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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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5年で7人…短命政権続きのワトフォードが、ハル・シティを離れたマルコ・シウヴァ監督を招聘!

終わってみれば、17位。最後の6試合は失点16の6連敗と散々な終わり方となったワトフォードが、プレミアリーグのライバルクラブから新監督を招聘しました。既にシーズン終了後の契約解除が発表されていたワルテル・マッツァーリ監督の後釜は、ハル・シティを率いていたマルコ・シウヴァ監督。前半戦で3勝しかできず、不振の責任を取らされたマイク・フィーラン監督の後を受けた39歳のポルトガル人監督は、降格回避こそできなかったものの6勝3分9敗と健闘。ポルトガルのエストリルを2部から昇格させてトップリーグの上位に導いた後、スポルティング・リスボン、オリンピアコスと名門を渡り歩いた実力は、イングランドでも充分通用すると証明しました。

マルコ・シウヴァ監督がいかに奮闘したのか、戦績を見てもピンとこない方もいるかもしれませんが、今季のハル・シティは夏に満足な補強をしておらず、即戦力はトッテナムから来たMFライアン・メイソンとAZにいたMFヘンリクセン、カーディフから獲得したGKマーシャルのみ。頭数を揃えるのが精一杯で、この陣容で勝てといわれた前任者フィーラン監督も気の毒ですが、さらに冬にはプレミアリーグ7ゴールの大黒柱スノドグラスと、中盤の要だったリヴァモアまで他クラブに持っていかれて骨抜きになっていたクラブです。1月の頭に着任した若い指揮官は、インテルのラノッキア、オリンピアコス時代にその実力を把握していたMFエラブデラウィ、エヴァートンでくすぶっていたニアッセ、レンヌのMFグロシツキ、ポルトFWエヴァンドロ、ノリッジにいたFWムボカニと大量補強を断行。新戦力をフルに活用して、EFLカップ準決勝ではマンチェスター・ユナイテッドをあと1歩まで追い詰め、2月のプレミアリーグではリヴァプールに2-0と快勝しました。

イギリスメディアに「新モウリーニョ」と呼ばれた指揮官は、守備を立て直すまでには至らなかったものの、ハル・シティの中盤を活性化し、どんな相手でも戦えるチームにモデルチェンジしています。34節のワトフォード戦までは、本拠地KCOMスタジアムでは6勝1分で敗戦なし。最終盤に、サンダーランドとクリスタル・パレスとの「直接対決」に敗れたのが致命傷となり、チームは18位に留まりましたが、新監督を探していたワトフォードが彼に目をつけたのは納得です。アムラバト、ドゥクレ、クレヴァリー、ベーラミなどそれなりのタレントはいながらも、カプェとディーニーが仕掛けるカウンター以外にこれといった攻め手がなかったワトフォードは、アタックのバリエーションを増やすことができるのではないでしょうか。スコット・ダクスベリーCEOは、オリンピアコスでギリシャリーグを制覇した新監督を手離しで称賛しています。

「マルコは、プレミアリーグにおいて最も有能な指揮官のひとりだろう。欧州での成功やハル・シティにおける戦いぶりを見れば、その実力は明らかだ。彼のような監督を招聘できるのを喜ばしく思う。ワトフォードにとってはエキサイティングなことで、サポーターからも温かく迎えられるだろう」

ワトフォードとマルコ・シウヴァ監督の契約は2年ですが、せっかちなクラブで2シーズン指揮を執ったのは、2009-2011シーズンのマッケイ監督が最後。ゾラ、ヨカノヴィッチ、キケ・フローレス、マッツァーリとビッグネームや実力派にチームを託しながら長続きせず、5シーズンで7人の監督を起用していたクラブは、意中の監督にチームづくりのためのリードタイムを許すのでしょうか。最後はボロボロだったプレミアリーグ17位のクラブが開幕からつまずけば、評判の指揮官も8人めの短期政権となる可能性は充分です。20種類以上のパスポートが揃う多国籍軍はまとまるのか。まずは、夏の補強に注目しましょう。マルコ・シウヴァ 写真著作者/dom fellowes)

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