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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

実はライバルはひとりだった…FAカップ制覇で空気を変えたテン・ハフ監督、留任決定までの軌跡。

「オリースはチェルシーか…」。昨日の朝、ロンドンのメディアの「個人条件合意」という記事を読みながら、確認したいことがあって「テレグラフ」を見ると、「エリック・テン・ハフはマンチェスター・ユナイテッドに留任。新契約の交渉中」という見出しが目に留まりました。事実なら、あっちも載せているだろうと「BBC」を開くと、フットボールカテゴリーのTOPニュースです。

「アスレティック」も、最大のトピックスとして扱っています。「ユナイテッドは、オーナーシップ変更後の最初のシーズンを徹底的に評価するには、2週間という期間は不合理な長さではないと考えていた」。経緯を伝える「BBC」のサイモン・ストーン記者の言葉には、「トゥヘルやポチェッティーノの名前が出なければ、そのとおりですね」とツッコミを入れたくなります。

かくいう私も、ポチェッティーノ招聘を推していたひとりです。複数の選手が不振に陥ったのは指揮官の責任でもあり、負傷者の多発を理由に酌量すべきではないと考えていたのです。しかしその一方で、「彼はイビサ島でのバカンスを楽しめているのだろうか」と気になっていました。トロフィーを獲得してから2週間以上も待たされるとは、思っていなかったでしょう。

サー・ジム・ラトクリフとINEOSのサー・デイブ・ブレイルスフォードSDにしてみれば、「あらゆる可能性を検討するために、候補者の考え方も聞いておくべき」だったのでしょう。その正論は、メディアを通すと、「本命はサウスゲートで、続投の可能性も残されている」などと興味をそそるように変換されます。当事者にとっては、苛立ちが募る記事ばかりです。

クラブの検討経緯は定かではありませんが、サイモン・ストーン記者は「トーマス・トゥヘルは、サー・ラトクリフと話した後、自ら降りた」「ポチェッティーノに対するクラブの関心は冷めていた」「ブレントフォードにトーマス・フランクに関する連絡はなかった」「サウスゲートは、イングランド代表での仕事があり、招聘は不可能だった」とレポートしています。

指揮官が残留に至るまでの内幕をレポートした「アスレティック」のローリー・ウィットウェル記者とアダム・クラフトン記者によると、経営ボードは5月14日に解任という結論を出していたそうです。FAカップ準決勝でコヴァントリーに敗戦寸前に追い込まれた後、クリスタル・パレスに4-0で惨敗。戦術は浸透しておらず、一部の選手との亀裂は修復不可能と見做されていました。

そんななかで、最強の王者を倒したFAカップファイナルは、すべてを変える超絶ターニングポイント。賛否がイーブンだったサポーターは、75%以上が留任を唱えるようになり、経営ボードも既定路線の見直しを図る機運が高まりました。結果的に唯一のライバルだったトゥヘルが降りた瞬間、自らの進退を賭けた最大のギャンブルに勝った指揮官の生き残りが決まりました。

マンチェスター・ユナイテッドは、契約を2年延長して2027年までとする書面を用意しているようです。来季以降の指揮官が決まったのは喜ばしいことですが、それはゴールではなくスタート。新体制の経営ボードは、目の前にあるさまざまな課題をクリアしなければなりません。ダン・アシュワースSDとジェイソン・ウィルコックTDの着任が、すべての始まりです。

カゼミーロ、サンチョ、アムラバトはどうなるのか。アントニーは残すのか。CB、中盤センター、前線のターゲットは誰なのか。補強に多額の費用をかけられないなかで、ホイルンド、ガルナチョ、メイヌーのさらなる成長と、ラシュフォードやメイソン・マウントの復活は指揮官に求められるミッションです。

戦力不足に陥って厳しい戦いを強いられたシーズンの結末を引いた目線で見れば、ジョン・マータフSDが責任を取って指揮官は残留という処遇は適切でしょう。決まったからには、全力で応援したいと思います。2024-25シーズンは、プレミアリーグのTOP4返り咲きと3年連続となるトロフィーを!


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