2026.01.14 監督トピックスマンチェスター・ユナイテッドの話題
トップリーグでの実績は3試合…マンチェスター・ユナイテッドがマイケル・キャリックを選んだ理由。
オーレ・グンナー・スールシャールとマイケル・キャリックの二択となっていたマンチェスター・ユナイテッドの暫定監督選びが決着しました。サー・ジム・ラトクリフと経営ボードのメンバーが満場一致で選んだのは、監督として8シーズンの経験があるスールシャールではなく、トップリーグで3試合しか指揮を執っていないマイケル・キャリックでした。
少なくとも2025-26シーズンが終わるまでは、ルーベン・アモリムに託したかったマンチェスター・ユナイテッドに、長期的な成功をもたらすビッグネームという選択肢はありませんでした。ヨーロッパリーグにも出場できなかったチームは、2つの国内カップで初戦敗退を喫しており、財政は逼迫しています。今回の選定は、あくまでも「期間限定の暫定監督」です。
ジェイソン・ウィルコックスが率いるプロジェクトチームが掲げていた選定基準は、クラブの現状を理解していること、プレッシャーに強いこと、サポーターたちの納得感だったといわれています。戦績がよければ正式な監督にスイッチという「2匹目のドジョウ」を狙っていたスールシャールより、つなぎ役としてのプレゼンに徹したキャリックのほうが評価が高かったようです。
監督としての実績を評価のポイントとするなら、キャリックは候補にもならなかったでしょう。2018年にプレーヤーとしてのキャリアを終えた後、ジョゼ・モウリーニョのコーチングスタッツとしてクラブに残り、年末にスールシャールが就任してからもサポート役を任せられました。トップリーグの監督としてのキャリアは、2021年のスールシャール解任直後の3試合だけです。
プレミアリーグのチェルシー戦は1-1のドローで、CLのビジャレアル戦は2-0の完勝でノックアウトラウンド進出決定。アーセナルに3-2で競り勝ち、ラルフ・ラングニックにバトンを渡しています。対戦相手と試合の重要性を考慮すると、「好印象を残して去った暫定監督」として史上最高クラスといえるでしょう。
無事につなぎ役を果たして、15年ぶりにマンチェスターから離れたキャリックは、翌シーズンの10月にミドルズブラからのオファーを受けました。就任当初、チャンピオンシップで21位だったチームを4位に押し上げ、プレーオフに導いたのが監督としてアピールできる唯一の実績です。2023-24シーズンは8位、2024-25シーズンは10位で解任となってしまいました。
現在のボロは、キム・ヘルベリ監督の下でコヴェントリーと優勝を争っており、「キャリックはもっとやれたはず」という見方が妥当でしょう。それでも今回、暫定監督に選ばれた理由は、「ここで成功するために何が必要かはわかっている」「既に多くの選手たちと仕事をしている。ここ数年のチームを注意深く観察し続けてきた」という本人の言葉通りなのだと思われます。
マン・ユナイテッドの監督選びを追いかけてきた「スカイスポーツ」のロブ・ドーセット記者とダニエル・カーン記者は、当初は最有力候補だったスールシャールの敗因のひとつとして、「彼の復帰は、後退と解釈される可能性があった」とレポートしています。サポーターは賛否両論だったようですが、「スールシャールは失敗者」という声に対しては、少々弁護したくなります。
2019-20シーズンのプレミアリーグは3位で、ラシュフォードとマルシアルの17ゴールはプレミアリーグにおける彼らのキャリアハイです。2020-21シーズンはペップに次ぐ2位。ヨーロッパリーグではファイナルに進出しています。リーグ戦の73ゴールは、サー・アレックス・ファーガソンの勇退後の最多で、公式戦トータルで121ゴールをゲットした攻撃的なチームでした。
「プレミアリーグのアウェイゲームで29試合連続無敗はリーグレコード」「サウサンプトン戦の9-0は、プレミアリーグにおけるホームゲームでの最大得点差」といった数字も添えておきましょう。彼が評価されないのは、プレミアリーグ創設後に2年以上指揮を執った監督で唯一の無冠であることに加えて、コンセプトと戦術がわかりにくく、古い世代と見做されたからでしょう。
確かに成功したとはいえないかもしれませんが、「適材適所で戦力をうまく活用したモチベーター」として、それなりに評価されてもいい監督だと思います。経営ボードのキャリックという選択に異論はありませんが、スールシャールでも拍手で迎えて、全力で応援しようと思っていました。いずれにしても、ガリー・ネビル、ロイ・キーン、スコールズじゃなくてよかったです。
キャリックとともに戦うスタッフは、イングランド代表でガレス・サウスゲート監督のアシスタントとして活躍したスティーヴ・ホランド、ボロで片腕だったジョナサン・ウッドゲート、現役時代にともに戦ったジョニー・エヴァンス、U-21のコーチだったトラヴィス・ビニオン、GKコーチのクレイグ・モーソンといった面々で、やりやすさ重視の人事です。
アモリムを選んだときに遡って批判する気はありませんが、スポルティングCPと本人に2000万ポンドを費やして何も得られなかったのは事実です。経営の立て直しには時間がかかるのは承知していますが、早期に目に見える成果を出して、不安や怒りが蔓延しているサポーターたちを納得させていただければと思います。いろいろありましたが、4位リヴァプールとは3ポイント差です。(マイケル・キャリック 写真著作者/Timmy96)
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