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長期的なヴィジョンと強化プランを共有できず…ブライトンがロベルト・デ・ゼルビの退任を発表!

「今のところは、ノーだ。われわれは合意に至っていない。契約は将来の一部に過ぎない。私にとっても、みんなにとっても大事だけど、それは小さなパーツだね。大きいのはプランだ。契約云々ではなく、別な方法がある。同じプラン、目標、将来のヴィジョンを見出すこと。トニー(・ブルーム)と話して、彼のプランを理解したい。そうすれば何の問題もなく、一緒に決断を下せる」

ブライトンを率いるロベルト・デ・ゼルビ監督が、来季について「何も決まっていない」と語ったのは、3月末のリヴァプール戦を控えたプレスカンファレンスでした。5月の上旬には、「ブライトンに残りたい。この街とクラブ、選手たち、ファンを愛している」とコメント。クラブに長期的なヴィジョンと強化プランがあれば、喜んで新たな契約書にサインしていたはずです。

しかし昨日、サウスコーストのクラブは、デ・ゼルビ監督の今季限りの退任を発表しました。グレアム・ポッターの後を継いだのは、2022年9月。ルイス・ダンク、マック・アリスター、カイセド、パスカル・グロス、三笘薫、ソリー・マーチらにコンパクトな陣形とハイテンポなパスワークをインストールした指揮官は、プレミアリーグ6位という快挙を成し遂げました。

クラブ創設123年めにして、初めてのヨーロッパリーグ出場。しかし2年めが始まる前にマック・アリスターとカイセドを抜かれ、シーズンが始まると大量の負傷者に悩まされました。序盤戦でランプティ、エンシーソ、エストゥピニャン、ヒンシェルウッドを失うと、ソリー・マーチ、ミルナー、三笘薫、エヴァン・ファーガソンが次々とシーズンアウトとなってしまいました。

デ・ゼルビ退団をいち早く報じた「スカイスポーツ」は、ブライトンが低迷した最大の要因は三笘薫の離脱だったといっています。90分あたりのデュエル9.5回はリーグ4位、ボックス内への侵入2.5回は5位、ドリブル成功3.0回は4位。左サイドを制圧するウインガーが2試合しか出場しなかった後半戦は、4勝6分8敗でわずか17ゴールと攻撃力が大幅にダウンしています。

それでもプレミアリーグは10位に踏ん張り、ヨーロッパリーグはノックアウトラウンドに進出。ラウンド16のローマには2試合トータルで4-1と完敗でしたが、夏のマーケットで押さえたダフード、イゴール、アンス・ファティが空回りする厳しい状況のなかで、チームの力を出し切ったと胸を張れるのではないでしょうか。

「ブライトンを去るのはとても悲しいけど、この歴史的な2シーズンに、クラブのみなさんと素晴らしいファンのサポートを得ながら、選手とスタッフとともに成し遂げたことを誇りに思う。それぞれの仕事に関する価値観、アイデア、ヴィジョンに従って最適な形で仕事を続けるために、ブライトンでの時間を終えることに合意した」(ロベルト・デ・ゼルビ)

「安く買って高く売る」。中小クラブのビジネスを継続するしかないトニー・ブルームオーナーと、選手層を厚くしてチームを進化させたい指揮官の話し合いは、相容れなかったようです。「ブライトンの後任の本命はイプスウィッチのキーラン・マッケンナ」と報じた「テレグラフ」は、デ・ゼルビの次の仕事はバイエルン、ユーヴェ、バルサのいずれかとレポートしています。

求心力がある監督の退任がトリガーとなり、主力が大量に離脱する可能性があるといわれていますが、三笘薫はステップアップをめざすのでしょうか。エキサイティングなフットボールでビッグクラブを次々と撃破し、プレミアリーグを盛り上げてくれた若き指揮官に、あらためて拍手を送りたいと思います。


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