「 I will come back soon」…復帰間近宣言のヴェンゲルさんに、ヴィッセル神戸がオファー!?
「Football is still my passion. I will come back soon – but I cannot tell you exactly in what capacity.(フットボールは今でも私の情熱だ。すぐに戻るだろう。しかし、どんな能力をもってとはいえないね)」
1997-98シーズンに初めてプレミアリーグを制し、2000年代前半にはアーセナルの黄金時代を築いた名将の言葉に、しんみりしていたところでした。「私は今、岐路に立っている」と語ったヴェンゲルさんから、現場への強いこだわりが感じられなくなっていたからです。「どうあるべきか。フットボールの試合に勝つのか、他の道なのか。自分自身で決めないといけないのだが、結論はすぐに出せるよ」。アーセナルを愛し続ける名将は、おそらくプレミアリーグには戻ってこない。であれば母国フランスのクラブで指揮を執って…と想像していた私にとって、ディレクターという選択肢には引っかかるものがあったのです。
2017年5月。ガナーズは19シーズン連続で獲得していたチャンピオンズリーグ出場権を失おうとしていました。クラブもメディアも「ポストヴェンゲル」を意識し始めており、プレスカンファレンスではフットボールディレクターを招聘するというプランについて質問が飛ぶようになっていました。「私がアーセナルの監督であれば、戦略の決定は私が行う」「ディレクター?誰かが右、左と指示を出すのか? 理解できない。まったく意味がわからない」。激しい言葉でディレクターは不要と力説した指揮官は、美しき孤高の存在でありながら、滑稽な抵抗勢力にも見えました。
当時のヴェンゲルさんは、明らかに余裕を失っていました。決してディレクターを置くメリットを理解できなかったわけではなく、自分を排除するような動きに抗いたかったのでしょう。ラウル・サンレヒやスヴェン・ミスリンタートがやってきた最後のシーズン。前半戦を10勝4分5敗という冴えない数字で終え、プレミアリーグ6位に停滞していたアーセナルを見ながら、22年めの指揮官は今季限りでクラブを去るだろうと覚悟していました。最後まで彼らしく戦ってほしいと願いつつ、ヴェンゲル体制なら獲らなかったであろうオーバメヤン&ムヒタリアンに新時代の幕開けを感じていました。
プレミアリーグは、既に分業の時代。チームは否応なく変わるけれど、ヴェンゲルさんには古きよき時代を象徴する全権監督としてキャリアを全うしてほしい。68歳になった御大が晴れやかな笑顔でグーナーに別れを告げた後も、その思いは変わりませんでした。ファンのわがままなのですが、ディレクターとしてチームを掌握する姿は見たくないという気持ちが、月日を重ねるごとに募っていたのでしょう。このたびの言葉を聞いて、違和感や落胆に似た気分を拭えませんでした。
そんななかで飛び込んできた「ヴィッセル神戸が、年俸400万ユーロ(約4億9000万円)の2年半契約をオファー」のニュース。「Goal.com」によると、イニエスタ、ポドルスキ、ビジャを擁するチームは公式戦9連敗中と泥沼にはまっており、Jリーグのお荷物クラブだった名古屋グランパスをトップクラスに引き上げた指揮官で巻き返しを図ろうとしているようです。契約が終わったとき、ヴェンゲルさんは72歳。監督としての最後のキャリアを日本のクラブに捧げてくれるなら、応援しないわけにはいきません。
記事を読み終えた瞬間、名古屋駅の太閤通口で長身の指揮官がタクシーに乗ろうとしている姿が蘇りました。あの頃は名古屋グランパスが好きで、ヴェンゲルさんが好きで、ピクシーが好きで、Jリーグのスタジアムに通っていました。今はプレミアリーグを観るのが忙しく、Jリーグはサイトでチェックするだけになってしまいましたが、20数年前にこよなく愛した監督のフットボールを間近で観られるなら、スタンドに足を運んでみようと思います。
「Football is still my passion. I will come back soon」。淡い期待を抱きながら続報を待ちましょう。三浦淳寛さんというSDがいるチームなのが、大いに気になりますが。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
シーズンお疲れ様でした。
毎日欠かさず読ませて頂いてます。
次々と移籍情報も飛び交うので、管理人さんに休む暇は無いですが、楽しみにしていますので、これからもよろしくお願いいたします!!
神戸にヴェンゲルさん来るのでしょうか?
やけに、あり得る感が強く匂いますよね(笑)
ヴェンゲルさんなら、V,I,Pを御せるのか?
楽しみなニュースです。
神戸の連敗脱出は今節一番の胸アツで、所属する選手たちからすると、どんな気持ちでこのニュースを読んでるのか気になりますが、リーグを掻き回せるポテンシャルはあるはずなので、頑張ってほしいですね。