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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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選手たちはマレスカ大好き…レスターで苦闘のスティーヴ・クーパー、わずか157日で解任。

プレミアリーグ12節を終えて、2勝4分6敗の16位。ビッグ6との4試合とアストン・ヴィラ戦を除けば2勝3分2敗で、新任の監督が責任を問われるほどの惨状ではありません。チェルシーに1-2で敗れた後、ウェールズのレクサムにある実家に帰っていたスティーヴ・クーパーは、日曜日の午後にジョン・ラドキンFDから解任を告げられ、驚愕したと伝えられています。

招かれざる客。レスターの監督は、火中の栗を拾うような仕事だったといわざるをえません。2022-23シーズンの降格を今でも許していないサポーターたちは、クーパー就任に納得しておらず、ブレンダン・ロジャースを引っ張りすぎたと悔いている経営ボードは、4戦連続勝利なしという直近の戦績に浮足立ってしまったようです。「早く動かないと、失敗を繰り返す」と。

1分3敗は厳しいといわれれば、うなずくしかありません。しかし、敗れた相手は好調のノッティンガム・フォレスト、ファン・ニステルローイの下でテンションが上がったマンチェスター・ユナイテッド、優勝争いに食い込もうとしているチェルシーです。ボーンマスとセインツに連勝してから、結果が出ない試合が4つ続いただけでアウトのほうが厳しいというべきでしょう。

「アスレティック」のロブ・タナー記者によると、レスターの選手たちはチェルシー戦の直後にコペンハーゲンに向かったそうです。プレミアリーグ制覇を遂げた2015年に始まったデンマークでのクリスマスパーティーは、毎年恒例となっています。当地のナイトクラブ「ムセオ」で撮影された写真には、コーディーやハリー・ウィンクスの姿があり、「Enzo I miss you」と書かれたプラカードも映り込んでいました。

ヴェステルゴーア、リカルド・ペレイラ、ハリー・ウィンクスなど、エンツォ・マレスカに重用されていた選手は、ペップの薫陶を受けた前監督のパスサッカーを懐かしんでいるようです。自由度が高いクーパーの戦術になじめない選手は、今度のボスは人格者だと認めながらも、ストレスを溜めていたと伝えられています。

サポーターは不満、経営ボードは憶病、選手たちは疑心暗鬼。ついぞ味方を得られず、わずか157日で解任の憂き目に遭った44歳の指揮官は、チャレンジすべきではなかったのでしょうか。エンツォ・マレスカがチェルシーのオファーを受けてから、レスターに打診された監督の多くは、PSR違反によるポイント剥奪のリスクがある仕事に難色を示したといわれています。

サポーターに支持されていたノッティンガム・フォレストを追われたのは、昨年の12月。ダメージが大きかったクーパーは、マネジメント哲学の講義を受けたり、自らの足跡を振り返ったりしながら、次なるステップを模索していたそうです。リベンジの場を求めていたところに、レスターのアプローチ。当時の彼に、断るという選択肢はなかったのでしょう。

現地メディアは、次なる監督の候補を挙げています。ファン・ニステルローイは「自由度が高くて、いい人」ですが、大丈夫でしょうか。クラシックなデヴィッド・モイーズは、クーパーよりも現場を困惑させるでしょう。グレアム・ポッターは夏に交渉決裂。フリーの監督のリストには、マレスカを上回る戦術家もクーパー以上のモチベーターも見当たりません。


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