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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

就任から3連敗で降格危機…トゥドール監督の戦術と用兵は今のスパーズにフィットしているのか?

「スタジアムに近づくと、なかなかいい雰囲気だった。外では応援歌が鳴り響いていた。少し遅れて着いたので、コンコースの様子はわからない。道路はかなり混雑していた。みんな歌っていて、抗議活動はなかった。ここ数ヵ月では珍しくない光景だったけど。中に入ると、みんな緊張していた。試合が始まったらサポーターはチームを後押し、大きな声援が飛び交った」

「そこで思ったのは、ニューカッスルのようなチームなら、ホームゲームでサポーターが席に着く頃には6本のCKを得ているということ。全員が立ち上がり、熱意が伝わってくる。クリスタル・パレスはトッテナムに来て、開始52秒でゴール寸前に迫った。われわれは10分間、ほとんどボールに触れず、またしても何も変わっていないのが明らかになっていった」(ジョニー・ブレイン/エコー・オブ・グローリー・ポッドキャスト)

トッテナム・ホットスパーのサポーターたちは、クリスタル・パレスとのホームゲームは勝てる試合と信じていたようです。ノースロンドンダービーで惨敗した後、ウェストロンドンのクレイヴン・コテージに乗り込み、フラムに2点を先行されて敗戦。1月にはウェストハムに1-2で敗れており、サウスロンドンに負けたら東西南北コンプリートです。

アーセナルとフラムに勝てなくても、「初陣だから」「アウェイだから」とトゥドール監督を盛り上げてきたファンも、3連敗となると激励の言葉が浮かばなくなります。クリスタル・パレス戦の後、数人のスパーズサポーターに心境を聞いた「アスレティック」のレポートを読むと、「試合が始まったときは、雰囲気はかなりよかった」と口を揃えています。

「アーセナル戦もフラム戦も悪かったけど、今回はホームで、本来なら確実に勝てるチームであり、主導権を握るべき相手だった。それなのに、何も変わらなかった。私は苛立っていたけど、その後ゴールを決めて、2分間だけ『うまくいくかもしれない』と思えた。でも気がつくと、1-2で負けていた。今シーズンは、ホームでのプレミアリーグで勝ったのを見たのはたった2試合だ」

ポッドキャストで、あの試合について語ったジョニー・ブレインさんは、ハーフタイムになる前にスタジアムを後にしたそうです。「もう耐えられなかった。ストランド・ラーセンが2点めを決めたとき、友人に『車の中にいるから』と伝えた」。スタジアムの階段を下りながら、「勝ったらどうしよう」と思ったそうですが、出口に着く前に致命的な3点めが決まってしまいました。

イゴール・トゥドール監督は、シーズンの途中からスパーズを預かる監督として、適任ではなかったのではないでしょうか。暫定監督としてチームを立て直してきた実績はあれど、プレミアリーグは初体験で、ロッカールームの雰囲気が悪くなっていると報じられていた難しいチームです。必要とされていたのは、適材適所に徹するモチベーターだったのではないかと思われます。

クリスタル・パレス戦の用兵と采配には、先制ゴールからの15分で一気に崩壊した理由が詰まっています。アーチー・グレイが右サイドから仕掛けると、その脇にジョアン・パリ―ニャがいて、ペドロ・ポロは後方をカバーしていました。この3人を右サイドでプレイさせるなら、ペドロ・ポロのスプリントとクロスを活かすのが妥当でしょう。

左サイドのソウザはプレミアリーグで初先発でしたが、チームの戦い方をいじったタイミングでの抜擢はリスキーです。7分にイエローカードをもらったWBは、ファン・デ・フェンがレッドカードでピッチを去ると、即座に代えられてしまいました。10人になったとはいえ、数分でハーフタイムというタイミングの2枚代えも、火に油を注いだのではないかと思われます。

前半はそのままの顔ぶれで耐え、ロッカールームで交代の意図と今後の役割を話してから手を打ったほうが、選手たちの納得感は高かったはずです。突如、左のWBに配されたマティス・テルは、自陣での無謀なパスをゲザンに奪われ、自分の持ち場に入ってきたアダム・ウォートンにきれいなスルーパスを出されてしまいました。

アトレティコ・マドリードから移籍して以来、レギュラーとして中盤を仕切っていたコナー・ギャラガーをなぜベンチに置いたのか。チームの得点王のリシャルリソンより、コロ・ムアニのほうがいいのか。3-4-2-1にこだわって選手を強引に当て込み、少しでもうまくいかないと主力を外す采配は、昨年までのマンチェスター・ユナイテッドを見ているようです。

後半に交代を告げられたペドロ・ポロがペットボトルを投げつけ、ベンチをぶっ叩いたのは、強みを発揮しづらいポジションでストレスを溜めていたからでしょう。リシャルリソンが前線に入るなら、早めにクロスを入れてやろうとイメージしていたところで、「23」が示されたボードを見て頭に血が上ったのだと思われます。

プレミアリーグでの5連敗は、2004年以来22年ぶり。今シーズンのホームゲームでは10ポイントしかゲットしておらず、イングランドの4つのディヴィジョンで彼らの下にいるのは、シェフィールド・ウェンズデーだけです。18位ウェストハムとの差は1ポイント。次節のアンフィールドは、当然ながらクリスタル・パレスより難関です。

リヴァプール戦の後、ノッティンガム・フォレストとのシックスポインターを落としたら、ヴィナイ・ベンカテシャムCEOとヨハン・ランゲSDは次なる指揮官のリストアップを始めるかもしれません。不格好ではありますが、今、動けば間に合います。「Say hello to Millwall(ミルウォールによろしく!)」…アウェイサポーターのチャントが、現実にならないように。


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