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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ストラスブールのリアム・ロセニオールがチェルシーの新監督に就任!異例の長期契約はやはり…?

「スタンフォード・ブリッジでは、以前の体制の伝統が受け継がれている。アブラモヴィッチが、トッド・ベーリー率いるブルーコとクリアレイク・キャピタルのベハダ・エグバリに売却を余儀なくされてから3年半。クラブは監督を次々と消費し続けている。トーマス・トゥヘル、グレアム・ポッター、再びランパード、マウリシオ・ポチェッティーノ、そしてエンツォ・マレスカ」

「しかし彼らには決定的な違いがある。アブラモヴィッチは、他の全てを排除してトロフィーに固執した。マンチェスター・シティのような持続的な支配を築く条件を整えようとして問題を引き起こした。対してブルーコは、他の全てを排除して選手のディールに固執しているように見える。移籍戦略が手段ではなく、目的であるかのように」(オリヴァー・ケイ/アスレティック)

ストラスブールで指揮を執っていたリアム・ロセニオール監督がチェルシーと契約したというニュースを見たとき、先日読んだ「アスレティック」の記事を思い出しました。「Forget managers – it’s the flawed strategy of Chelsea’s owners that is the problem(監督のことは忘れよう。チェルシーのオーナーの欠陥ある戦略こそが問題だ)」と題された刺激的なレポートです。

ブルーコのチーム強化や監督のアサインを批判した記事が頭に浮かんだのは、「41歳の新監督は2032年までの長期契約」という記載が目に飛び込んできたからです。「若手と長期契約」は選手の獲得と同様で、「決算における単年の契約金の減価償却費が安くなる」「契約延長によるサラリーの増額を抑えられる」といったメリットがあります。

長期契約のリスクは、売却や解任の際に足枷になることですが、総額がお手頃なら問題はありません。ストラスブールもブルーコがオーナーで、「社内の人事異動」のような監督交代なら、それぞれに都合のいいように金額を調整できます。ロセニオール監督は、「断れないオファーだった」といっていますが、トップリーグでの監督歴が1年半ならサラリーはほどほどの額でしょう。

冒頭で紹介した記事を書いたオリヴァー・ケイ記者は、「ロセニオールは知的で革新的であり、イギリスにおける新世代の監督の中でも最も才能豊かなひとりだ。しかし、2024年に就任したマレスカのように監督の任期が限られるクラブでは、これもまた長期投資のひとつに過ぎない。成熟する時間を与えられないのではないかという懸念を拭い去るのは難しい」と指摘しています。

若い選手を安く仕入れて、経験を積んだら高く売る。監督も低リスク重視で、欧州のトップリーグの経験が浅い無名の人材をアサインして、うまくいかなかったらすぐに切る。第二新卒の人材紹介と人材派遣のようなビジネスモデルは、中小クラブの専売特許だったはずです。経済合理性という観点では適切なのかもしれませんが、この運用を続けている限り、チームは永遠に未完成です。

2022年の夏のトランスファーマーケットを皮切りに、ブルーコが投じた総額は15億ポンド。最初の夏はオーバメヤン、クリバリ、スターリング、フォファナといった即戦力を獲得していたのですが、翌年の1月から若手シフトになりました。マーケットが開くたびに、目まぐるしく選手を入れ替えるため、現在もU-23の選手が14人もいます。

「WhoScored」の選手のレーティングを見ると、チェルシーのハイパフォーマーは24歳以上の選手ばかりで、U-23で最も高いマロ・グストはチームのTOP10に入っていません。数年後のビッグタイトルを見据えた補強ならいいのですが、大半はローン移籍か売却でマネタイズされるのでしょう。利益と勝利の両取りをめざしているのか、稼げればOKなのか…?

いや、こんなことは、クラブワールドカップの勝者にいうべきではないのかもしれません。ストラスブールをカンファレンスリーグに導いたロセニオール監督が、プレミアリーグで成功すれば、慧眼と称えるのみです。今、はっきりいえるのは、チェルシーが懸案事項を解決したことと、2032年までは彼の時間だということ。すべてはオーナー次第ではありますが。


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