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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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3人のキーマンを失って崩壊…リーズのヒーロー、奇才マルセロ・ビエルサがついに解任!

崩壊のトリガーは、カルヴァン・フィリップスの負傷リタイアでした。イングランド代表のアンカーを失って以来、プレミアリーグ11試合2勝1分8敗と不振に陥っていたリーズ・ユナイテッドが、マルセロ・ビエルサ監督を解任しました。この間の失点は38で、1試合平均に直すと3.5。マンチェスター・シティに7-0で大敗した後、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムには4失点で、リヴァプール戦は6-0という惨敗でした。

カルヴァン・フィリップスが出場したプレミアリーグの12試合は、3勝6分3敗。3失点以上を喫したのは4節のリヴァプール戦のみです。クリヒを低いポジションで起用したり、コッホを中盤に上げたりと試行錯誤していた指揮官は、最適解を見出せないまま順位を下げてしまいました。最終ラインのリーダーだったリアム・クーパーも、カルヴァン・フィリップスと同じく15節のブレントフォード戦でリタイアし、未だスカッドに合流していません。

後方を仕切っていた2人のキーマンに加えて、昨季プレミアリーグで38試合17ゴール8アシストの絶対的エース、パトリック・バンフォードの長期離脱も激痛でした。代役のロドリゴは3ゴール、タイラー・ロバーツは1ゴールに留まっています。夏に獲得した即戦力はダニエル・ジェームズとフィルポのみで、冬の補強はゼロ。少数精鋭を好むビエルサ監督は、チームの背骨となる中央のポジションが戦力不足となり、自らの戦術を機能させられなくなってしまいました。

「それでもビエルサは、エランド・ロードに作品を残したといえる。熱狂的なリーズサポーターから、ヒーローとして永遠に愛され続けるだろう」。奇才の解任をレポートした「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、16年ぶりのプレミアリーグ復帰という偉業を称えながら、哲学も戦術も変えない頑固さが自らの首を絞めてしまったと評しています。

「リーズサポーターは、直近の厳しい証拠を突き付けられても、ビエルサへの賞賛を弱めることを断固として拒否してきた。しかし彼が自分のスタイルを曲げずに主張し続け、現実主義の尺度さえも受け入れることを拒んだため、クラブとサポーターに大きな悲しみをもたらす結果を招いてしまった」

2020年7月、リーズ市内の中心部にあるトリニティリーズとコマーシャルストリートを結ぶ通りは、「Marcelo Bielsa Way」と名付けられました。2019-20シーズンのチャンピオンシップ制覇と、昨季のプレミアリーグTOP10フィニッシュは、アグレッシブなフットボールに熱狂したサポーターたちから次世代に語り継がれていくのでしょう。

モウリーニョ、アンチェロッティ、ベニテス、ラニエリ…1年も経たないうちに、5人の名将がプレミアリーグから去っていきました。7ヵ月で9人の指揮官が任を解かれた残酷なリーグは、新たな生贄を迎えて淡々と進んでいきます。ビエルサの後任は、ジェシー・マーシュ。南野拓実が所属していたザルツブルグを率いた後、ライプツィヒに招聘されて6ヵ月で解任となった監督です。


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“3人のキーマンを失って崩壊…リーズのヒーロー、奇才マルセロ・ビエルサがついに解任!” への1件のコメント

  1. 五月病のこじらせ上手 より:

    プレミアリーグは特に監督には厳しいリーグですね
    成績不振・低迷が続くとあっさり解任されてしまいます。それはトップクラブも中下位クラブも同様です。
    そう考えると、昨今ではペップとクロップはホントに異常としか思えません。
    結果を出し続けることの難しさを、こういう監督解任ニュースを目にするたびに痛感します。

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