと思います。プレミアリーグ制覇という悲願が成就するとしても、3シーズン連続の準優勝チームという記憶に残らない終わり方が待っているとしても。
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同点で残り15分になったとき、他のチームは選手交代により攻撃の圧力が上がりますが、リバプールは決してそうはなりません。その理由としては、挙げて頂いた通り、サブの選手の質が足りていないからでしょう。
クロップもそれは認識しているのではないでしょうか?ゴシップではありますが、補強候補として名前が挙がるのがヴェルナーやブラントなので。
前線の3人だけで超攻撃的ですからね。でも、この3人をもってしても点が入らない時にどう変化を与えるか。
2試合引き分けると1勝1敗に勝ち点で1足りなくなるのだから勝ちに行くしかないですよね。
後ろはファンダイクとアリソンがいるし。何とかなるでしょう・・・って、やはり無責任なプレステゲーマーなのかな。
今季も無冠となると流石にかわいそうですね。
シティさんが強すぎる問題だし・・・
更新ご苦労様です。
はいご指摘の通りもどかしい状態が続いております。控え選手の能力差もわかっているので、尚更もどかしく、、、願わくば4-2-3-1で残り試合レッズらしく攻めて戦って欲しいですね。彼らなら行けるはずです。多分、、、。
もどかしい時間が増えました。KOPの気持ちは仰る通りです。リヴァプールらしく闘ってほしい。サポーターのエゴなのかも知れませんが。
攻めに行けば勝てると思えば攻める。
後に尾を引くような負け方を避ける時はリスクを減らす。
思考法の根本的な違いが有るのかも知れませんが、
個人的な感想としては「クソ素人が何を偉そうに」
としか思えない記事でした。
>>サンドバッグさん
言葉が悪い。丁寧語を使っているだけで、侮辱の意図が見える。根本的な違いの可能性を認めるなら、せめて言葉は選んだ方がいい。サッカーを観る人の大半はプロではなく、素人。自分を棚に上げて貶める必要はない。あえて書き手の見える場所にコメントする必要もない。
私自身も観戦してる時はクロップの交代にそこは違うやろうと思った1人です。
でも試合が終わってから考えると、負けてしまうとシティはあと1つ引き分けでもOKになってしまう、引き分けならあと残りをレッズが全勝さえすれば引き分けも出来なくなる。
クロップはシティは全勝はしないとよんで、負けるリスクを回避して、あの交代だったのではないかと思うようになりました。
まあレッズファンとしてクロップが凡人ではない事を願いたいだけなのかもしれませんが、エヴァートン戦の1ポイントが大きかったと思える結末を期待しています。
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確かに解説陣それぞれの意見には一理ある、と思いつつも、このエバートン戦だけ切って取れば、エバートンがここ最近の不振を払拭して非常によく戦ったがゆえの結果なんじゃなかろうかと思いました。
確かに、"スーパーサブ"になっているシャキリ、一発が魅力のスタリッヂ投入というカードもあったかと思いますが、我がチームに負けない斬れ味鋭いカウンターを生み出していたエバートンを前にした時、中盤の強度を高めるというカードの切り方はそこまで違和感無かったですね。
シャキリは先月からコンディション不良と伝えられてもいたので、あのインテンシティの中に放り込むのは今後のCLも含めて考えるとリスクが高い、と判断しなのかもしれませんね。
リーグ戦もまだ9試合あります。
ホーム戦ながら、スパーズ&ブルーズという難しいカードを残してますが、シティも同様に曲者パレスとのアウェイ戦、お隣チームとのアウェイ戦に、今ならどこを相手にしても勝てそうなホームのスパーズ戦も残してます。
抜きつ抜かれつのスリリングな終盤戦、クロップのシビれる采配を楽しみにしながらプレミアリーグを楽しみます!