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31歳はプレミアリーグ史上最年少!ブライトンはなぜ、無名のヒュルツェラーに未来を託したのか?

ブライトンが選んだ新たな指揮官は、プレミアリーグ史上最年少の31歳です。ファビアン・ヒュルツェラーという名前を聞いて、ザンクト・パウリとリアクションできるプレミアリーグファンは、ほとんどいないでしょう。ブンデスリーガ2部で14位だったクラブを率いて、2年めにトップリーグ昇格に導いたのが唯一の実績です。

テキサス州ヒューストン生まれで、父親はスイス人、母親がドイツ人。15歳からバイエルンのユースに所属し、ドイツのユース代表でMFとして22戦に出場しています。19歳でプロデビューすると、ホッフェンハイムと1860ミュンヘンのリザーブチームでプレイしただけで、23歳で引退。2016年にプレーイングマネージャーとして入団したピピンスリードは、アマチュアのクラブです。

就任初年度にバイエルン・レギオナルリーガ(4部)に昇格させるも、2018-19シーズンにバイエルンリーガ・ズュート(5部)に降格。ドイツU20代表とU18代表のアシスタントマネージャーとのかけ持ちが、うまくいかなかったのでしょうか。ティモ・シュルツ監督率いるザンクト・パウリのアシスタントマネージャーに就任したのは、2020年の夏でした。

プロの監督として初めて指揮を執ったのは、シュルツ解任の後を受けた2022年12月。当初の肩書きは暫定監督でした。彼の運命を変えたのは、就任直後からの10連勝です。クリーンシート7回の快進撃は、ブンデスリーガ2部史上2番めの連勝記録でした。2023年4月に監督のライセンスを取得したヒュルツェラーは、15位だったチームを5位に引き上げ、勝負の2年めを迎えています。

2023-24シーズンは、開幕から20戦連続無敗で首位を快走。28節からの連敗で2位に落ちたものの、ラスト5戦を4勝1敗として、ホルスタイン・キール に1ポイント差でトロフィーを獲得しました。ザンクト・パウリで36勝12分7敗。プロの監督としてのキャリアはこれだけで、トップリーグの経験は全くありません

プレミアリーグの最年少監督の記録をチェックしてみると、29歳312日で就任したトッテナムのライアン・メイソンは暫定監督。フルタイムとなると、2003年にフラムのオファーを受けたクリス・コールマンの32歳313日がこれまでのレコードでした。彼は4年めに解任されてしまったものの、最初の3シーズンを9位、13位、12位はまずまずの結果といえるでしょう。

3ヵ国のパスポートを持つ指揮官の経歴を見る限りでは、ブライトンの選択は刺激的なギャンブルに見えます。彼らはなぜ、ヒュルツェラーに未来を託したのでしょうか。33歳のウェルベックとパスカル・グロス、32歳のルイス・ダンクとフェルトマンは同世代といえますが、38歳のミルナーは7つも年上です。

「BBC」のサイモン・ストーン記者は「前任のデ・ゼルビやグレアム・ポッターと同じようなスタイル」と評し、今のブライトンにとって適任とレポート。「スカイスポーツ」のウィリアム・ビティビリ記者も「取り組む姿勢がデ・ゼルビと似ており、サウスコーストのクラブが過去に選んだ監督のプロフィールにも合致している」といっています。

若き指揮官が3-4-3を持ち込むなら、左サイドは三笘薫とエストゥピニャン、右はアディングラとソリー・マーチが絡んでボックスの両サイドを切り崩すのでしょう。新生ブライトンの船出は、7月下旬に開催される鹿島アントラーズと東京ヴェルディとのフレンドリーマッチ。ザンクト・パウリのファングループの会長は「こんなに楽しいフットボールは他にない」といっています。


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