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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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強豪3連戦の好成績に、ラニエリ監督は1週間の長期休暇をプレゼント。しかし気になるデータが…!

百戦錬磨の64歳は、やることが粋です。現地メディアは、プレミアリーグ26節のアーセナル戦で2-1と惜敗したレスターのクラウディオ・ラニエリ監督が、選手たちに1週間の休日をプレゼントしたと報じています。彼らのスケジュールを見ると、次のゲームは2月27日に行われるプレミアリーグ、本拠地キングパワー・スタジアムのノリッジ戦。1月のFAカップ3回戦でトッテナムに敗れたために、今週末は試合がありません。こういう期間を、優勝に向けた準備のために使う監督もいますが、ラニエリ監督はリフレッシュしたほうがいいと判断したようです。イギリスメディア「デイリー・メール」が掲載したご本人のコメントを紹介しましょう。

「実は選手たちと賭けをしたんだ。彼らは『もし(リヴァプール、マンチェスター・シティ、アーセナルとの強豪3連戦で)勝ち点9を獲得したら、1週間の休みをもらえますか?』と聞いてきた。もちろんOKだったが、実際に得た勝ち点は6だった。しかし、私は心のなかで、これでもOKだといったんだ。マン・シティ戦とアーセナル戦が、それぞれ勝ち点1でもよかった。この場合は勝ち点2になるわけだけど、それより多い勝ち点3を得られたんだからね」
「そこで、私はこういった。『この試合(=ア―セナル戦)は勝ったも同然だ。この次の月曜に会おう』とね。彼らは素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。みんながどこに行くのかは知らないよ。ドバイかもしれない。 行きたいところに行けばいい。私はロンドンで1日過ごした後、ローマに向かうよ」(クラウディオ・ラニエリ)

ユーモアあふれるイタリア人監督が9月に宣言した「クリーンシートを達成したらピザをおごる企画」は、10月末まで引っ張ったものの、プレミアリーグ10節のクリスタル・パレス戦を1-0で勝利した後に実施されました。「実はあまりピザは好きじゃないんだ」と語っていたジェイミー・ヴァーディは、ピザ前の10試合は10ゴール、ピザ後の10試合は5ゴールとあまり効果はなかったようですが、チームはピザパワーを得てから7勝1分と快進撃。これに味を占めたわけではないのでしょうが、クリスマスにはコペンハーゲン旅行、そして今回のフリータイムと、ラニエリ監督は節目でイベントを用意し、選手の気持ちをポジティブにキープできるように仕向けています。

9月に「練習中のジョーク禁止令」を出したモウリーニョ監督時代のチェルシー、12月のチャンピオンズリーグ敗退を受けて「クリスマスパーティー中止」としたマンチェスター・ユナイテッドは、引き締め策が報じられた後、それぞれ長いスランプに突入。これだけが理由ではないとはいえ、選手たちがストレスを溜めているところに追い撃ちをかけるのは逆効果のようにみえます。私も含め、ごほうびに盛り上がるタイプの人間は、「ラニエリさん、わかってますね!ムチばかりじゃなく、アメがないとね」などと、楽しげなクラブのほうを諸手を挙げてほめてしまいそうなのですが、実はアメのほうにも、気になるデータがありまして…。

昨季のプレミアリーグでイベント大好きクラブだったのは、吉田麻也が所属するサウサンプトンです。2月に10日あった「FAカップ敗退休暇」にはバレンタインパーティーを開催し、仮面をつけたクーマン監督は大はしゃぎで「Party time!」とツイート。3月に12日あった「FAカップ敗退休暇パート2」ではスイス旅行に出かけており、「Southampton ski in Switzerland」という動画がクラブの公式サイトにUPされました。2度にわたる気分転換によるリフレッシュ効果で、セインツは元気になったかと思いきや、実は戦績はさえず。パーティーの後は、リヴァプールとWBAに連敗を喫しており、スイスから帰ってきた後のラスト8戦は2勝1分5敗と散々。CL出場が決まっていたアーセナルとチェルシーが、FAカップとキャピタルワンカップを優勝してくれたためにプレミアリーグ7位で終わった彼らはヨーロッパリーグ行きのチケットを手に入れましたが、いやいや、危ないところでした。これを以て「イベントが悪い」とするのは乱暴ですが、少なくとも数字のうえでは、リフレッシュ効果はなかったのは事実です。

さて、今季のラニエリ監督ですが、第一弾のピザはいいとして、コペンハーゲン効果はどうだったのでしょうか。残念ながら、こちらもまた、芳しくなくてですね。帰ってきた直後、ボクシングデーのリヴァプール戦は1-0で完敗。キングパワーにマンチェスター・シティを迎えた大事な一戦はスコアレスドロー。ここまでは、相手が強かったからといえなくもないのですが、年始のボーンマス戦をホームで0-0はいただけません。さらにFAカップのスパーズ戦まで2-2と引き分け、4試合勝利なし。今季の彼らが、3試合以上勝利がなかったのはこの期間だけです。レギュラー固定で戦ってきたチームなので、年末年始のタイトなスケジュールがきつかったというほうが妥当な解釈なのだとは思いつつ、昨季のセインツと重ね合わせると、旅行や長期休暇などの思い切りがよすぎるイベントは、選手のコンディションを狂わせるリスクもあるのではないかと心配してしまうのです。

ラニエリ監督の打ち手は吉と出るか、凶と出るか。ノリッジ、WBA、ワトフォード、ニューカッスル、クリスタル・パレス。3月末までの5試合は、力関係と相手の調子からすれば、アウェイのワトフォード戦のみドローの4勝1分でいけそうですが…。最終的な着地はどうあれ、今季の彼らには最後までプレミアリーグを盛り上げてほしいので、ラニエリプランがプラスに作用することを祈っております。

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“強豪3連戦の好成績に、ラニエリ監督は1週間の長期休暇をプレゼント。しかし気になるデータが…!” への3件のフィードバック

  1. 福岡 より:

    ブンデスリーガ優勝を成し遂げたペップバイエルンが、翌日の練習を休みにし、怪我リスクを避けるためにトレーニングの負荷を下げた結果、チームコンディションを崩してしまった例を思い出します。
    チームは1本の細い糸でぶらさがっているだけで、簡単に切れる。走るのを止めるというだけで簡単に切れるというペップの言葉。ラニエリレスターの糸は切れるのか太くなるのか今後がとっても楽しみです♪

    —–
    普段の練習はもちろんキツイでしょうが、旅行など普段と違うことは余計疲れますからねー。家族連れなんかだとさらに、、、

  2. ロビーサベージ より:

    更新お疲れ様です(^∇^)

    ガナーズ戦で劇的な負け方をしてしまったので、この休みが良い意味でプラスに働けばいいのですが、これからをどう操縦するかがラニエリ監督の腕の見せ所ですね。

    ノリッジ戦、ウェストブロム戦と下位のチームとの対戦が続きますが、幸いな事にホームで戦えるのは強みと思います。これから先、より引き締まったレスターを見たいですね。

  3. makoto より:

    だしまるさん>
    なるほど。1週間で切れた細い糸を、次戦までにつなぎ直したらラニエリさんはホントの名将ですね。ティンカーマンは、「こねくりまわし屋」か「腕のいい修理屋」か、楽しみです。

    福岡さん>
    実感こもってますね。同感です(笑)

    ロビーサベージさん>
    ホーム2連戦というあたりは考慮してのお休みなのでしょうね。カンテとドリンクウォーターは、休み中も毎日走ってそう…と思うのは私だけでしょうか!?

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