「アンフィールドではありえない」情熱的なサポーターたちを怒らせたスロット監督の采配と釈明…!
スウォンジー・ドットコムスタジアムに乗り込んだマンチェスター・シティは、12分にフランコのコントロールショットで先制されており、31分のフサノフの軽率なパスをカットしたウィデルに決められていたら、そのまま負けていたかもしれません。エミレーツにブライトンに2-0で勝ったアーセナルも、リュテールとツィマスとの2度の1対1を止めたケパがMVPです。
プレミアリーグで未だ勝利がない最下位ウルヴスと戦ったチェルシーは、U-21が8人というフレッシュな先発メンバーでキックオフを迎えました。前半を0‐3で終えたのに、最後は10人で3-4というドタバタの勝利。シュート数は15対12で負けており、同点に追いつかれていたら、不要な肘打ちでレッドカードをもらったリアム・デラップは轟轟たる非難を浴びていたでしょう。
非難といえば、若手主体のスカッドで敗れたリヴァプールのスロット監督が、雨が降りしきるアンフィールドに足を運んだサポーターたちを怒らせてしまったようです。プレミアリーグで負けたばかりのクリスタル・パレスに対して、ウッドマン、カルヴァン・ラムゼイ、ニョニ、エングモア、モリソンを抜擢した4-2-3-1は、無謀だったといわざるを得ません。
直近6試合を1勝5敗と絶不調、オンターゲット1対9で0-3完敗など、ストレスが溜まる要素は多々ありますが、レッズサポーターが激怒した最大の理由は先発メンバーでしょう。「本気で勝ちにいく姿勢も、長いシーズンを見据えたトライもないつぎはぎの用兵」に絶望した人が多かったのではないでしょうか。アンフィールドで、あれほどの数が席を立つのを見たのは久しぶりです。
象徴的だったのは、ロバートソンのCBコンバートと、アカデミーの選手で埋め尽くされたベンチでした。ペップもアルテタもマレスカも、若手やサブの選手を起用しながらもベンチに主力を置いており、劣勢になったら主力を投じて挽回する姿勢を見せていました。一方、スロット監督の背後に座っていたU-21は、頭数を揃えただけのような顔ぶれです。
ロバートソンをセンターに配したのは、今後を想定したオプションのトライアルではなく、ファン・ダイクとコナテを休ませるための急場しのぎに見えます。ジェレミ・ピノの3点めを見てゲートに向かったサポーターたちは、敗戦自体ではなく、指揮官のスタンスに抗議したかったのだと思われます。「アンフィールドで、こんな戦い方はありえない」と。
試合後のコメントは、火に油を注いだ感があります。「シティのスタメンを見たけど、週末のゲームの先発はひとりもいなかったと思う。でも彼らは、11人の主力で戦っているかのようだった」。自分たちの選手層は決して厚くないと婉曲に主張したスロット監督は、マン・シティはハイレベルでチェルシーは大所帯だといいたかったようです。
「チェルシー戦のときにいっただろう。彼らは8人が欠場していたけど、それでもエステヴァンを投入できる、と。今日の試合で、われわれは4人しか欠いていなかったが、19歳未満を4人先発させざるを得なかった。2回の交代の後は6人になっていた」。これに対しては、「カイセド、デクラン・ライス、フォーデンは後半から出てましたけど…」とツッコミを入れたくなります。
昨シーズンのリーグ制覇は、スロット監督の戦術とマネジメントによるところが大きいと評価しています。しかし最近の采配と雑なコメントは、サポーターをわざと苛立たせようとしているかのようです。経営ボードと良好な関係を築いている指揮官の解任は、当面はなさそうですが、アンフィールドに「スロットOUT」のバナーが激増したら、状況が変わるかもしれません。
2014-15シーズンを制したジョゼ・モウリーニョは、翌シーズンに入ると選手やスタッフとの確執が報じられるようになり、10月末からのプレミアリーグで1勝1分5敗という不振に陥って解任。このシーズンに奇跡的な優勝を遂げたクラウディオ・ラニエリは、2月のプレミアリーグで5連敗を喫してジ・エンドとなりました。解任直前のモウリーニョは16位、ラニエリは17位でした。
スロット監督の公式戦1勝6敗とリーグ4連敗は、既に危険な領域に足を突っ込んでいるといえます。アストン・ヴィラ、レアル・マドリード、マン・シティに勝てなかったら、非難の声は爆音になりそうです。ヴィラ戦を落とせなくなるような釈明をした指揮官は、ピンチを乗り切れるのか。エメリのチームは、スパーズにアウェイで勝った後、前節でペップの足をすくったばかりです。
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