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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

たった4日で国内カップ制覇の希望は消滅…ポステコグルー監督が解任を回避するための4つの条件。

ファイナルにあと1歩まで迫ったカラバオカップは、準決勝セカンドレグのアンフィールドで4‐0の完敗。FAカップ4回戦は、アストン・ヴィラに2‐1で敗れました。シュート、パス、チャンスメイクのすべての指標で劣っていたヴィラパークの一戦は、力負けといっていいでしょう。アンジェ・ポステコグルーは、着実に出口に近づいているように見えます。

マンチェスター・シティをエティハドで撃破したのは、11月24日。0‐4で圧勝したこの試合は、クリスティアン・ロメロを失った最初の試合であり、グリエルモ・ヴィカーリオがゴールマウスに君臨した最後の試合でした。ファン・デ・フェンとロメロは、12月のチェルシー戦で復帰したのですが、両者ともにこの試合で負傷リタイアとなり、その後はピッチに立っていません。

昨季プレミアリーグ王者に勝った後、プレミアリーグは2勝2分8敗。不振の最大の要因が守備であることは、12試合で24失点という数字を見れば明白です。レギュラーのCBコンビと絶対的守護神に加えて、アンジェボールに欠かせないウドジェも離脱しており、ドラクシンは前十字靭帯損傷でシーズンアウトとなってしまいました。

ランスのCBケヴィン・ダンソを獲得したのは2月2日。12月にはアーチー・グレイとドラクシン頼みとなっていたのに、なぜすぐに動かなかったのでしょうか。3週間前に即戦力のCBを獲得していれば、エヴァートン戦とレスター戦を落とさずに済んだかもしれません。サポーターの怒りがダニエル・レヴィ会長に向かうのは当然でしょう。

前線も、ヴェルナー、ブレナン・ジョンソン、ソランケ、ジェームズ・マディソンが次々にアウト。年明けのノースロンドンダービーで復活したリシャルリソンも、カラバオカップのリヴァプール戦でふくらはぎを痛めてしまいました。ボクシングデー以降のリーグ戦7試合で9ゴールとペースダウンした攻撃陣も、しばらくは苦しいやりくりが続きそうです。

プレミアリーグは14位で、7位ボーンマスとの差は13ポイント。欧州へのメインのルートは閉ざされたといっても、過言ではないでしょう。来季の欧州への希望をつないでいた国内カップは、4日間で2つとも失ってしまいました。トロフィーの輪郭が視界から消えた今、現地メディアは「指揮官への風当たりが強くなるのは避けられない」と報じています。

FAカップを落とした指揮官は、選手たちに2日間の休養を与え、リフレッシュさせようとしています。スパーズの現状を伝えた「テレグラフ」のマット・ロー記者は、「ダニエル・レヴィ会長と経営ボードは、ポステコグルーが直面している困難に理解を示し、彼の将来に関する性急な決断を控えていた」としつつ、指揮官の運命を好転させるための3つのポイントを挙げています。

最初の条件は至極真っ当で、「主力の復帰とともに戦績を向上させること」。2つめは、最後の希望となったヨーロッパリーグで勝ち進むことです。3月のラウンド16の相手は、レアル・ソシエダ、ガラタサライ、AZアルクマール、ミッティランのいずれかで、開幕前に優勝候補と目されていたチームなら必勝です。「テレグラフ」の記者は、「最低でもベスト4」といっています。

悲願のトロフィーとCL出場権をセットで獲得すれば、これまでの苦難がチャラになるどころではなく、英雄という言葉が刻まれた銅像が建つかもしれません。最後のひとつは、サポーターを団結させること。「Levy Out」のバナーが掲げられている現状で、指揮官をバッサリ切れば返り血を浴びるとわかっている会長も、「Ange Out」が増えたら動く可能性が高まります。

ここにもうひとつ付け加えたいのは、「選手たちの支持を得ること」。マット・ロー記者によると、ポステコグルー監督は言葉の魔術師で、ジェームズ・マディソン、ソランケ、アーチー・グレイ、ベルヴァルを直接口説き落としています。最新の「被害者」は、スパーズ移籍を拒否していたマティス・テル。ミュンヘンに飛ぶことなく、1本の長電話で翻意させてしまったそうです。

指揮官の下でまとまっていたチームは、敗戦が続いてもロッカールームの悪い噂は聞こえてきませんでした。しかし最近の試合を見ると、選手たちのストレスが溜まっているのは明確で、中盤と最終ラインのラフプレーと不要なカードが目立っています。彼らの関係に亀裂が生じれば、経営ボードは待ったなしで対処するはずです。

ファン・デ・フェン、ロメロ、ウドジェ、ジェームズ・マディソンは、2月中に戻ってくるといわれています。春になれば、エキサイティングなアンジェボールは新装開店となるのでしょうか。ヨーロッパリーグの決勝が、「マンチェスター・ユナイテッドVSトッテナムのプレミアリーグ絶不調対決」となったら大いに盛り上がります。勝てば王者、負ければただの下位チーム…!


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