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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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大混乱のノッティンガム・フォレスト…解任寸前のポステコグルーの後任は地元住民のショーン・ダイク?

ノッティンガム・フォレストのオーナー、エヴァンゲロス・マリナキスにその情報は入ってこなかったのか、あるいは何とかなると高をくくっていたのか。「アスレティック」のダニエル・テイラー記者が、「エドゥ・ガスパールとヌーノ・エスピーリト・サントは、個人的な理由で犬猿の仲だった」と報じていたのですが…。

7月にグローバル・ヘッド・オブ・フットボールに就任したブラジル人と、ノッティンガム・フォレストをプレミアリーグで7位に引き上げたポルトガル人は最初から険悪な関係で、互いに歩み寄る姿勢を見せないまま、解任しやすいほうが2ヵ月後にチームを去るという悲劇的な結末となりました。現地の記者は、「オーナーにとっては想定外だったのだろう」といっています。

次期監督の人選が「前任者が築いたベースを発展させられる人材」という基準であれば、第2の悲劇は起こらなかったかもしれません。スパーズでヨーロッパリーグを制覇したアンジェ・ポステコグルーの招聘は、「勝てる監督だから」ではありながら、オーナーと同じギリシャ出身というプロフィールがもたらす親近感が強かったようです。

ここ2年のプレミアリーグを見てきたファンの多くは、「真逆のコンセプトの監督でうまくいくのか?」と訝しんだのではないかと思われます。堅守速攻のヌーノから、ハイプレス・ハイラインのポステコグルーは、テン・ハフからアモリムを上回るハードランディングです。一体感があったチームも、ポジティブだったサポーターも、試合を重ねるごとに不安が膨らむばかりでした。

緒戦はアーセナルに3-0で完敗。カラバオカップのスウォンジー戦は、運命の分かれ目だったのかもしれません。イゴール・ジェズスの連発で、前半は0-2でリード。90分を終えても1-2で勝っていたのですが、93分からの2発で逆転負けとなってしまいました。バーンリー戦とELのレアル・ベティス戦はアウェイでドロー。いずれも優勢で、勝てるゲームだったというべきでしょう。

サンダーランド戦は、シュート数20対10で0-1の敗戦。シティ・グラウンドにミッテランを迎えたELの2節も、オンターゲットは9対3でスコアは2‐3です。セント・ジェームズ・パークのニューカッスル戦は2-0で3連敗。7戦連続勝利なしの惨状に激怒したサポーターたちは、「You’re getting sacked in the morning(明日の朝には解任だ)」と煽りまくっています。

ただでさえ難易度が高いスイッチングだったうえに、若い選手たちがヌーノとともに自信を深めていたのも、マイナスに作用した感があります。最終ラインを落ち着かせていたムリーリョとオラ・アイナの負傷リタイアも、絶不調の理由のひとつでしょう。いや、7試合で15失点の守備が何とかなっていても、プレミアリーグ4試合で1ゴールでは、勝利は期待できません。

ノッティンガム・フォレストを買収してからの8年で、7人の監督を解任してきたエヴァンゲロス・マリナキスは、候補者の選定を進めているといわれています。「アスレティック」と「テレグラフ」が報じた本命は、ショーン・ダイク。バーンリーで9年半、エヴァートンで1年を過ごした54歳の指揮官は、予算が厳しいチームを何度も残留させた経験は評価できます。

ノッティンガム・フォレストのユースチーム出身のショーン・ダイクは、現在もノッティンガムで暮らしており、シティ・グラウンドの高額のシートで観戦する姿を何度も目撃されています。オーナーと同郷の監督の後、地元住民という地縁重視の人選はいささか不安ですが、ポステコグルーよりはうまくやってくれそうという期待感はあります。

首の皮一枚となったポステコグルーは、チェルシー、ボーンマス、マンチェスター・ユナイテッドの3連戦を乗り切れないでしょう。エンツォ・マレスカのチームに負けて降格ゾーンに転落したら、ボタンが押されるはずです。おそらく本人さえも成功するとは思えなかった厳しいプロジェクトは、予想通りの着地で終わりそうです。なぜ、エドゥを引き入れる前に…。


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