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複数紙が秒読みと報道!セインツのポチェッティーノ監督が、トッテナム新監督就任間近!?

「ガーディアン」は今週中、「スカイスポーツ」は48時間以内と報道。複数のイギリス紙がその名前を伝えており、トッテナムの新監督が決まりそうです。 新しい指揮官は、アヤックスのフランク・デ・ブール氏ではなく、今季のプレミアリーグでセインツを率いていたマウリシオ・ポチェッティーノ氏。「彼がいなくなったら大変なことになる」と、セインツの19歳MFウォード・プラウズが祈るように残留を求めていましたが、その願いが叶うことはなさそうです。

2013年1月、降格回避を目標にしていたナイジェル・アドキンス監督を「めざすゴールが低すぎる」と解任したコルテーゼ前サウサンプトン会長が連れてきたのがポチェッティーノ氏でした。その2ヵ月前、スペインのエスパニョールをクビになったばかりだった若きアルゼンチン人監督は、3月に入るとジャイアントキリングを連発してプレミアリーグ残留を達成。2年めとなる昨季、一気にセインツを8位にまで引き上げました。吉田麻也をベンチに追いやったデヤン・ロブレンの補強が大きかったのは事実ですが、ほとんどの選手はアトキンス時代からプレイしており、好成績はポチェッティーノ監督の育成能力と戦略構築に拠るところ大でしょう。

リッキー・リー・ランバート、ララナ、ルーク・ショー、ジェイ・ロドリゲスと、セインツはこの1年で4人のイングランド代表選手を輩出。チャンバース、ギャラガー、ウォード・プラウズ、そしてショーと、4人もの10代選手を使いながら育てたのは見事でした。名前を挙げた選手は、ギャラガー以外は全員イングランド籍。FAはポチェッティーノ氏に足を向けて寝られません。もし、セインツに「プレミアリーグ4位に食い込んでチャンピオンズリーグ出場をめざす」と大きな野望を語っていたコルテーゼ会長が残っていれば、ポチェッティーノ監督の退任はなかったと思います。カリスマ会長の辞任が、有能な監督を失うトリガーとなったのは間違いなく、これらが羅針盤を失ったセインツの凋落につながらなければいいのですが…それはまた、別の話ですね。

さて、話を戻しましょう。今回トッテナムが、プレミアリーグを知っており、チーム立て直しの実績があるポチェッティーノさんに白羽の矢を立てたのは納得です。他国から監督を連れてくるよりリスクは少なく、昨季、ベイル資金で大量補強したチームがうまくいかず、多くの才能を眠らせてしまっている今のトッテナムにはうってつけの人材でしょう。自分のスタイルへのこだわりが強く、柔軟性に欠けるヴィラス・ボアス氏よりもうまくいくのではないでしょうか。

懸念があるとすれば、「ヨーロッパリーグを戦いながら、プレミアリーグで好成績を残せるか」ですね。昨季、ヨーロッパリーグに出場したトッテナムとスウォンジーは、プレミアリーグで苦戦を強いられ、ヴィラス・ボアスとラウドルップという若い監督をクビにするところまで追い込まれました。同じく欧州で戦ったチャンピオンシップのウィガンも不安定なゲームを繰り返し、来季のプレミアリーグ復帰ならず。ターンオーバーを敷けるほどの選手層を持たない中規模以下のクラブにとっては、毎週木曜日、しかもロシアやギリシャまで遠征して戦う欧州の大会は相当な負担です。チームに新しいコンセプトを定着させるところから始めないといけないトッテナムで、結果を出しながらチームを創っていくという難しいミッションを、ポチェッティーノ新監督がどこまでやれるかに注目です。育成上手な監督のもとで、ハリー・ケイン、ベンタレブ、タウンゼントなど、トッテナムユーズやアカデミー出身者が、チームの顔として完全に定着するぐらいまで育つといいですね!

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