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クラブも指揮官も復活なるか!?ウェストハムの新監督は、噂どおりのデヴィッド・モイーズ!

新監督を確保したうえで、前任者を解任したのでしょう。昨日、スラヴェン・ビリッチ監督を解任したウェストハムが、デヴィッド・モイーズの監督就任を発表しました。プレミアリーグ18位に低迷するチームにとって降格回避は至上命題ですが、招き入れた男は昨シーズンのサンダーランドで4節以降1度も残留ラインを越せないまま、プレミアリーグ最下位で終わっています。モイーズ新監督はエヴァートン時代の輝きを取り戻すのか、4クラブ連続で失敗となるのか。まずは、彼のここまでの足跡を振り返ってみましょう。

1998年にプレストン・ノースエンドで監督としてのキャリアをスタートさせたスコットランド人監督は、1999-2000シーズンにディヴィジョン2(3部相当)で優勝を遂げてクラブを昇格させ、2002年3月にエヴァートンから白羽の矢を立てられました。マージ―サイドで過ごした11年は、素晴らしいのひとこと。当時は残留争いの常連だったクラブを就任初年度に7位に引き上げると、2004-05シーズンには4位フィニッシュを果たしてチャンピオンズリーグ出場権を獲得。2006-07シーズンからは7季連続でプレミアリーグ8位以上と、エヴァートンを「TOP6の次に強いクラブ」というポジションに定着させました。この間、イングランドのリーグ監督協会(LMA)が選ぶ年間最優秀監督に3度輝いており、2013年の夏にサー・アレックス・ファーガソンに後継者として指名されたことに不思議はありませんでした。

ところが、マンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したモイーズは、キャリアで初の挫折を味わいます。2014年4月24日、4試合を残して解任。プレミアリーグ34試合で17勝6分11敗、首位リヴァプールに勝ち点差23の7位というポジションは、前シーズンを制したクラブとしては許容できないものでした。「黄金時代を築いたメンバーが下り坂に入っていた」「優勝する方法を知るコーチ陣を刷新してしまった」「移籍市場における失敗」「リオ・ファーディナンドをはじめとする選手たちとの確執」「ひたすらクロスを中に入れる戦術はオールドファッションで、プレミアリーグ7位のサッカー」「ビッグクラブでの振る舞い方を知らなかった」…。マンチェスター・ユナイテッドでうまくいかなかった理由について、当時のメディアはさまざまな視点から書き立てましたが、ここでそれを論じるのはやめておきましょう。伝えたいのは「その後のモイーズは、1度も成功していない」という事実です。

2014年11月、10戦1勝と不振にあえいでいたレアル・ソシエダに立て直しを要請されたモイーズ監督は、このシーズンは12位フィニッシュと結果を出したものの、翌シーズンのスタートに失敗。最初の11試合は奇しくも今季プレミアリーグのビリッチ監督と同じ2勝3分6敗で、2015年11月6日にラス・パルマスに敗れた後、解任を告げられました。昨季のサンダーランドでの失敗の原因は、「クラブがこれほど資金がないとは知らなかった」というご本人の言葉のなかにあると思われます。プレミアリーグ復帰を焦ったのか、情報不足で引き受けた仕事は、明らかに戦力不足だったクラブを何とかしたいという強い気持ちがない限りは、うまくいかなかったのでしょう。今回のウェストハムは、3年で3回解任となった人物に何を求めているのでしょうか。共同チェアマンのデヴィッド・サリバン氏は、「知識と経験が重要」と語っています。

「私たちは、プレミアリーグや選手に関して知識があり、経験豊富な人物を必要としていた。デヴィッドは、選手たちからベストを引き出してくれると確信している。彼は高く評価され、リスペクトされており、新しいアイデアと組織の秩序、熱意をもたらしてくれるはずだ」

ビリッチ解任のトリガーとなったプレミアリーグ11節のリヴァプール戦の後、「BTスポーツ」の番組に出演していたモイーズさんは、「コンタクトはとっていない」「(ハマーズの監督になりたいかと聞かれて)ポジションが空くならイエス」ととぼけておりましたが、「戦力は揃っているが不振のクラブ」は望むところでしょう。とはいえ、「BBC」のアンケートでは「適任」が11%、「ギャンブル」が34%で「絶対にない」が55%と逆風スタート。私も、「不安定な守備を立て直せるか?」と問われれば、胸を張って「大丈夫でしょう」とはいえません。いや、先入観は脇に置いて、まずはヴィカレージロードのワトフォード戦を見てみましょう。プレミアリーグに名物監督がひとり復帰し、おもしろくなるのではないかといわれれば、こちらは即答で「イエス」です。

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“クラブも指揮官も復活なるか!?ウェストハムの新監督は、噂どおりのデヴィッド・モイーズ!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    これ以上悪くなら無いと思うので楽しみです。

  2. yuto より:

    ユナイテッドとソシエダでの経験を活かした上での復活を予想していただけにサンダーランドでの失敗が痛かったですね。
    サンダーランドで何も変わることができず降格した印象が強いので就任への不信感が漂うのもわかります。
    強豪、格下のチームでは上手くいきませんでしたがエヴァートンと似た中堅クラスの戦力を持つクラブですから、次こそはと意気込んでいるのではないでしょうか。
    信用を失っている今、欧州では指揮を執るラストチャンスとも思える挑戦に注目します。

  3. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    今までは「打つ手なし」な感じではあったので、いい方向にいくのではないかと思います。

    yutoさん>
    サンダーランドは厳しかったですね。ご本人のモチベーションは高く、戦力が揃っているのでうまくいく可能性は十分にあると思います。

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