アラン・シアラーも激賞!6人の新戦力を早期にフィットさせたランパードの統率力。
監督就任初年度に、アーセナルにFAカップをもたらしたミケル・アルテタのほうが目立っている感はありますが、2019-20シーズンからチェルシーの指揮を執ることになったフランク・ランパードの立ち回りは、もっと評価されていいのではないでしょうか。ウェストロンドンに帰還した時、クラブは補強禁止のペナルティを喰らっており、エースのエデン・アザールのレアル・マドリード移籍もほぼ決定という状況でした。
プレミアリーグの開幕直前にダヴィド・ルイスがアーセナルに移籍したときは、守備が崩壊してしまう可能性があるのではないかと心配しました。守備の要だったリュディガーが4ヵ月欠場となり、CBはフィカヨ・トモリ、クリステンセン、ズマという経験値が低いラインナップ。最初の6試合を2勝2分2敗と低調なスタートを切った新生チェルシーは、6連勝した後に2勝6敗と崩れる不安定なチームでした。マンチェスター・ユナイテッドが停滞し、絶不調のノースロンドン勢がウナイ・エメリとマウリシオ・ポチェッティーノを解任するというライバルの混乱に助けられた感はありましたが、アザールを使えたサッリを6つ上回る69ゴールで4位に食い込んだのは見事でした。
2年めの夏は、就任初年度とは打って変わってビッグディールを敢行。ティモ・ヴェルナー、ハキム・ツィエク、カイ・ハヴェルツ、ベン・チルウェル、チアゴ・シウヴァ、エドゥアール・メンディという豪華な顔ぶれを引き入れました。いうまでもなく素晴らしい補強ではあるのですが、これだけ多くの選手がいきなりチームに加わると、束ねる力量が必要となります。過去に何人の監督が、新戦力をもらいすぎて消化不良を起こしたことか。近年の失敗例を、いくつか挙げてみましょう。
2013-14シーズンに「ガレス・ベイル資金」をまわして総勢7人の大型補強を敢行したトッテナムは、不振に陥ったアンドレ・ヴィラス・ボアスを解任してプレミアリーグ6位フィニッシュ。2014-15シーズンに「スアレス資金」を得て8人を獲得したリヴァプールも、ブレンダン・ロジャースが新戦力をうまく使いこなせず、6位でシーズンを終えています。2017-18シーズンには、ルカクとロス・バークリーを手離したエヴァートンが、ルーニーやシグルズソンなど即戦力8人をゲット。スカッドを掌握し切れなかったロナルド・クーマンは、2勝2分5敗という冴えない戦績で10月にクラブを去っています。
プレミアリーグの歴史をあらためて紐解いてみると、5勝4分1敗で首位と2差の3位にいるランパード監督に拍手を送りたくなります。「BBC」に寄稿したアラン・シアラーさんは、昨季は38試合54失点だった守備を10戦10失点と改善した若き指揮官を激賞。「2019年6月に今の仕事を担当してから、初めてプレミアリーグのTOPに立つチャンスを逃したが、チェルシーは正しい方向に向かっている」と語り、守備力向上のポイントを解説しています。
「エドゥアール・メンディを連れてきて、大きな違いをもたらした。6試合中5試合でクリーンシートをキープしており、自信があるGKだ」
「チアゴ・シルヴァもまた、優れたサインに見える。彼らのバックラインに経験と知恵を植え付けている」
「エンゴロ・カンテは、彼が最も得意とすること、つまりプロテクトとディフェンスに戻した。日曜日には、マテオ・コヴァチッチと一緒にケインとソンを追いかけ、沈黙させる素晴らしい仕事をした」
プレミアリーグの元トップスコアラーの見解に「若手を育てながら」というひとことを付け加えたいと思います。アスピリクエタからポジションを奪ったリース・ジェームズ、オフ・ザ・ボールの動きの質が高いメイソン・マウント、昨季プレミアリーグで15ゴールのタミー・アブラハム。適材適所かつフェアな用兵で、ベテラン、若手、新戦力の融合を実現していることが、ランパードの最大のお手柄でしょう。6人の新戦力が全員活躍できているのは、ディレクターのマリア・グラノフスカイアさんやアブラモヴィッチオーナーと連携して補強を進められていたからだと思われます。
プリシッチが復帰して負傷者がいなくなり、出場機会が少ない選手のモチベートという新たな課題を抱えていますが、アスピリクエタという人格者がベンチスタートでもレギュラーを鼓舞するチームゆえ、問題なく強化を推進できるのではないでしょうか。今のチームは、まだまだ発展途上です。年明けのチャンピオンズリーグでバイエルンと激突し、2試合トータル7-1でちぎられた前年のリベンジを果たすことができれば、進化を実感できるのではないかと期待しています。
