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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「時が経てば理解される」…未来が感じられないアーセン・ヴェンゲルの重い言葉。

TOP6のクラブが、2季連続でプレミアリーグ4位以内を外すという事実は、重くみなければならない。アーセナルの指揮官が、今、突き付けられているのは、そんなシンプルな言葉で表現できることだけなのではないでしょうか。アーセン・ヴェンゲル監督が、「歳を重ねるごとに年齢差別が増しているように感じる。うまくやることばかりをフォーカスされ、他のことは無視される」とこぼしておりましたが、勝ってさえいれば歳の話などされないことは、71歳でプレミアリーグを制したサー・アレックス・ファーガソンが証明しています。

「結果が充分でなければ、その後のすべてを受け入れなければならない。しかし、クラブにどれだけいたか、何歳かといったずっと続くことをいわれても、受け入れるのは少し難しい。それでも、パブリックな仕事をしているからにはすべてを受け入れ、結果を出さなければならず、それによって判断されることになる」

この言葉を目にしたとき、「ずいぶん歳を取ったな…」と思いました。われわれが知るアーセン・ヴェンゲルは、しなやかでタフで、いつも毅然としていました。周囲が何を批判しようと、どんなレッテルを貼ろうと気にせず、わが道を突き進む強さがありました。しかし今は、「年老いた」「古い」といった言葉で語られるのが気になるのでしょう。プレミアリーグでリヴァプールやトッテナムに捲られ、思うような結果を出せなかったこの2年が弱気を生んだのか、急激に変化を遂げたクラブの体制にストレスを感じているのか。トーマス・トゥヘルが来季からアーセナルで指揮を執るというドイツ発のニュースが事実でなかったとしても、ヴェンゲル監督はこの夏にクラブを去るような気がしてなりません。嘆きの後に続いたのは、既に終わりを意識している人からしか出てこないため息のような言葉でした。

「多分にナイーヴなのかもしれないが、私が見通しと方向性をもってクラブのために成したことは、時が経てば浮き彫りになると信じている。最後の試合がどうだったか、歩みを止めたときに称賛を得られたかなどということではなく。現代的なイメージづくりに少々うんざりしているんだ。生涯を通じて、どう見えるかよりも、どうあるかについてアイデアをもってずっと働いてきたつもりだ」

われわれからは見えない舞台裏で、「その後」のための準備が確実に進んでいるというのは考えすぎでしょうか。「Arsène Who?」から22シーズン。プレミアリーグ優勝3回、FAカップ獲得7回の長期政権には、ヨーロッパリーグ制覇とチャンピオンズリーグ出場権というおみやげを次世代に届けるというテーマしか残っていないのかもしれません。ヨーロッパリーグを本気で戦うヴェンゲルのアーセナルを、エミレーツで観たいという気分が急激に盛り上がってきました。来季の監督に関するゴシップが流れた直後ということもあり、タイミングがよすぎる「スカイスポーツ」の記事が伝えたボスの言葉が重く感じられます。

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