イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

夏の破談から7ヵ月…コンテ招聘に成功したスパーズ、復活の軌跡を振り返る。

昨年の6月、インテルを離れたアントニオ・コンテとトッテナムの交渉が破談になったと伝えられたとき、無念と安堵が交じり合ったような気分になりました。マウリシオ・ポチェッティーノが指揮を執っていた頃の「走るスパーズ」が好きだった私は、ジョゼ・モウリーニョのチームにもの足りなさを感じていたのです。

4-2-3-1が主流だったプレミアリーグに、アグレッシブな3-4-3を持ち込んだ元チェルシーの名将が来れば、CLのファイナルでレッズに敗れたクラブは欧州最高峰の舞台に復帰するはずと思いました。イタリア人の招聘を断念したスパーズは迷走。パウロ・フォンセカは合意寸前でブレイクとなり、ジェンナーロ・ガットゥーゾという選択肢はサポーターの猛反対によって消えてしまいました。

残ったのは、ウルヴスをELのベスト8に進出させたヌーノ・エスピーリト・サント。モウリーニョと同郷のマネージャーは、モウリーニョ以上に守備的でした。開幕戦でペップ率いるマン・シティを下し、プレミアリーグ3連勝という最高のスタートを切った新チームは、ロンドンのライバルたちに3連敗。先手を打てないリアクションサッカーは不評で、マンチェスター・ユナイテッド戦の惨敗が決め手となり、ヌーノ監督は5勝5敗という微妙な戦績を残して解任されました。

アントニオ・コンテがスパーズの2度めのオファーを受けたのは、スペインやイタリアのトップクラブが自らが求める条件をクリアできないと思い知ったからでしょう。プレミアリーグの最初のゲームは、グディソン・パークのエヴァートン戦でした。エメルソンとレギロンをアウトサイドに配する3-4-3はうまく機能せず、オンターゲットゼロのスコアレスドロー。2人を入れ替えて臨んだリーズ戦は、ホイビュルクとレギロンのゴールで何とか逆転勝利に漕ぎ着けました。

ヨーロッパカンファレンスリーグでアウトサイダーのムラに足をすくわれるなど、当初は不安定だったチームは、ブレントフォードとノリッジをクリーンシートで下して波に乗りました。コンテ就任以降のプレミアリーグは、6勝3分で未だ無敗。守備的な戦術のなかで空回りしていたハリー・ケインは、直近の5試合で4ゴール1アシストと復活しました。

ヌーノの下で戦ったプレミアリーグ10試合は、1試合あたり10.3本しかシュートを打てなかったチームは、ドローで終えたリヴァプール戦からの5試合で19.2本を記録しています。2-1とリードされながら、ラスト2分で2ゴールをゲットしたレスター戦は、コンテがめざすスタイルが浸透していることを示すゲームでした。

ハーフライン付近でボールを奪うと、前線の3人とWBが一斉にスプリント。ロングフィードやスルーパスをファイナルサードに入れる速いアタックで、体勢が整っていない守備陣を何度も混乱に陥れました。クリスティアン・ロメロやエリック・ダイアーといった守備の軸を欠きながらの劇的な勝利で、選手もスタッフも自信を深めたのではないでしょうか。

土壇場の3ポイント奪取で11勝3分5敗となり、5位にジャンプアップ。3位チェルシーとは8ポイント差ですが、スパーズのほうが消化が4試合少なく、3勝1敗で上回ります。TOP4フィニッシュが見えてきたチームは、冬のマーケットでセントラルMF、WB、アタッカーを獲ろうとしていると伝えられています。ミランのフランク・ケシエ、ウルヴスのアダマ・トラオレ、マンチェスター・ユナイテッドのジェシー・リンガードを引き入れられれば文句なしでしょう。

週末のプレミアリーグは、チェルシーとのアウェイゲーム。勝てば5ポイント差に迫るシックスポインターで、コンテ監督は古巣を倒すことができるでしょうか。絶好調のハリー・ケイン&ルーカス・モウラと、決定的なパスを繰り出すホイビュルクのパフォーマンスに注目したいと思います。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す