プレミアリーグの開幕直前にダヴィド・ルイスがアーセナルに移籍したときは、守備が崩壊してしまう可能性があるのではないかと心配しました。守備の要だったリュディガーが4ヵ月欠場となり、CBはフィカヨ・トモリ、クリステンセン、ズマという経験値が低いラインナップ。最初の6試合を2勝2分2敗と低調なスタートを切った新生チェルシーは、6連勝した後に2勝6敗と崩れる不安定なチームでした。マンチェスター・ユナイテッドが停滞し、絶不調のノースロンドン勢がウナイ・エメリとマウリシオ・ポチェッティーノを解任するというライバルの混乱に助けられた感はありましたが、アザールを使えたサッリを6つ上回る69ゴールで4位に食い込んだのは見事でした。
2年めの夏は、就任初年度とは打って変わってビッグディールを敢行。ティモ・ヴェルナー、ハキム・ツィエク、カイ・ハヴェルツ、ベン・チルウェル、チアゴ・シウヴァ、エドゥアール・メンディという豪華な顔ぶれを引き入れました。いうまでもなく素晴らしい補強ではあるのですが、これだけ多くの選手がいきなりチームに加わると、束ねる力量が必要となります。過去に何人の監督が、新戦力をもらいすぎて消化不良を起こしたことか。近年の失敗例を、いくつか挙げてみましょう。
2013-14シーズンに「ガレス・ベイル資金」をまわして総勢7人の大型補強を敢行したトッテナムは、不振に陥ったアンドレ・ヴィラス・ボアスを解任してプレミアリーグ6位フィニッシュ。2014-15シーズンに「スアレス資金」を得て8人を獲得したリヴァプールも、ブレンダン・ロジャースが新戦力をうまく使いこなせず、6位でシーズンを終えています。2017-18シーズンには、ルカクとロス・バークリーを手離したエヴァートンが、ルーニーやシグルズソンなど即戦力8人をゲット。スカッドを掌握し切れなかったロナルド・クーマンは、2勝2分5敗という冴えない戦績で10月にクラブを去っています。
プレミアリーグの歴史をあらためて紐解いてみると、5勝4分1敗で首位と2差の3位にいるランパード監督に拍手を送りたくなります。「BBC」に寄稿したアラン・シアラーさんは、昨季は38試合54失点だった守備を10戦10失点と改善した若き指揮官を激賞。「2019年6月に今の仕事を担当してから、初めてプレミアリーグのTOPに立つチャンスを逃したが、チェルシーは正しい方向に向かっている」と語り、守備力向上のポイントを解説しています。
「エドゥアール・メンディを連れてきて、大きな違いをもたらした。6試合中5試合でクリーンシートをキープしており、自信があるGKだ」
「チアゴ・シルヴァもまた、優れたサインに見える。彼らのバックラインに経験と知恵を植え付けている」
「エンゴロ・カンテは、彼が最も得意とすること、つまりプロテクトとディフェンスに戻した。日曜日には、マテオ・コヴァチッチと一緒にケインとソンを追いかけ、沈黙させる素晴らしい仕事をした」
プレミアリーグの元トップスコアラーの見解に「若手を育てながら」というひとことを付け加えたいと思います。アスピリクエタからポジションを奪ったリース・ジェームズ、オフ・ザ・ボールの動きの質が高いメイソン・マウント、昨季プレミアリーグで15ゴールのタミー・アブラハム。適材適所かつフェアな用兵で、ベテラン、若手、新戦力の融合を実現していることが、ランパードの最大のお手柄でしょう。6人の新戦力が全員活躍できているのは、ディレクターのマリア・グラノフスカイアさんやアブラモヴィッチオーナーと連携して補強を進められていたからだと思われます。
プリシッチが復帰して負傷者がいなくなり、出場機会が少ない選手のモチベートという新たな課題を抱えていますが、アスピリクエタという人格者がベンチスタートでもレギュラーを鼓舞するチームゆえ、問題なく強化を推進できるのではないでしょうか。今のチームは、まだまだ発展途上です。年明けのチャンピオンズリーグでバイエルンと激突し、2試合トータル7-1でちぎられた前年のリベンジを果たすことができれば、進化を実感できるのではないかと期待しています。
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