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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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過去100年で最悪のスタートにサポーターが激怒!ポステコグルー監督はフォレストを立て直せるのか?

you’re getting sacked in the morning!」。明日の朝、オマエはクビだと煽るチャントは、不甲斐ないプレイで失点を重ねた相手チームにぶつけるのが通例です。しかし木曜日のシティ・グラウンドでサポーターたちのターゲットになったのは、1ヵ月前に就任したばかりのアンジェ・ポステコグルーでした。

ELのミッティラン戦は、2-3の完敗。最初の6試合を2分4敗は、過去100年のノッティンガム・フォレストの指揮官として最悪のスタートです。緒戦のアーセナル戦を3-0で落としたときは、堅守速攻のヌーノ・エスピーリト・サントからのスイッチングには時間が必要と大目に見られていたのですが、カラバオカップのスウォンジー戦の負け方はあまりにもショッキングでした。

15分にシュートのこぼれ球を右隅に押し込んだイゴール・ジェズスが、前半の追加タイムにもハッチンソンの優しいラストパスをフリーでプッシュして0-2でリード。プレミアリーグで7位に躍進した昨シーズンの2度の逆転負けは、いずれもニューカッスルで、2点差から追いつかれたことは1度もありません。68分のCKをバージェスに頭で決められてからも、猛攻を続けていました。

82分の4対3のカウンターで、右からボックスに入ったカリムエンドのラストパスをハドソン=オドイが決めていれば、勝負はそこで終わりでした。90分までは1-2。悪夢の始まりは93分、左からのクロスのコースを変えたビポトニックのタッチは完璧でした。劇的な逆転勝利を生んだCKは、7分の追加タイムが終わる3秒前。クリアを拾ったガルブレイスのミドルがバーを叩きました。

バウンドしたボールが、左にいたバージェスの足元へ。強烈な左足ボレーがネットを揺らし、4分前とは真逆の結果となりました。直後のバーンリー戦は、開始2分にネコ・ウィリアムズが先制したものの、追いつかれて1-1のドロー。ヨーロッパリーグのレアル・ベティスとの開幕戦も、85分にアントニーに同点ゴールを喰らい、2-2でタイムアップとなっています。

サポーターの不安が怒りに変わったのは、サンダーランドとのホームゲームでした。ポゼッション65%とシュート22本は、ヌーノの時代には見られなかった数字ですが、38分のFKをアルデレーテに頭でねじ込まれて0-1の敗戦。スパーズで弱点となっていたセットピースの守備は、ここでも課題となっており、ミッティラン戦の3失点もFK、CK、カウンターです。

マンチェスター・ユナイテッドの惨状を憂いている者として、サポーターのみなさんに共感するものの、ポステコグルー監督にも同情してしまいます。右サイドに欠かせない存在だったオラ・アイナが、就任直後に負傷リタイア。堅守の軸となっていたムリーリョもアーセナル戦の前半にプレー続行不可能となり、復帰したミッティラン戦も28分しかピッチにいませんでした。

サポーターから絶大な支持を集めていたヌーノがクラブを去ったのは、戦績が理由ではなく、7月にグローバル・ヘッド・オブ・フットボールに就任したエドゥとの確執というピッチの外の事情です。就任の4日後にアーセナルと戦い、戦術を浸透させる時間なきまま週2回のゲームをこなしている指揮官は、インターナショナルブレイクを心待ちにしているのではないでしょうか。

ギブス=ホワイト、ハドソン=オドイ、エリオット・アンダーソン、ドゥグラス・ルイス、ハッチンソン、ジェームズ・マカティーがうまく連携できれば、得点力は高まるはずです。スパーズでロメロとファン・デ・フェンを失って苦しんだ指揮官は、オラ・アイナとムリーリョを欠いた最終ラインをまとめられなければ、4ヵ月前と同じ結末を迎えることになるでしょう。

欧州へのチケットを手に入れたヌーノは、ポゼッションを高めようとしていたのですが、強いインテンシティとハイライン、攻撃的な姿勢を求めるアンジェボールとはアプローチが大きく異なります。エヴァンゲロス・マリナキスオーナーとエドゥは、新たな戦術の浸透までしゃがむリスクを考慮していたはずですが…。

クラブを買収した2017年5月からの8年で、10人の監督を解任してきたオーナーは、サポーターのチャントに刺激されてしまうのでしょうか。日曜日の対戦相手は、よりによってニューカッスル。昨シーズンはダブルを許しており、今季の4ゴールのうちセットピーㇲから3ゴールと、アンジェが敗れる要素が揃っている難敵です。胸騒ぎを覚えつつ、健闘を祈るとしかいえません。


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