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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ようやく新オーナーが決定!エヴァートンの降格を阻止したショーン・ダイク、今や守備力はリーグNo.1?

フランク・ランパードを解任したエヴァートンが、ショーン・ダイクを招聘したのは2023年1月30日。直前まで1分6敗という絶不調で19位に沈んでいた古豪は、プレミアリーグ創設から1度も降格したことがなく、残留は必須のミッションです。初陣のアーセナル戦を1-0で制した新指揮官は、チェルシー戦とトッテナム戦をドローで切り抜け、18位レスターに2ポイント差で苦境を脱しました

2年半の契約を結んだ指揮官にとって、最初のシーズンの目標達成は新たな苦難の始まりでした。コロナ禍の影響で積み上げた負債が厳しく、新戦力獲得の予算を確保できなかったエヴァートンは、アシュリー・ヤング、シェルミティ、ベトという貧弱な補強で新シーズンに臨んでいます。開幕からの7試合は1勝1分5敗。16位に留まっていたのは、昇格組が軒並み不振だったからです。

守備重視の戦い方をインストールしたショーン・ダイク監督は、8節から3勝1分1敗とチームを立て直したのですが、11月のインターナショナルブレイクに新たな試練を課されました。PSD違反による10ポイントの剥奪。14位から19位に転落した直後に、4戦連続のクリーンシートで4連勝を遂げ、一気にペナルティを吹き飛ばしたのが後の残留につながりました。

年末のトッテナム戦を2-1で落としてから、3月のボーンマス戦の2-1敗戦まで13戦連続で勝利なし。エースのカルヴァート=ルーウィンは18戦連続ノーゴールという絶不調に陥っていました。この間、わずか8ゴール。攻撃のアイデアは乏しい指揮官にとって最大のピンチでしたが、11月に喰らった10ポイントのマイナスが6ポイントに軽減され、何とか16位で踏み止まっています。

その後、さらなるPSR違反で2ポイントを減らされたものの、4月末から4勝1分1敗で15位フィニッシュ。シュルミティとベトを足しても3ゴールで、スパーズからレンタルのダンジュマは空転し、新戦力で活躍したといえるのはリーズからローン移籍のジャック・ハリソンのみでした。ファルハド・モシリの失政のダメージを最小限に留めた指揮官を、救世主と呼んでも大げさではありません。

1888年に創立した世界最古のフットボールリーグに参加した名門を、崩壊寸前に追い込んでしまったオーナーは、売却の交渉も不調続きでした。2023年9月にスタートした777パートナーズとの交渉は平行線となり、6月に破談。2年連続のPSR違反を回避しなければならないクラブは、アマドゥ・オナナ、ドビン、ゴドフリーの売却で7000万ポンドを調達して急場をしのぎました。

その後、ローマやカンヌを所有するフリードキングループが独占交渉権を得たと報じられましたが、こちらも7月にジ・エンド。夏の補強はオブライエン、エンドゥアイエ、イロエグブナムに総額4000万ポンドで、マンガラとリンドストロームはローンです。今季もショーン・ダイクの守備戦術頼みとなったエヴァートンは、開幕から4戦全敗&12失点という最悪のスタートでした。

今度こそ降格かと思いきや、レスターに1-1で引き分けてからは3勝7分2敗と健闘しています。12試合で8失点の堅守は、いかにもショーン・ダイク。11月のウェストハム戦以降の6試合は、アマド・ディアロにやられたマンチェスター・ユナイテッド戦で4失点を喫しただけで、アーセナル戦とチェルシー戦を含む5試合はクリーンシートです。

守備の立て直しのキーマンは、常に体を張り続ける主将のタルコフスキー、負傷が癒えたブランスウェイト、復調したドゥクレ、フィット感を高めたマンガラでしょう。7試合連続で前線のゴールがゼロという状況でも、1勝4分2敗で踏ん張っており、ボクシングデーのマンチェスター・シティ戦でもポイントをゲットできるかもしれません。

苦闘を続けていたクラブに朗報が届いたのは12月19日。買収を諦めていなかったフリードキン・グループが、正式に新オーナーとして承認されました。彼らが取得した過半数の株式の総額は4億ポンド(約793億円)。今季も残留に辿り着ければ、ブラムリー・ムーア・ドックに移転する来季は、反攻開始のシーズンとなるでしょう。

18位ウルヴスと4ポイント差は安心できる状況ではありませんが、最終ラインの主力から負傷者が出なければ、過去2シーズンと同じような着地を実現できるのではないでしょうか。目下の興味は、リーディングスコアラーが3ゴールのドワイト・マクニールという専守防衛のチームが、不振に陥っている昨季王者とのアウェイゲームでゴールを決められるかどうかです。


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