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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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監督解任は正解?焦りすぎ?明暗分かれるプレミアリーグの「後任指揮官」たち。

スラヴィシャ・ヨカノヴィッチ、マーク・ヒューズ、ジョゼ・モウリーニョ。今季プレミアリーグでは、3人の監督が期中に解任となり、最下位ハダースフィールドのデヴィッド・ワグナーは自らクラブを離れるという決断をしました。彼らの後任は、クラウディオ・ラニエリ、ラルフ・ハーゼンヒュットル、オーレ・グンナー・スールシャール、ヤン・ジーヴェルト。クラブの監督解任というジャッジは正しかったのか、後釜の人選は適切だったのかが気になります。それぞれのクラブについて、ビフォー・アフターの戦績を比較しつつ、今後を展望してみたいと思います。

2018-19シーズンの監督更迭劇のなかで、最も成功したのがマンチェスター・ユナイテッドであることは論を待たないでしょう。17試合でやっと7勝だったモウリーニョ監督に対して、スールシャール暫定監督は8試合で同じ勝利数を叩き出してしまいました。公式戦10試合9勝1分、プレミアリーグは8試合で7勝1分。前任者は29ゴール29失点と微妙なスタッツでしたが、ノルウェーから来たクラブOBは20ゴール6失点という文句なしの数字を残しています。

不振の最大の理由が前任者と選手たちの不和だったため、立て直しやすい状況だったとは思われますが、それにしても10戦無敗は見事です。新機軸はラシュフォードのトップ起用とポグバの攻撃的な役割へのシフト。21歳のストライカーは8戦6発と結果を出し、ポグバも6ゴール5アシストという出色のスタッツを記録しています。プレミアリーグ4位のチェルシーの背中は目の前にあり、チャンピオンズリーグのパリ戦も楽しみになりました。CL出場権を獲得すれば、次のシーズンのオールド・トラフォードでもスールシャール監督の姿を見られるかもしれません。

ヨカノヴィッチ監督の下では1勝2分9敗と散々だったフラムは、ラニエリ就任以降は3勝3分7敗と改善してはいるものの、17位のバーンリーとは7ポイント差という厳しい状況が続いています。アウェイ勝利は未だゼロ。守備戦術には定評があるラニエリ監督の指揮下でも、13試合中9試合が2失点以上と、プレミアリーグ最多失点のDF陣に覚醒の兆しはありません。

イタリア人指揮官は、戦い方の軸を作るべくレギュラー固定。オドイ、リーム、ル・マルシャンの3バックにクリスティとジョー・ブライアンのアウトサイド。中盤センターはセリとチャンバースが仕切り、シュールレとバベルの前に今季プレミアリーグ10発のミトロヴィッチという布陣です。18歳のモンスター、ライアン・セセニョンが弾き出されてしまったのは残念ですが、守備を重視するならこの11人でしょう。勝ち点7差をひっくり返すためには、残り13試合で5勝は必要だと思われます。ラニエリの改革は、間に合わない可能性のほうが高そうです。

サウサンプトンを混乱させてしまったマーク・ヒューズは、プレミアリーグ14試合で1勝6分7敗。「アルプスのクロップ」というニックネームを嫌がるハーゼンヒュットル監督は、リヴァプールを思い出させるプレッシングを18位だったチームに持ち込み、4勝3分3敗と立て直しました。アーセナルに3-2で競り勝ち、チェルシー戦はスコアレスドロー。ノーゴールだったレドモンドをゴールに近いポジションで起用し、公式戦5ゴールという結果を出させたうえで、ロメウとウォード=プラウズをスタメンに戻して中盤を安定させています。24歳になった生え抜きMFウォード=プラウズは、先発復帰後の6試合で4ゴールとブレイク。前任者がうまく使えなかったヴェステルゴーアを最終ラインに定着させたオーストリア人マネージャーは、来季も引き続き指揮を執るのではないでしょうか。

1月14日にワグナーの後を継いだばかりのジーヴェルト監督は就任のタイミングが悪く、マンチェスター・シティ、エヴァートン、チェルシーにノーゴールで3連敗です。36歳と若い監督を招聘したハダースフィールドは、チャンピオンシップで戦うことになりそうな2019-20シーズンを見据えているのではないかと思われます。明暗分かれる後任指揮官たち。プレミアリーグ最下位のチームを引き受けた2人が苦しみ、ダッチロールしていたチームに明快な戦術を持ち込んだ2人は巻き返しに成功しています。今季は、ここから先の監督解任はないと見ておりますが、果たして…⁉ブックメーカーの予想は、本命マルコ・シウヴァ、対抗はレスターのクロード・ピュエル、3番人気は「No Manager To Leave」です。

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“監督解任は正解?焦りすぎ?明暗分かれるプレミアリーグの「後任指揮官」たち。” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。

    —–
    更新ご苦労様です。
    エバートンは変えない方が良いと思うんですよね、、、。監督の能力は問題ないと思うのですが。降格する順位ではないので、あとはどれだけオーナーとサポーターが耐えられるかですね。

  2. 不知火 より:

    お疲れ様です。
    攻撃の軸がポグバに寄りすぎているのに不安を感じます。
    まぁ簡単に封じられる選手ではありませんが、ポグバが下がってきた時など攻撃に停滞感を感じますね。
    やはりなんらかの補強は必要かと。

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