マンチーニ監督解任!「今季無冠」ではない、最大の理由はコレだ!
1)今季無冠。FAカップ決勝敗退、プレミアリーグでは優勝争いができなかった
2)チャンピオンズリーグで2季連続グループステージ敗退
3)特定の選手が負傷すると、明確にレベルダウン。フォローがきかないチーム運営
4)チーム強化について、長期的展望がなかったこと
5)シーズン後半の言動。選手批判による士気低下、監督辞任報道への反応の悪影響
成果もさることながら、実は大きかったのは5番目の「言動」なのではないかと思います。昨季はそれほど目立たなかった選手批判やチーム力に関する愚痴が、今季はかなり増えました。GKジョー・ハートのファンブルをやり玉に挙げたのを皮切りに、ナスリ、コンパニについても、厳しい口調で非難しています。極めつけは、「ファン・ペルシが獲れていれば…」発言ですね。これを聞いたジェコやテベス、アグエロはさぞ脱力したことでしょう。マンチーニの一連の発言について、4月上旬、元マンチェスター・ユナイテッドの名GKだったピーター・シュマイケルが「マンチェスター・シティの不調の原因はマンチーニにある」と強く批判しています。以下に、彼のコメントを引用・抜粋しますね。
「マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン監督は、彼の問題、チームの問題、クラブが抱えている問題を公に語ることはないだろう。そんなことはありえない。でもシティでは、そういうことがよく見られるね。何人かの選手は、公に自分の監督から厳しい批判を受けた。マンチーニはイタリアから、そのやり方を持ってきたのかもしれない。でも、ここではうまくいかない。批判に対して、選手が怒ったり、ガッカリしたりする気持ちは理解できる。時にそういう気持ちをピッチに持ち込んでしまい、監督のために100%を発揮できないとしても不思議じゃない」
天文学的なケタの札束が乱れ飛ぶフットボールビジネスの世界は、一般社会と違った特殊な環境だと思われがちですが、組織には秩序が必要であり、マネジメントのありようで働く人々の成長やモチベーションが大きく左右され、組織内で評判の悪い人には厳しい評価が下されやすいことは一般企業、サラリーマン社会と一緒です。選手に直接、プレーの評価を語って改善を促すことをせず、マスコミに話してしまい、それがメディアに載ってしまうのは最大のタブーでしょう。失敗した選手は、ただでさえ傷ついているわけで、そこにきてボスの評価を人づて・メディア経由で聞かされるなど、強烈なダブルパンチです。サー・アレックス・ファーガソンだけでなく、アーセン・ヴェンゲルやラファエル・ベニテスなど、名監督といわれる人は、これは絶対にやりませんね(ジョゼ・モウリーニョはついに今季、やってしまいましたが…やはりうまくいっていません)。成績云々より、マンチーニの発言が経営陣の逆鱗に触れ、「社内の評判がガタ落ちした」ことは充分考えられます。
マンチェスター・シティのように、リーグでトップクラスの戦力を有するチームがベストメンバーで戦える状況なら、トップが「何としても勝つ」といえば、ニュートラルの試合会場で残留争いをしているチームにスコアレスで負けるなどということは普通は起こりません。FAカップでウィガンに敗退したこと、すなわち無冠の理由は、チームのモチベーションの低下だったのかもしれません。
うーん、残念です。好きだったんですよね、マンチーニ監督。プレミアリーグの監督のなかではダントツにおしゃれでトークもうまくて、ファーガソンさんやヴェンゲルさんのように怒ることなく、ベニテスさんに感じられるトゲもなく、緩い感じの憎めないキャラクターでした。とはいえ最近は自身の辞任報道に敏感に反応してイラ立つ姿が目立っており、さぞストレスが溜まっていたんだろうな、と思います。来季、マンチェスター・シティは噂通り、ペジェグリーニ監督なのでしょうか。マンチーニ監督にも、ぜひイングランドに残っていただき、プレミアリーグを盛り上げていただきたいのですが…。
中堅~下位チームのオーナーのみなさん、守備の整備が得意で負けにくいチームが作れる優秀な方が空きましたよ。特にクセのある選手が多いチームにおすすめです。何せテベスとバロテッリの信頼を得るという輝かしい実績を持つマネージャーですから。いかがでしょうか?採用すれば、おたくのチームは絶対、強くなりますよ!
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