下剋上勃発、激動の半年!プレミアリーグ2015‐16シーズン前半戦・偏愛的監督ランキング
テレビ放映権料を得た中堅クラブが、今まではありえなかった大型補強を敢行する厳しい戦国時代に、チームづくりに成功して評価を高めた監督は誰でしょうか。プレミアリーグ前半戦の采配をリスペクトしたい8人の指揮官を、ランキング形式でピックアップしてみました。いちばん素晴らしかったのは、やはりこの方ではないでしょうか。昨季は53失点を喫した脆弱な守備を強化し、プレミアリーグ最少失点、得失点差ナンバーワンという数字を残した4位トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督です。ブラボー!
■プレミアリーグ2015-16前半戦 監督ランキング!■
1位 マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)
2位 アラン・パーデュー(クリスタル・パレス)
3位 クラウディオ・ラニエリ(レスター・シティ)
4位 アーセン・ヴェンゲル(アーセナル)
5位 キケ・フローレス(ワトフォード)
6位 マーク・ヒューズ(ストーク)
7位 スラヴェン・ビリッチ(ウェストハム)
8位 ユルゲン・クロップ(リヴァプール)
レスターを2位に躍進させたラニエリ監督がいちばんではないのか、という声もあろうかと思います。私も、ラニエリさんの評価は高いのですが、昨季最終盤を7勝1分2敗で走り抜けたナイジェル・ピアソン前監督が残した極上の遺産があったのも事実。いい部分を変えずに残すという判断も、新監督のお手柄のひとつではあるのですが、マフレズの突然変異的ブレイクや負傷者の少なさ、2点差を何度も同点に持ち込む勢いなどに恵まれた感があり、レギュラー固定のクラブが疲労が蓄積する冬をどう乗り切るのかを見届けたうえで、満を持して1位としたい気持ちがあります。
一方で、若手を大胆に抜擢しながらトッテナムをじわじわと4位に上げたポチェッティーノ監督と、タレントがいない守備陣を束ねて大崩れしないチームを創り上げたパーデュー監督のチームづくりは、ラニエリ監督に負けない素晴らしい仕事だったのではないかと思うのです。デル・アリ、エリック・ダイアー、ヌジエ、トム・キャロル、ベン・デイヴィス…。若手にチャンスを与え、戦力と戦術の幅を広げながら順位を上げたスパーズは、アンデルレヒトやモナコといった油断できない相手と同組になったヨーロッパリーグもきっちり首位通過。ファン・ハール監督は、トッテナムの指揮官の名前を出されれば、何もいえなくなるのではないでしょうか。パーデュー監督のチームが2点差以上で負けたのは、今季プレミアリーグでジャイアントキリングを連発した「アウェイ・マイスター」ウェストハム戦だけです。ボラシエ、パンチュン、ザハなど攻撃的な選手が目立つチームですが、パーデュー監督の真骨頂は、諦めずに戦うスピリッツをインストールしたことと守備の整備だと思います。
以下に、それぞれの監督について、私なりの採点と寸評を記しました。毎年恒例の野戦病院状態をうまく切り抜け、チャンピオンズリーグのグループステージ突破とプレミアリーグ首位をダブルで手に入れたヴェンゲル監督。14人にも及ぶ大量補強の多国籍軍をシンプルな戦術でまとめたワトフォードのキケ・フローレス監督。中盤の軸だったエンゾンジとエースGKベゴヴィッチがチームを離れ、ショークロスとムニエサという守備の要が戦線離脱したことを言い訳にしなかったマーク・ヒューズ監督を、上位にピックアップしています。
1位 マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)
戦略 ★★★★★
戦術・采配★★★★
モチベート★★★★
育成・登用★★★★★★
やりくり力★★★★★
若手の育成に加えて、エリック・ダイアーのアンカー起用といった大胆な抜擢には、5点満点でも6点つけたくなる見事なチームづくり。アルデルヴァイレルト、ヴィマー、トリッピアーといった守備力強化は満点評価で、ヌジエとソン・フンミンも徐々にプレミアリーグにフィット。戦力をムダにしないマネジメントにも好感が持てます。
2位 アラン・パーデュー(クリスタル・パレス)
戦略 ★★★★★
戦術・采配★★★★★
モチベート★★★★★
育成・登用★★★★
やりくり力★★★★
期待のバカリ・サコの負傷や、コナー・ウィッカム、バンフォードら前線の空回りがあっても5位で前半戦を終えられたのは、守備の整備という課題解決の優先順位を指揮官が間違えなかったから。パーデュー監督のリスクは、モウリーニョさん同様、選手のケツを叩いて実力以上の力を引き出すのが得意なところで、ひとたび崩れると雪崩を打ってダメになる可能性があります。今のいい状態をキープして、フルシーズンを走り抜けられるか!?
