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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

トーマス・フランク、ついに解任!スパーズの選手たちを怒らせた「禁断のAワード」とは?

「スパーズがトーマス・フランクを解任」というニュースを見たとき、頭に浮かんだのは「厳しい」のひとことでした。プレミアリーグで7勝8分11敗、年が明けてから4分4敗で勝利なしという惨状は、解任もやむなしです。しかし、大量の負傷者が並んだリストを見ると、言葉を失います。未だ出場ゼロのジェームズ・マディソンとクルゼフスキをはじめ、12人が戦線離脱中です。

ロドリゴ・ベンタンクールの復帰は5月で、モハメド・クドゥス、ベン・デイヴィス、ルーカス・ベリヴァルは4月までアウト。ウドジェ、ダンソ、オドベールもしばらくは起用できず、リシャルリソンとペドロ・ポロはノースロンドンダービーに間に合うかどうかわかりません。最終ラインは明らかに人数が足りず、アーチー・グレイは右のフルバックにコンバートされています。

これほどスカッドが厳しい状況なのに、1月のトランスファーマーケットで獲得したのは、アトレティコ・マドリードで出番を減らしていたコナー・ギャラガーと、ブラジルのサントスでプレイしていた19歳の左SBソウザだけでした。夏に獲得したシャビ・シモンズとコロ・ムアニは、2人足してもリーグでは1ゴールで、納得の補強といえるのはジョアン・パリ―ニャだけです。

この状況で、勝てといわれても…。ただでさえ戦力が貧弱になっていたスパーズは、ロッカールームでもさまざまな問題を抱えていたと報じられています。イヴ・ビスマは度重なる遅刻を咎められ、 パリと戦ったUEFAスーパーカップのメンバーから離脱。今季プレミアリーグの前半戦は、出番を得られませんでした。

11月のチェルシーとのホームゲームで敗れた後、トーマス・フランク監督に「サポーターの声援に応えよう」と促されたミッキー・ファン・デ・フェンとジェド・スペンスは、示し合わせたように無視。ソン・フンミンの後を受けてキャプテンに指名されたロメロは、イエロー10枚、レッド2枚、サスペンデッド3回という散々な記録を残しています。

ファン・デ・フェンとジェド・スペンスにペナルティを科さなかったクラブは、ロメロの再三の経営ボード批判もお咎めなしで、無法地帯と化していた感があります。「BBC」のサミ・モクベル記者は、「カリスマのように振る舞うポステコグルーに慣れていた選手たちは、後任の指揮官を優柔不断だと感じていた」と報じていますが、指示に沿わない正当な理由にはなりません。

それでも、せめてホームで勝っていれば、四面楚歌にはならなかったでしょう。トッテナム・ホットスパー・スタジアムのプレミアリーグは2勝4分7敗。ストレスを溜めたサポーターたちは、最終ラインやヴィカーリオに容赦ないブーイングを浴びせ、指揮官の背後で「明日の朝には解任だ」と大合唱を続けていました。スタジアムの空気も、解任の理由のひとつになったようです。

経営ボードの間では、11月には次期監督の話が立ち上がっていたのですが、ここまで耐えたのはチャンピオンズリーグで勝っていたからでしょう。パリに5-3で敗れた後、スラヴィア・プラハ、ドルトムント、フランクフルトに3連勝で、リーグフェーズは4位フィニッシュ。欧州のステージでは、プレミアリーグとは別なチームでした。

指揮官解任に至るプロセスとエピソードに触れると、「責任の半分は、適切な補強をしなかった経営ボードにある」「選手たちにも大いに問題がある」といいたくなります。しかし、「テレグラフ」のマット・ロー記者のレポートを読むと、その印象は変わります。指揮官と選手たちの間に軋轢を生じさせたのは、彼がたびたび口にする「禁断のAワード」だったそうです。

新任監督は、スパーズでの最初の記者会見で、あろうことか積年のライバルをリスペクトしています。「フットボールの試合で負け知らずのチームなんて見たことがない。プレミアリーグにはアーセナルがいるが、われわれはその名前は口にできない」。いきなりかました指揮官は、その後も選手たちに対して、「アー×××」の名前を連呼していたそうです。

「彼は絶えずアーセナルの話をし続け、選手たちはうんざりしていた。エミレーツでの試合の前後も、アーセナルがいかに優れているかを説いていた。一部の選手の間には『もうアーセナルの話はやめてくれ』という雰囲気が漂っていた」。1月のボーンマス戦の際に、アーセナルのロゴが入ったカップを持ってスタジアムを歩き回っていたのは、「うっかり」ではなかったようです。

なるほど。そんなことなら、選手たちに煙たがられても仕方がありませんね…。昨シーズンは17位ながら、降格ゾーンとの差は13ポイントだったのですが、16位の現在はハマーズとの差は5ポイントしかありません。後任のミッションは残留ですが、くれぐれも「禁断のAワード」で足をすくわれることなきよう、留意していただければと思います。いや、当たり前か。


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