イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

祝★契約延長!戦術に必要な選手を育て、アーセナルを復活させたミケル・アルテタの最大の強みは?

プレミアリーグ2019-20シーズンは、14勝14分10敗で8位。前年の73から激減した56ゴールは、5位のレスターより11も少なく、48失点はシェフィールド・ユナイテッドを9つ上回っていました。しかし昨季は最終節まで優勝を争い、28勝5分5敗で2位。プレミアリーグ創設以来のクラブレコードとなる91ゴールをゲットし、29失点はリーグ最少でした。

ウナイ・エメリの解任でカオスに陥っていたアーセナルを復活させ、黄金時代を築こうとしているミケル・アルテタ監督の契約延長が決まりました。45歳になるまでの3年契約。「MIKEL SIGNS!」というシンプルな見出しでマネージャーの決断を伝えた公式サイトは、チームの強化に欠かせないスポーツディレクターの喜びの声も届けています。

「ミケルが新たな長期契約にサインしたことをうれしく思う。全員にとってポジティブで誇らしい瞬間であり、ともにめざしていることにおける重要なパートだ。ミケルは初日から、監督としてだけでなく、人間として素晴らしい価値観と資質を示してくれた。新しい契約は、新たな高みをめざすわれわれに安定と明確な方向性を与えてくれる」(エドゥ・ガスパール)

「とても誇らしく、興奮している。今の自分と、クラブのみなさんとの関係を誇りに思う。野心がある素晴らしい人たちと毎日仕事ができるのは、とても幸運だと思う。いつも刺激を受けており、やりがいもあってサポートされていると感じている。選手たちやクラブのみんなと一緒に、チームを感動的に変えてくれたサポーターとともに進む今後の数年を楽しみにしている」(ミケル・アルテタ)

5年前のプレミアリーグでは56ポイントしか得られなかったチームは、61、69、84、91と順調にポイントを伸ばしています。61だったゴールが88に激増したのは、サカ、マルティネッリ、ウーデゴーアが決めまくった2022-23シーズン。デクラン・ライスが中盤に安定をもたらした昨シーズンは、43だった失点を29まで減らしました

エドゥSDとタッグを組んだ若き指揮官の功績を列挙してみましょう。ピッチの上では、ときに4人のCBが並ぶ堅牢な最終ライン、中盤に厚みをもたらす偽SB、機能的なプレス、左右の戦術が異なるサイドアタック、リーグNo.1のセットピース。選手の育成はかなりアクロバティックで、今では右のウイングが当たり前のブカヨ・サカは、彼の就任時は真逆の左SBでした。

パスワークに長けたCBだったはずのベン・ホワイトは、右サイドを獰猛に攻めるSBにモデルチェンジ。同じくCBだった冨安健洋は、フルバックコンバートからの偽SBという二段階ギアチェンジを成し遂げました。ティンバーとキヴィオルもCB、SB、偽SBをこなしており、今季はカラフィオーリが「アルテタ式DF」に仕立てられるはずです。

デクラン・ライスをアンカーに配すると、いつの間にかサカの脇にいて、左のインサイドをまかせても当然のように右サイドに出没します。「前線ならどこでもOK」は少なくありませんが、「マジのセンターフォワードとインサイドMFを両方こなせる選手」が複数いるチームはレアでしょう。カイ・ハヴェルツとトロサールは、試合中にミッションが変わってもOKです。

「アルテタ監督の最大の強みは?」という問いを拡散したら、多様な回答が寄せられるでしょう。私の解は「信じさせる力」。トランスファーマーケットでは、エドゥSDとの2トップで口説かれて、アーセナルひと筋になる選手が後を絶ちません。近年の「アルテタ教」の筆頭は、冬に洗脳されて7月に入団したデクラン・ライス。今年の夏も、新たに2名が入信しています。

カラフィオーリとミケル・メリノは、あれだけ待たされたのに浮気ゼロのポール・トゥ・ウィン…!両者ともに、指揮官が探し求めていた条件にぴったりです。ベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリの「4CB」と、デクラン・ライス、ウーデゴーア、ミケル・メリノの中盤は、アルテタ戦術の完成形といえるのではないでしょうか。

いよいよ日曜日は、ノースロンドンダービー。来週はエティハドでマン・シティです。ペップとともに戦ったから今がある指揮官は、ぺップさえいなければ既に戴冠を果たしていたでしょう。主力の度重なるリタイアという苦境を乗り越え、ビッグタイトルに近づけるでしょうか。そうでした。ひとついい忘れていました。グーナーのみなさん、ボスの契約延長、よかったですね!


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す