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「アールネー・スロット!ララーラーララ」…リヴァプールが新監督就任を正式発表!今さらですが。

「アールネー・スロット!ララーラーララ」。全力でチャントを叫んだのは、ユルゲン・クロップ。プレミアリーグの最終節を終えた後のセレモニーで、アンフィールドのサポーターに感謝の気持ちを伝えたレジェンドは、「私を歓迎してくれたように、新しい監督を歓迎してください」というと、突如歌い出しました。

正式なアナウンスはまだなのに…!新監督がサインする前に、前任者が大勢のサポーターの前でバラしてしまうのは前代未聞です。ご本人のほうも脇が甘く、フェイエノールトとともに戦っている最中に「リヴァプールに行きたい」と発言。意中のクラブがトッテナムに2-0で快勝した後の会見では、「数週間のうちに発表がある」とぶっちゃけてしまいました。

「昨年はトッテナムを断ったけど、今度は別な選択をすると思う」。何人かがノーといった後に話がまわってきたと噂されていたポステコグルー監督にしてみれば、今さら「自分が先だった」といわれるのは完全なるもらい事故です。無邪気すぎないか?アルネ・スロット。どこまで書いていいのやらとモヤモヤしていると、ようやくクラブ公式サイトから発表がありました。

労働許可証の発行を経て、契約が発動するのは2024年6月1日。現地メディアは3年と伝えています。正式な肩書きはマネージャーではなく、ヘッドコーチ。マイケル・エドワーズをCEOとして復帰させたリヴァプールは、その直下にリチャード・ヒューズSDを配する新体制のなかで、現場のトップの役割を明確にするべく呼称を変えています。

就任が決まる前から、人物像や戦術を伝える記事は出尽くした感がありますが、45歳のオランダ人指揮官の経歴をおさらいしましょう。ズヴォレ、NACブレダ、スパルタでMFとしてプレイした後、2014年に指導者としてのキャリアをスタート。カンブールでアシスタントコーチを2年努め、2016年に監督デビューを果たすと、その翌年にはAZアルクマールに居場所を変えています。

ファン・デン・ブロム監督のアシスタントを経て、指揮官に指名されたのは2019年7月。2019-20シーズンは、25節まで首位アヤックスと並ぶ2位だったのですが、コロナウイルスによるパンデミックでリーグは打ち切りとなってしまいました。優勝をめざした翌シーズンは、開幕から5ヵ月も経たないうちに、あえなく解任。その理由は「チームに集中していなかったから」です。

AZを追い出された10日後に、2021-22シーズンからフェイエノールトで指揮を執るという発表がありました。在任中に新たなクラブに夢中になる悪いクセは、今回のリヴァプールが初めてではないようです。ロッテルダムの初年度のエールディヴィジは3位ながら、ヨーロッパカンファレンスリーグで準優勝。2022-23シーズンには、リーグ制覇を果たしています。

2023-24シーズンは開幕のつまずきを取り返せず、PSVに次ぐ2位。CLはグループステージ3位でELにまわり、ローマとのラウンド16はPK戦で敗退となりました。4-3-3と4-2-3-1の併用とハイプレスは、クロップ監督との共通項。アグレッシブなウインガーと攻守の切り替えが速いMFが揃う今のレッズなら、スムーズにシフトできそうです。

「彼の哲学は、支配的なプレースタイル。後方の適切なビルドアップからスペースを見つけ、グッドプレ―ヤーをいいポジションに配して才能と資質を引き出す。豊富なインテンシティとプレッシングも特徴といえる。クロップもエネルギーに溢れ、アグレッシブで良質なフットボールだった。アンフィールド・ロードの人々は、いいフットボールを見ることができるだろう」

オランダでスロットのアシスタントを5年努めたシャフタール・ドネツクのマリノ・プシッチ監督は、「テレグラフ」のラムゼイ・ホジソン記者のインタビューを受け、「彼と契約したリヴァプールは、素晴らしい仕事をした。完璧にフィットするよ」と絶賛しています。来季のアンフィールドには、あのチャントが響き渡るのでしょうか。「アールネー・スロット!ララーラーララ」


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