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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プアな補強でポステコグルーを困らせたダニエル・レヴィは、トーマス・フランクをサポートするのか?

「トッテナム・ホットスパーは、トーマス・フランクを新監督に任命するために、ブレントフォードと交渉を開始した。ノースロンドンのクラブは、48時間以内の合意を希望している。51歳のトーマス・フランクは、アンジェ・ポステコグルーが金曜日に退任してから、後任の有力候補として急浮上した。デンマーク人監督との契約条件は既に整っている」(アスレティック/2025年6月9日)

ブレントフォードの指揮官にとって、チャンピオンズリーグに出場できるスパーズは魅力的だったのでしょう。「アスレティック」のデヴィッド・オーンスタイン記者とジェイ・ハリス記者は、「両クラブの関係は良好で、指揮官とバックルームのスタッフを引き抜く補償金は1000万ポンド程度になりそう」と伝えています。

最初の報道から2日後の昨日、「スカイスポーツ」のライアル・トーマス記者とマイケル・ブリッジ記者が「話し合いを経て、合意に近づいている」とレポート。「数人のスタッフの将来が決まっておらず、ノースロンドンに誰が来るかはまだわからない」という状況ですが、スパーズは週末までにすべての手続きを終えようとしているそうです。

タイトル獲得がない監督は、2021年に5ヵ月で解任されたヌーノ・エスピーリト・サント以来。欧州の本大会で戦った経験がない監督となると、2013-14シーズンにヴィラス・ボアスの後を受けたティム・シャーウッドまで遡ります。ビッグクラブを率いたことがないトーマス・フランクは、モウリーニョとコンテが2年持たなかったクラブで成功を遂げることができるのでしょうか。

初めて指揮を執ったブレンビーIFでは4位、3位、4位。ヨーロッパリーグは2年連続でプレーオフ敗退でした。ブレントフォードの3年めでプレミアリーグ昇格を果たし、13位、9位、16位、10位は大健闘ですが、チャンピオンシップ時代にダヴィド・ラヤ、エンベウモ、イェンセン、イヴァン・トニー、ピノックらを獲得した経営ボードの手腕によるところも大きかったと思われます。

彼の最大の強みは、適材適所で柔軟に戦術を選べることでしょう。ブレントフォードでは3バックと4バックを併用しており、相手を見ながら前線の枚数も変えていました。ゴール前に人数を揃えてカウンターというイメージが強い指揮官ではありますが、2024-25シーズンはポゼッション重視で戦う試合が増えていました。

ただしスパーズは、経験が浅い監督にとっては難易度の高いチームです。2021年の夏に招聘されたヌーノ・エスピーリト・サントは、4人しかいなかった前線の補強ゼロで勝てといわれています。前任のポステコグルーも、昨夏のマーケットでDFを5人も手離したのに新戦力なしという理不尽に苦しめられています。

ポステコグルーといえば、選手たちが解任に憤っているのも懸念材料です。「テレグラフ」のマット・ロー記者によると、何人かの選手が「退団したい」といっているとのこと。ペドロ・ポロは、「チームは彼との仕事に満足していた」と語っており、ファン・デ・フェンはオランダメディアのインタビューでクラブの決定を批判しています。

「多くの選手たちが彼とうまくやっていた。そしてもちろん、彼は長く苦しんでいたトッテナムに成功をもたらした初めての監督といえる。それは彼が確かな資質を持っていることを示しており、100%の勝利へのメンタリティがあることも意味する。そう考えれば、彼が解雇されたのはおかしなことと思うのが当然だろう」

ポチェッティーノ以降の最長は、唯一タイトルを獲得したポステコグルーの2年です。そのなかでも最も実績がないトーマス・フランクは、疑心暗鬼の選手たちとの対話から始まるマイナススタートを克服して、果実を得られるのか。最初の一歩は、夏のマーケット。サポーターから轟轟たる非難を浴びたダニエル・レヴィ会長が、改心してくれることを願うしかありません。


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