無惨だった5発大敗のアーセナル戦…エヴァートンのロナルド・クーマン監督があっけなく解任!
時は流れ、2017年10月3日。エヴァートンの筆頭株主であるファルハド・モシリ氏が「クーマンを全面的に支持している」と語ったとき、私は「この発言を信じましょう」と書きました。悲しい別れが近づいていることを知らされた気がして、いたたまれなくなったからです。3週間後、やはりエヴァートンはロナルド・クーマン監督を解任しました。今季はここまでプレミアリーグ9戦2勝2分5敗、得点7失点18。降格ゾーンの18位は、絶対にタッチしてはいけないポジションだったのでしょう。
「エヴァートンは、ロナルド・クーマンの退任を発表します。ビル・ケンライトチェアマンとボードメンバー、大株主のファハド・モシリは、過去16か月のロナルドの貢献と、昨季プレミアリーグで7位に導いてくれたことに感謝の意を表します」
公式サイトのニュース欄にある「Club Statement」という無味乾燥な見出しをクリックすると、今までにも何度も目にした指揮官解任時のテンプレートが掲載されていました。悔しいです。昨季の復活にテンションが上がり、今季の大型補強によるジャンプアップを期待していた者としては、ただただ残念のひとことです。「BBC」は、「Ronald Koeman sacked as Everton manager: Where it went wrong for Dutchman(ロナルド・クーマンがエヴァートンの監督を解任:オランダ人はどこで間違えたのか?)」と題した記事のなかで、「No.3とNo.10の穴」、すなわちルカクの後釜とレイトン・ベインズのバックアッパーを獲れなかったことが致命的だったと分析していますが、左サイドと最前線以外でも今季のエヴァートンは誤算だらけでした。
鳴り物入りで加入したクラーセンは中盤の真ん中に定着できず、昨季プレミアリーグで9ゴール13アシストのシグルズソンは得意のプレースキックがきわどく枠の外に消えるシーン以外でサポーターの歓声を聞くことはありません。「BBC」も、「ルーニー、シグルズソン、クラーセンと10番が3人もおり、サンドロ・ラミレスがプレミアリーグニ順応するのに苦労したことで、カルヴァート・ルーウィンの負担が増大」「クラーセンは、アデモラ・ルックマンとケヴィン・ミララスによってもたらされた両サイドの広さとペースを奪ってしまった」と分析。トム・デイヴィスはベンチに追いやられてしまい、新戦力の獲得は昨季のよさを消すほうに作用していました。
さらに痛かったのは、主将アシュリー・ウィリアムズの不振です。彼が安定感を欠いたことで、マイケル・キーンが冷静さを失うシーンが目立ち、若いホルゲートは迷いながらプレイしていました。ルーニーの4発とニアッセの3発しかゴールがないことが中盤の混乱を物語っており、18失点は脆くなった最終ラインが残した数字です。グイェの退場で完全に崩れて5失点を喫したアーセナル戦は残酷でした。「BBC」が「今季の彼は進むべき道を失い、方向性や明確なアイデンティティがなかった」と評した指揮官のチームは、攻守ともに改善すべきポイントが山積していることと、今の延長線上には輝かしい未来がないことを示唆しただけで終わりました。
せめて守備だけでも耐えられていれば、この結末には至らなかったでしょう。責任の半分は、重要なポジションを埋められなかったスティーブ・ウォルシュFDをはじめとするスタッフにあると思います。「プレミアリーグで、また素晴らしいチームを創り上げてください」とクーマン監督をねぎらうとともに、レスターの経営陣に「守備戦術に長けた監督が空きましたよ」と耳打ちしたい気分です。いやー、悔しい。理由がどうであれ、腹を切らされるのはいつも監督です。それが最高の特効薬となることが多いのは、重々承知しているのですが。
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これだけ結果が出ないとなると解任もやむなしですが、昨季まで着実にチームを作っていたところに大型補強でスカッドが大きく変わったことを考えれば気の毒に感じてしまいます。
これまでクーマンの手腕を高く評価していただけに、おそらく経営側も苦渋の決断だったのではないでしょうか。
リーグ戦始めの対戦カードも含め、いろいろとツキに見放されてしまったなぁといった感想です。
補強に関して思うのは、ウエストハムにも同じようなことが言えるのですが、チームコンセプトに則った補強が本当に行えているのか、というところですね。勝利はしましたが、ボーンマス戦でも7 0分頃まで完全に試合を支配されていましたし、勝利にも内容がついてきていない状況でした。ウォルシュをレスターから引っ張ってきたといっても、ベンマッケンジーが語っていた通り、あくまでスカウティングシステムの構築があったからこそだと思わせられちゃいますよね。キーンの補強もウォルシュのレスター時代からずっと狙っていた選手でしたし。
今までのアーセナル戦において、モウリーニョに匹敵するくらい苦手な印象だったのがクーマンだったと思います。
ピッチサイドでニコニコと勝ち点をさらっていくクーマンを、何度憎らしく思ったことでしょう。
そのクーマンが、終始渋い表情をしていた先日の試合では、胸がすく思いと同時に、寂しさも感じました。
試合の途中からは「打つ手無し」とでも言うようなクーマンとベンチを見ていて、本当にチームが混乱しているのだなと、少し同情してしまいました。
まあ、それでもエバートンはエバートンであり、クーマンはクーマンです。
そう遠くない先で、また憎らしいほどの強さを見せてくれるだろうと思います。
お疲れ様でした。
以前リバプール市内に住んでたこともある自分にとっては、トフィーズサポーターの友人もたくさんいるのですが、今夏の補強に関して彼らのほとんどが疑問符を抱いてました。
強いて喜んでたのはルーニーの里帰りとマイケル・キーンという向こう10年CB安泰のタレントを確保したことで、ウィンドウ終盤にシグルズソン獲得発表の際には「なんでルカクの後釜にその金を使わないんだ!?」とかなり怒気を含んだ連中の心境が、今回のクーマン解任で露わになりました。
EL予備予選での苦闘から見て嫌な予感はしてましたが…。
クラブとしての格の違いはありますが、ミランの状況もトフィーズかなり似たり寄ったりだと個人的に思っていて、モンテッラ更迭が先かと思いきや、いやはや管理人さんのおっしゃる通り、何かしらのステートメント後のリアクションの早さがイタリアよりも早くなってる気がしてこの先の監督人事には、選手の移籍と同じくらいインパクトと怖さを感じますね…。
yutoさん>
ターゲットマンが獲れていれば、セインツ時代のペッレのように苦しい試合でひたすらロングフィードを集めるという戦い方もありましたね。残念です。
g14さん>
クーマン監督のサッカーに合った選手が獲れたかといえば、疑問ですね。ルーニー、サンドロ・ラミレス、クラーセンは違ったのではないかと思います。
グーナーです さん>
あの光景は寂しかったですね…。復活してほしいなと思います。
タムコップさん>
ジルーが獲れていれば納得感は上がったのではないでしょうか。確かに怖いですね。ホジソン、クレメント、ビリッチ、戦績次第でマーク・ヒューズでしょうか。