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ペップ、よくいった!ヤヤ・トゥレの代理人、ディミトリ・セルク氏に怒りの謝罪要求!

よっぽど腹に据えかねたのでしょうが、これは勇気が必要な発言です。イギリスメディア「BBC」が報じた「Man City boss Pep Guardiola wants apology before midfielder returns(マン・シティのボス、ペップ・グアルディオラは、MFが復帰する前に謝罪を望んでいる)」という記事に登場する人物は3人。主役のペップに加えて、試合に出さないといわれているヤヤ・トゥレ、謝罪を求められているヤヤの代理人であるディミトリ・セルク氏です。まずは、EFLカップ直前の会見で、ヤヤ・トゥレの起用について聞かれたペップのコメントを聞いてみましょう。

「セルクは、自らの発言について謝罪しなければならない。彼がそうしなければ、ヤヤ・トゥレは試合に出さない」

ペップが咎めているセルク氏の発言とは、9月上旬にヤヤ・トゥレがチャンピオンズリーグの登録メンバーから外されたときのものです。「ヤヤもアレックス・ガルシアもいい選手なので、外す決断をするのはとてもつらかった」と語った指揮官に対して、プレミアリーグでも欧州でも出場機会を失っているセントラルMFの代理人は理不尽な批判をしました。「デイリー・ミラー」より再現します。

「グアルディオラがマンチェスター・シティでチャンピオンズリーグを優勝したら、私はテレビで『ペップは世界最高の監督だ』といいたい。でも、もし勝てなければ 、彼が『ヤヤ・トゥレという素晴らしいプレイヤーに屈辱的な思いをさせたのは間違いだった』といってほしい。 たぶんペップは、ヤヤについて『3部リーグのチームを相手に、EFLカップの最後の10分をプレイするのに充分な力がある』と考えているのだろう。ヤヤがシティで、どれだけのシーズンを過ごしてきたか考慮するべきだ」(ディミトリ・セルク)

チャンピオンズリーグで優勝できなかったために、特定の選手を起用しなかった非を認めるなどということをいい出したら、ひとりの監督を除く全員が何人の選手に謝ることになるのか…と、こんな話に目くじら立てても仕方がありませんね。プレミアリーグファンのみなさんは、この発言が代理人のものとして適切かどうかはわかってらっしゃると思います。ペップは、これに反応しました。彼の真正面からのコメントに、いま一度耳を傾けましょう。

「代理人が謝罪するまでは、ヤヤを試合に出すつもりはない。私に直接いえないなら、クラブかメディアに向かって謝罪してほしい」「監督として、選手が試合に出なかったたびに代理人がメディアで騒ぐという状況に我慢できない」「選手時代に、自分の代理人が(当時監督だった)ヨハン・クライフを批判するなどということは、想像できなかった。時代が変わったのかもしれないが、私は古風な人間だ。今の代理人は、本来彼らがあるべき立場よりも偉いと思っているように感じる」(ペップ・グアルディオラ)

今のサッカー界では、エージェントを敵に回すとやっかいだと感じている監督のほうが圧倒的に多いでしょう。代理人との関係が悪化すれば、将来の補強の妨げになったり、ロッカールームの不協和音につながったりすることも考えられます。モウリーニョさんが、ポグバやズラタンを抱えているミーノ・ライオラ氏ともめるなどということは、怖ろしくて考えたくもありません。しかし、おかしいことはおかしいと誰かがいわないと、悪しきカルチャーが当たり前になってしまうかもしれません。今、このことについて最も毅然とした態度でいえるのは、実績は世界屈指で選手たちから尊敬を集めており、1年めのプレミアリーグを首位で快走しているペップだと思います。彼の主張を意訳すると、こんないい方もできるのではないでしょうか。

「選手の代理を務めている人間の言葉は、選手の言葉と見做さざるをえない」
「組織として、起用法に不満を表明する選手を試合に出すことはできない」
「選手を幸せにするためにいるはずの代理人が、チーム人事への介入という超えてはならない一線を超えれば、選手が不幸になることがあると理解しなければならない」

セルク氏は、ペップの謝罪要求に対して、「ペップがペジェグリーニに謝れば、私もペップに謝罪しよう」などと筋違いな挑発をしているようです。これについて、あまり字数をかけたくありませんが、「あなたの言葉はクラブ、ファン、前監督、大事なヤヤ、ひいてはサッカーのおもしろさまで傷つけていますよ」とだけ申し上げたいと思います。ペップへの称賛を込めて、プレミアリーグファンのひとりとしてセルク氏に抗議するチャントを歌いたい。イングランドですので、ザ・ビートルズの「Please please me」が元歌ということで、いかがでしょうか。「もっとヤヤを大事にしてあげて、本当に喜ばせるようなことをしてほしい」と。

「Please please Yaya, woh yeah Like we please Yaya!」

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“ペップ、よくいった!ヤヤ・トゥレの代理人、ディミトリ・セルク氏に怒りの謝罪要求!” への10件のフィードバック

