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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

決して不遇ではないけれど…戦力不足のレスターで苦しむファン・ニステルローイに思うこと。

12月1日のエヴァートン戦を4-0で快勝してから、オールド・トラフォードのプレミアリーグで1勝5敗。救世主になると期待されていたルーベン・アモリムが、これほどひどい状態に陥るとは想像できませんでした。就任した当初、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターの多くは、開幕から14勝1分と圧倒的な強さを見せていたスポルティングCPの指揮官に好意的でした。

ただしその頃は、前任のエリック・テン・ハフと戦術が大きく異なることに懸念を示す声もありました。4-2-3-1から3‐4‐2‐1のハードランディングをシーズンの途中に敢行すると、チームは混乱するのではないか?アモリムを招聘するとしても、シーズンが終わってからのほうがベターと考えるサポーターの多くは、ルート・ファン・ニステルローイの継続を主張していました。

テン・ハフ解任を受けて、暫定監督に昇格したアシスタントマネージャーは、プレミアリーグ、ヨーロッパリーグ、カラバオカップで3勝1分とチームを立て直しました。4試合ともホームゲームだったことを割り引いたとしても、11ゴールを決めたアタックは魅力的で、クラブのレジェンドがトロフィーを掲げる姿を見たいというサポーターは少なくありませんでした。

それから、3ヵ月。アモリムのスタッフとしてチームに残れず、レスターのオファーを受けたファン・ニステルローイは、恐ろしい記録を打ち立ててしまいました。本拠地キングパワーでノーゴールの6連敗は、プレミアリーグ史上初のワーストレコード。フライデーナイトのブレントフォード戦は、32分までにウィサ、エンベウモ、ノアゴーアに次々とゴールを許す0-4の惨敗でした。

あのとき、われわれの目の前にあった二択は、62年ぶりとなるオールド・トラフォードでの3連敗」という悪しき記録を残した監督と、ホームでノーゴールの連敗記録を更新してしまった監督だったということになります。ファン・ニステルローイがマン・ユナイテッドの指揮官として記録した3勝のうち2勝は、「レスターとのホームゲーム」だったことも添えておきましょう。

マンチェスター・ユナイテッドに降臨したアモリムも、レスターで新たなキャリアをスタートしたファン・ニステルローイも、プレミアリーグのホームのデビュー戦は快勝。まずまずの船出だったのですが、選手たちの混乱によって嵐が吹き荒れ、思うように舵を取れなくなってしまいました。就任以来のリーグ戦で4勝3分8敗のアモリムに対して、ファン・ニステルローイは2勝1分10敗です。

2つのクラブの共通項は、戦術をインストールできずにいる指揮官の苦悩だけではありません。ダン・アシュワースSDを解任したマン・ユナイテッドの冬の補強は、レッチェの左SBパトリック・ドルグのみ。最終ラインが脆弱とわかっていながら、右SBのウォヨ・クリバリしか獲らなかったジョン・ラドキンFDは、退団を要求するデモを起こされています。

それぞれのドレッシングルームも、平穏とはいえません。アモリムはラシュフォードを外し、ファン・ニステルローイはブオナノッテと衝突。夏に獲得したオリヴァー・スキップやオドソンヌ・エドゥアールが空転したレスターも、ザークツィー、レニー・ヨロ、デ・リフトがくすぶり気味のマン・ユナイテッドも、個々の強みを活かしているとはいえません

それでもアモリムは、もう1年チャンスを与えられるでしょう。片やファン・ニステルローイは苦い思いを抱えたままで、プレミアリーグに別れを告げるのでしょうか。テン・ハフを支えるためにオールド・トラフォードに戻ってきて、わずか4ヵ月で解任。自らの力を証明する場になるはずだったレスターは、チームに加えたかった腹心のギャラも払えないクラブでした。

とはいえ、選んだのはご本人です。不遇だったというより、転職先の選び方を誤ったというのが妥当でしょう。そうはいっても、あまりにも苦い…。オランダ代表でともに戦ったフランク・デブールは、2017-18シーズンのクリスタル・パレスで開幕から4戦連続ノーゴールの4連敗で解任され、「プレミアリーグ史上最短の正式監督」という記録を保持し続けています。

ファン・ニステルローイも、「レスターで何もできなかった監督」として名を残し、プレミアリーグでのリベンジのチャンスを失ってしまうのかもしれません。現役時代の素晴らしいゴールに絶叫し続けたひとりのファンとして、「2024‐25シーズンのマンチェスター・ユナイテッドで、最も希望を抱かせてくれた監督」として、記憶に留めておこうと思います。

カゼミーロの復活を期待させたカラバオカップのレスター戦は、今となってはいい思い出です。


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