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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マン・ユナイテッドに足りないのは…チームの団結力を高めるエディ・ハウとアルテタのマネジメント。

オールド・トラフォードで0-2。45年ぶりのホーム3連敗という屈辱的な記録を回避したいマンチェスター・ユナイテッドは、前半の追加タイムに望外のチャンスを迎えました。敵陣ボックス手前で、シェアのミスパスをカットしたのはメイヌー。右にいたホイルンドの前にはダン・バーンがいて、左のカゼミーロはフリーでした。

カゼミーロに打たせると決めたメイヌーは、右に持ってシェアを引きつけ、ここというタイミングでラストパスを通しました。ボールがやや後ろに出たからか、右足のダイレクトショットはファーポストの外。ビッグチャンスを逃したベテランは、13歳も年下のMFに両手を突き出して抗議しています。もっと前に出せといいたかったのでしょうか。

自らのミスタッチを他責にする姿に、マンチェスター・ユナイテッドがうまくいっていない理由を垣間見たような気がしました。直接打たずにトラップしたとしても、トリッピアーとシェアは間に合わなかったでしょう。何が足りなかったのか、どうすればうまくいくのかを自分事として考えなければ、次もまた同じような後悔を繰り返すことになります。

この日のニューカッスルは、自信に満ち溢れた素晴らしいチームでした。彼らについては、以前から大きな疑問がありました。アレクサンダル・イサクとブルーノ・ギマランイスは、なぜ移籍しないのか。アーセナルやチェルシーが獲得を熱望と伝えられていたストライカーも、マン・シティが最有力候補といわれていたセントラルMFも、ここにいたいと明言しています。

「移籍の噂について、シーズン中にコメントしたことはない。これまでも、そういう話は何度もあったけどね。ニューカッスルで問題はない。クラブでの仕事に集中し、素晴らしいシーズンを過ごそうとしている。そのためのチャンスは充分にあり、それ以外のことは考えていない。自分に関する話の多くは事実ではない。今、いえるのはそれだけだ」(アレクサンデル・イサク)

「ニューカッスルでプレイし、キャプテンでいられるのは素晴らしいこと。僕はこのクラブがとても好きなんだ。マンチェスター・シティが興味を持ってくれたのは知っている。グアルディオラが僕のフットボールを気に入ってくれていることもね。一度、話したことがある。彼の仕事を称えたら、僕の仕事をほめてくれた。でも、それで終わりだ」(ブルーノ・ギマランイス)

彼らのみならず、ニューカッスルの選手たちがクラブへの愛情が深いのは、情熱的なサポーターと指揮官、スタッフのお手柄でしょう。「アスレティック」のリアム・ターメ記者によると、エディ・ハウ監督は感情的なコミュニケーションを避けており、冷静で分析的なアプローチを続ければ選手の理解が得られると信じているそうです。

全員で行うミーティングはオープンな場で、個々の選手とも密に話し合いが重ねられています。選手たちだけでの話し合いも推奨されており、ドレッシングルームは団結しているとのこと。ポジティブで性格がいい選手が多く、心理的安全性が担保されているのも、ずっとここにいたいと感じさせる理由のひとつだといいます。

この話に触れて、グエンドゥージやオーバメヤンをスカッドから外した監督を思い出しました。ミケル・アルテタが就任してからのアーセナルも、個々の自律や責任感、コミットメントを大事にするチームです。こちらはおそらく、採用も含めて改革を進めたのでしょう。選手の獲得時に、キャラクターや考え方、チームプレー志向の有無までリサーチしているはずです。

ここ数年の若手シフトとともに、「学級委員長タイプ」が急増した感があります。アルテタ監督もまた、個別の会話が多く、悩んでいる選手や負傷が長引いている選手のフォローも細やかに行っています。今のアーセナルで、「出番が少ない」「交代は納得できない」といった苛立ちを露わにするのは、プレミアリーグで全試合出場なのにもっと出たがるトロサールぐらいでしょう。

今のマンチェスター・ユナイテッドは、ドレッシングルームの改革から着手する必要がありそうです。エディ・ハウの最初のシーズンは11位で、アルテタは2シーズン連続で8位でした。時間がかかるのかもしれませんが、就任早々にラシュフォードとガルナチョの姿勢を咎めたルーベン・アモリムを信じて、抜本的な改革をじっくり進めてもらったほうがいいのかもしれません。

現在のスカッドで大事にすべき人材は、ブルーノ・フェルナンデス、アマド・ディアロ、マズラウィ、ホイルンド、オナナ、ウガルテ、レニー・ヨロ、リサンドロ・マルティネス、ジョニー・エヴァンス、ヒートンといったところでしょうか。目先の勝ち負けも大事ですが、それに振り回されることなく、長期的な視座で立て直しを進めていただければと切に願っています。


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