  1. Macki より:

    毎回読ませていただいておりますが、今回の記事は最高でした。いやぁ、スッキリしました。
    グーナーである僕からすると、グアルディオラはこの世で最も憎い存在の一人です。ですが、サッカーを好きである醍醐味といいますか、自分の中で正義の味方(ヴェンゲル)と、悪の組織(モウリーニョ、ペップ、スパーズetc.)を仮想で見立てて勝手に楽しむ面白さがあると思います。つまり、憎き存在も重要な登場人物の一人。
    ですが、最近は本来は客席にいるはずの人間(セルク)の声がドンドン大きくなっていくのを「うっとうしいなあ」と思っていました。
    選手を守るためなら、ドンドン代理人はクラブと戦ってください、監督と戦ってください。
    ですが、よほどでない限りはお客さんに見えないところでやって欲しいものです。
    がんばれヤヤ。アーセナル戦以外。

    —–
    更新ご苦労様です。
    この記事はスッキリしました。
    代理人は必要な存在とは思いますが、必要以上に前に出過ぎのところもあります。
    結果それが選手自身に跳ね返り悪い方向へ行くこともしばしば、、、ヤヤのケースはそれになりそうですが、、、。とかくヤヤの代理人は掻き回すのがお好きなようですが、相手が悪いですね。。。選手からも信頼されており結果も出している(現状)ペップに対しては分が悪すぎます。
    良い選手なのですから、しっかり練習して結果を出せば自ずと出場機会も巡ってくるのでは、、、と考えるのは日本人的思考ですかね?

  2. makoto より:

    ひろとさん>
    チームの人事に代理人が口出しをし始め、あげく裏取引となったりすると、われわれから見ておかしな起用が増えてしまったりするのだと思います。ペップが(結果的にですが)代表して若い芽を摘んでくれた感があり、勇気をリスペクトしています。

    Mackiさん>
    バロテッリの件でライオラ氏がクロップ監督に罵詈雑言を浴びせていたときも、苦々しく思ってました。バロテッリはこれから復活するかもしれませんが、少なくともこの2年の彼の残した数字は、放出といわれても仕方がないものです。市場で値段がつかなかった状況について、選手と代理人は謙虚に受け止めなければならなかったと思います。

  3. シティふぁん より:

    代理人が

  4. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    皆様と同様すっきりしました。
    ペップはやはりすごいです、戦術、モチベーション等のゲームでのスキルのみならず、ピッチ外でも筋の通った振舞でみていて気持ちいいですね。
    またコメントのとおり、ライオラのクロップ監督への罵詈雑言には怒り心頭でした。
    この記事とコメントでちょっとすっきりしました。
    ありがとうございます。

    また、私は最近の代理人だけでなくジャーナリストの記事もちょっとおかしなものが増えてきていると思います。
    笑えるゴシップとなんの裏付けもない低俗な記事の境目が薄くなっている気がします。
    読む側の我々の問題もあるとは思いますが、欧州サッカーのこれまでの歴史や伝統がビッグビジネスの波に飲まれてしまわないようにと若輩ながら思うこの頃です。

  5. シティふぁん より:

    これを言えるのはなかなか勇気がいりますね
    代理人が目立ちすぎな気がしますが
    大きな移籍は必ずと言っていいほど有名な代理人が関わってますよね
    そういった事は素直にすごいと思いますが
    線引きはしっかりしないとと思います

  6. ガナユ より:

    毎年ヤヤの代理人はつまらんことを言ってヤヤ・トゥーレ本人の評価を下げている気がします

  7. リバサポ より:

    なんで、こんなことをメディアに言ってるんでしょうね。どちらとも。話し合えばいいし、それから自分たちの路を決めればいいと毎回思ってしまうんでが。それができないならお互い歩み寄って機会を作ればいいのに…
    ヴェンゲルがライオラ物権所有していないのもなんとなくわかります。心労すごそう。

  8. トト より:

    この対応はヤヤが反応すれば、すぐに収まると思います。代理人の不満の声=ヤヤの意思に捉えられるはずですから

  9. queen より:

    結果のためにあらゆる手段を、というのはビジネスマンとして自然な行為でしょうが、品性に欠けすぎなきらいがありますね。
    ヤヤの誕生日祝ってくれなかった騒動然り、ライオラのバロテッリ関連然り、イカルディの妻に至っては失笑ものでした。
    メンデスさんあたりは比較的紳士的な部類でしょうか。彼の顧客は高すぎるという点は気になりますが。

  10. makoto より:

    nyonsukeさん>
    あまり試合を観てらっしゃらない方もいるように見受けられます。日本で書き続けるというハンディキャップがあるなかでも、ここまでは観た・調べた・考えたという気概が感じられる記事が増えるといいですね。

    シティふぁんさん>
    勇気いりますよね。最近は、代理人がキャリアカウンセラーのごとく選手に付いているケースも多いので、危険なゾーンまで口を出す方が増えているように思います。

    ガナユさん>
    そうですね。ヤヤ・トゥレも、自ら訂正・反論するべきものについては動いたほうがいいのではないかと思います。

    リバサポさん>
    監督は、選手の代理人には相当な動機がなければ会わないのではないでしょうか。ウチの選手を出せ、といわれても出すとも出さないともいえませんし。

    トトさん>
    そうですね。セルク氏がメディアを使ったので、監督とメディア両方に話す必要が生じてしまいましたが。

    queenさん>
    品性もそうですが、フェアウェイとOBゾーンの切り分けも微妙になっているように思います。セルク氏の発言は、クライアントが契約する企業自体の批判と、企業の事業運営手法批判の両方になってしまっています。

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