トーマス・フランクの船出は順調!スパーズの今後の浮沈を左右する課題とは?

プレミアリーグ7節を終えて4勝2分1敗で、リヴァプールに1ポイント差の3位。2024-25シーズンは17位という厳しい着地だったスパーズは、優勝争いに食い込んでいます。この時期に順位を予想しても、時期尚早と叱られそうですが、チャンピオンズリーグの出場権を確保できる可能性は充分といえるのではないでしょうか。
昨シーズンはヨーロッパリーグを制したものの、セミファイナルからの3試合は守備的に戦っており、アンジェボールの限界を証明してしまったかのようでした。ブレントフォードで指揮を執っていたトーマス・フランク監督は、対戦相手の強み・弱みを分析して戦い方を選択する方針を取っており、4-2-3-1と4-3-3を併用して中盤の顔ぶれを変えています。
バーンリーとの開幕戦は相手が引いてくると読んで、中盤にパペ・マタル・サール、アーチー・グレイ、ベリヴァルを並べる布陣で3-0快勝。2節のマンチェスター・シティ戦は、ジョアン・パリ―ニャとベンタンクールを最終ラインの前に配してスペースを消しにいきました。パペ・マタル・サールを2センターの前で動くようにしたのは、パスコースを抑えたかったからでしょう。
リシャルリソンとブレナン・ジョンソンが仕掛けたカウンターで先制し、GKトラフォードのパスミスからジョアン・パリ―ニャが決めて0-2。ブレントフォード時代の2022-23シーズンに、ペップにダブルを喰らわせた指揮官の面目躍如です。その後のゲームは、攻撃的に戦うか守備重視かでメンバーを変えているように見えます。
ベリヴァルとパペ・マタル・サールのパスワークや推進力を活用するか、ジョアン・パリ―ニャとベンタンクールで最終ラインの負担を減らすか。新監督がペドロ・ポロとロメロのロングフィードを多用しているのは、中盤を守備的なメンバーにしたときの供給力を高めたいからでしょう。ウルヴス戦とボデ/グリムト戦のドローは気になるものの、ここまでは順調といえそうです。
今後のスパーズの課題といわれれば、最初に挙げたいのは「左サイド」です。プレミアリーグの戦績を見ると、ジェド・スペンスが左SBだった最初の4試合は1失点。ウドジェが戻ってきてからの3試合は5失点を喫しています。ウドジェがいると、サイドアタックが活性化するのですが、左から攻め込まれて右に展開されるピンチが増えています。
システムと選手を自在に変える指揮官は、レフトバックも戦い方によってスイッチするのかもしれません。左サイドは前線も悩ましい状態で、シャビ・シモンズとブレナン・ジョンソン、オドベールはソン・フンミンの穴を埋めたとはいえません。右サイドはクドゥスがいればOKですが、左のウインガー、MF、SBの連携とシャビ・シモンズの起用法は試行錯誤が続くかもしれません。
クルゼフスキが戻ってきたらトップ下に配し、シャビ・シモンズを左で活かすのか。プレイのバリエーションが豊富なオランダ代表をセンターに移して、コロ・ムアニを抜擢するのか。何しろトーマス・フランクなので、「どっちもあり」かもしれませんが、Aプラン・Bプランの構築と得点力の向上は最重要テーマといっても過言ではないでしょう。
さらにもうひとつ、ポステコグルーが苦しんだ「ロメロとファン・デ・フェンを欠いた際のCBの最適解」も必要です。現状の答えはケヴィン・ダンソですが、インターナショナルブレイクが明けると高井幸大とドラクシンが戻ってきます。最終ラインのターンオーバーの可能性を広げられれば、チャンピオンズリーグが戦いやすくなります。
新たな船出ゆえ、課題山積ではありますが、ソランケ、クルゼフスキ、コロ・ムアニが続々と復帰する今後は楽しみのほうが多いでしょう。次の週末から、アストン・ヴィラ、エヴァートン、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルと厳しい相手が続きますが、トーマス・フランクの布陣と人選の意図を読みながら、戦いぶりを追いかけたいと思います。
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