妥協なき復帰は実現するのか…「スカイスポーツ」がジョゼ・モウリーニョに独占インタビュー!
「友人は、君の時間を楽しめばいいという。7月を、8月を、今までなかったことを楽しめばいい、と。正直にいおう。私は楽しめない。それを目いっぱい楽しめるほどハッピーではない。フットボールを失ったのに、心に火が着いている。私には約束がある。自分自身、愛してくれる人々、世界中のファン、私を触発してくれた人々との」
1月にベンフィカからのオファーを断り、「マネージャーに対する世界最高額オファー」といわれた中国スーパーリーグからの8800万ポンドにも首を縦に振りませんでした。「働きたい衝動があるなかで、仕事を断るのは最も困難なこと」とこぼしながら、プレミアリーグ、セリエA、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、リーグアンのクラブというのが復帰の絶対条件と明言。「いつかはユーロやワールドカップで指揮を執ってみたい。ポルトガルでなくても構わないが、ポルトガルなら誇りに思う」といいつつ、代表チームの仕事は今はやりたくないと語っています。
彼のコメントに触れて、気になったのは「Mourinhista」という言葉です。モウリーニョのサポーター。自分に全幅の信頼を注ぎ、あらゆることをまかせてくれるオーナーとつながりたい…。プレミアリーグで戦っていた頃、アーセン・ヴェンゲルに辛辣な言葉を投げつけていたのは、ジェラシーの発露でもあったのではないでしょうか。「プレミアリーグで10年勝っていない監督がポジションを追われる気配がなく、選手の人事権まで掌握しているのに、率いたクラブを必ず優勝させている自分が思うままにスカッドを構築できないのは理不尽だ」。そんな思いを今も抱き続けているとすれば、復帰の道は茨の道でしょう。大半のフットボールクラブが、彼が望む世界とは異なる方向に舵を切っているからです。
プレミアリーグに限らず、欧州の強豪クラブにはフットボールディレクターがいるのが当たり前になりました。ダニエル・レヴィ会長がすべてを仕切るトッテナムのようなクラブもありますが、ワンマンオーナーは自分の意を汲んでくれる監督を求めるのが常です。自由にお金を遣えないのは大前提。「補強については何も知らない。答えられない。マネージャーではなくコーチと肩書を変えるべきだね」と不満をこぼしながら、オーナーが獲ってきた選手でチームを確実に強くするポチェッティーノ監督のような忍耐力がなければ務まりません。昨季プレミアリーグで、「彼の戦術はオールドファッションになっている」といわれた元マネージャーの主張は、古きよき時代を静かに継ぐ一部の小規模クラブのオーナーにしか受け入れられなくなりつつあります。
「Ze has to be Ze and Ze until the last day, but I don’t see the last day because my next move will be like the start!(ZeはZeであり、最後の日までZeだ。しかし私は最後の日を見ていない。次の動きは、始まりのようなものだからね)」
プレミアリーグの小規模クラブのオーナーが「すべてをまかせたい」といったら、モウリーニョさんはどんなリアクションを見せるのでしょうか。ラニエリ監督が奇跡を起こしたレスターのように、コンセプチュアルなサッカーで強豪と伍するモウリーニョさんを見てみたい気もするのですが…。せつない気分にさせられるインタビューを読みながら、「妥協なき復帰」を遂げる日が来ることを強く願う次第であります。
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2年前にプレミアリーグで2位だったことを考えれば、面白いかを別にすれば全く通用しないわけではないでしょう。ただ、ファリアの居なくなったモウリーニョのサンプルが、昨シーズンのマンユナイテッドしかないのはキツイですね。
クラブの野心や使えるお金でみれば、ウルブズなんかが良さそうですが、今の監督が素晴らしいのでモウリーニョを欲しいとはおもわないでしょうね。
3年目にチーム崩壊する覚悟でないと雇用するクラブ側も大変ですよね
『Ze has to be Ze and Ze until the last day』
うおー、モウリーニョ節健在ですね。彼の存在はピッチ内外で絶妙なスパイスでした。19-20シーズン開幕前の高揚感が少し薄味なのは、移籍市場の動きの少なさと相まって、Ze不在も要因の1つかもしれないと記事を読んで思い至った次第でございます。