別れは苦難の道の始まり…「ユルゲン・クロップによって才能が開花した男たち」5つの証言。
契約延長を拒否し、フリーでユーヴェに入団したエムレ・ジャン。ブンデスリーガで最優秀選手に輝きながら、ドルトムント退団後に結果を出せなかったヌリ・シャヒン。バイエルンに移籍したマリオ・ゲッツェと、マンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグにチャレンジした香川真司は、ドルトムント出戻りコンビ。バルセロナからバイエルンに移ったフィリペ・コウチーニョも、失敗を重ねれば格安の移籍金でリヴァプールに復帰するかもしれません。
今回の5人には、「ユルゲン・クロップの指導でブレイクした」とはいえない選手も含まれていますが、「熱き名将の信頼を受けて高いモチベーションでプレイしていた」という表現なら、全員にあてはまるでしょう。この記事に目を通したレッズサポーターは、私と同じことを想像するのではないでしょうか。「今のリヴァプールで、クロップと別れたら沈んでしまうかもしれない選手は誰か」。4人の顔が次々と浮かびます。サディオ、ボビー、ロボ、ジニ。いずれもドイツ人指揮官によって新たな才能を見出され、強い絆で結ばれている選手です。
「とても素晴らしい人。世界でもトップクラスの監督だと思う。厳しいオーダーもあるけど、当然だよね。誰でも選手には限界までチャレンジしてほしいと願うもの。彼は今まで会ったなかでも最高の監督だ。トレーニング以外でも、いろんなことを話すよ。僕だけでなく、他の選手たちともよく話をしている」(サディオ・マネ)
「彼が来てから全てが変わった。素晴らしい監督で、一緒に働けるのを誇りに感じる。戦術的にもフィジカル面でも僕を成長させてくれた」(ロベルト・フィルミーノ)
「新しい監督の前では、誰もが緊張するものだ。彼は僕をハグしてリラックスさせてくれた。僕のことを本心から知りたがってくれて、並んで座ってお互いに過去を語り合ったんだ。そんな時間にずいぶん助けられた」(アンディ・ロバートソン)
「クロップ監督とはいい関係を築けている。彼はとても助けてくれる。いつも何かと指摘され、時に厳しいこともいわれる。でも、彼は常に率直で、正しい道を進んでいると感じられる。自信も高めてくれるしね。『ミスはサッカーの一部だ』といいながら」(ジョルジニオ・ワイナルドゥム)
マネがプレミアリーグ得点王に輝いたのは、ゴールをめざすウインガーという最高の役割を与えられたからでしょう。何でもできてしまうタレントゆえ、指導者を間違えれば並のトップ下で終わっていたかもしれません。偽9番としてフィルミーノを活かすというところまでは、他の監督もできるかもしれませんが、クロップ監督が前線の守備の連動性を高めたからこそ、的確なプレスバックの価値が高まったのだと思います。
上下動を厭わないロバートソンは、「自分に何ができるのか、何を向上させる必要があるのかを教えてくれた」とクロップ監督のアドバイスを絶賛。ニューカッスルではトップ下でプレイしたワイナルドゥムも、「6番や8番など、さまざまな役割でプレイすることを学び、オールラウンドなMFになることができた。深い位置でプレイする際の守備の規律や、ビルドアップなどを経験することで、高い位置でも後ろでも違いを作れるようになれた」と語っています。
クロップ監督のコンセプトとオーダーがなければ、現在のストロングポイントを磨くことができなかった面々は、ひとたびリヴァプールから離れれば、苦しい旅を強いられることになるのかもしれません。稀代の名将との出会いによって、人生が変わったスペシャリストといえば、この人も忘れてはいけません。1年前に、スローイン専門コーチとして招聘されたトーマス・グレネマルクさんです。「彼はイノベーター。自分はすべてを知っているわけではないというスタンスで、専門的な知識を持つ人間の話を貪欲に吸収しようとする」とボスを称賛するデンマーク出身のコーチの言葉を紹介して、この稿を締めたいと思います。
「ユルゲンは何でも聞いてくれて、親友と話しているみたいだ。イングランドでは無名の人間を迎え入れ、『その知識をトレーニングプログラムに取り入れたい』といってくれた。そこには大きな信頼と、素晴らしいリーダーシップがあった」
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更新ありがとうございます。
いやぁクロップ監督大好きです。人として、リーダーとして、こうありたいと思わされます。
ご指摘の4選手がチームを離れても輝けるかどうかは分かりませんが、クロップ自身は別のチームでも輝けることを証明しました。ドルトムントに続いてリバプールでも自身のコンセプトで成功して見せたワケです。
何というサクセスストーリー!