3位 クラウディオ・ラニエリ(レスター・シティ)
戦略 ★★★★★
戦術・采配★★★★★
モチベート★★★★★
育成・登用★★★★
やりくり力★★★
「しっかり守ってカウンター」という戦術の確かさは、イタリア人監督ならでは。「クリーンシートを達成したらピザをおごる」「チームで旅行」といった明るい雰囲気づくりも、経験豊富な監督らしいアプローチでした。選手を枠にはめずに適材適所で能力を引き出す手法や、岡崎慎司の特性を短期間で見抜いたあたりに、この監督の能力の高さを感じました。レギュラーを固定する傾向が強いのでクラマリッチなど一部の控え選手がストレスを溜めており、負傷者の続出や主力のコンディション悪化に対応できるかが未知数なのが、3位にした理由です。
4位 アーセン・ヴェンゲル(アーセナル)
戦略 ★★★★★
戦術・采配★★★★
モチベート★★★★★
育成・登用★★★★
やりくり力★★★★
「マネージャーとしては超一流、戦術家としては二流」というのが私のヴェンゲル評なのですが、カウンターサッカーというオプションを導入した今季は、戦術の素晴らしさでプレミアリーグを制してしまうかもしれません。フラミニやジョエル・キャンベルという放出寸前だった選手を残し、負傷者が大量に出たピンチに彼らを使い切って乗り越えてしまうあたりが、ヴェンゲルさんの底力です。
5位 キケ・フローレス(ワトフォード)
戦略 ★★★★
戦術・采配★★★★★
モチベート★★★★★
育成・登用★★★★
やりくり力★★★
プレミアリーグ開幕から2試合連続で11人の国籍がかぶらないという偉業を成し遂げたチームは、コミュニケーションをとるだけでひと苦労だろうと心配したのですが、この監督はうまくやっているようです。戦術はシンプルで徹底度が高く、短期的には結果を出せる監督だと思います。ここからさらによくなっていく絵をどう描くのかはイメージできませんが…。
6位 マーク・ヒューズ(ストーク)
戦略 ★★★★
戦術・采配★★★★
モチベート★★★
育成・登用★★★★
やりくり力★★★★★
グレン・ジョンソン、シャキリ、アフェライと大物ばかり獲得したがゆえのチーム作りの遅れや、ムニエサとショークロスといった守備の要の離脱に耐え、8勝5分6敗の10位は見事だと思います。後半戦は、このチームの躍進が話題になるのではないでしょうか。潜在的なポテンシャルの高さは、中堅クラブでナンバーワンだと思います。
7位 スラヴェン・ビリッチ(ウェストハム)
戦略 ★★★★
戦術・采配★★★
モチベート★★★★
育成・登用★★★★★
やりくり力★★★
上位クラブを怖がらない戦う姿勢を植え付け、アーセナル、リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシーを次々と倒したまではよかったのですが、パイェ離脱後は1勝5分1敗と得点力不足に悩むようになりました。攻撃のオプションが少ないチームを、ビリッチ監督は変えることができるのか?年明けに戻ってくるパイェ頼みのチームで終われば、2年連続のヨーロッパリーグ出場は叶わぬ夢となりそうです。
8位 ユルゲン・クロップ(リヴァプール)
戦略 ★★★★★
戦術・采配★★★★
モチベート★★★★
育成・登用★★★
やりくり力★★★
就任から数週間で明らかにチームを変えたのは、戦術家として優秀でモチベートにも長けた「とにかく明るいクロップ監督」ならでは。とはいえ、プレミアリーグ5勝3分3敗は、期待したファンからすればもの足りない数字でしょう。いいときと悪いときの差が激しいチームに、走れないとき、プレスがはまらないとき、リードされたときの戦い方を授けることができれば、来季のチャンピオンズリーグ出場権に手が届くはずです。
ここに名前を挙げなかった監督については、「後半戦はがんばってください」といわなければならない方々です。ワーストは…やめておきましょう。私が思い浮かべたいくつかの名前は、みなさんのそれと同じでしょう。「監督がいいのに、チームの成績がついてこない」などということはないとだけ、添えさせていただきます。
以上、プレミアリーグ前半戦の監督リスペクトでした。明日から、いよいよ後半戦がスタートです。引き続き、キャラ立ちまくりの名物監督たちの采配に注目してまいります。
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あけましておめでとうございます。
本年も、楽しみにしておりますので、身体に気をつけて頑張って下さい。
又、愛するユナイテッドが何処まで復調出来るのか⁉️楽しみにしながら、皆仲良く‼️意見は皆ありますが、皆仲良く‼️プレミアリーグを楽しんでまいりましょう(≧∇≦)
汗かきスターさん>
ありがとうございます。マンチェスター・ユナイテッド、やっと勝ちました。今年は、まれにみる混戦で楽しみですね。引き続き、よろしくお願いいたします。